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「自分以外の誰かを幸せにするプロジェクト」第4回錦江町役場職員研修を実施しました。

錦江町役場職員研修は、役場職員が「チェンジ・エージェント(変革の担い手)」となることを目指し、2023年度から始まりました。一人ひとりが自分の視点で、今ある問題を課題解決に導くプロジェクトを設計し、自ら行動し、あるいは行動を起こす人を応援し、町ぐるみでよりよい自分と町の未来を実現していく、2年がかりの挑戦です。
この記事では、新田敏郎町長にも特別参加いただいた、2024年1月18日に実施した第4回研修の様子をご紹介します。


視点を変えてプロジェクトを見直す

 

これまでの職員研修では、第1回で身近な問題を意識し、課題を見出すときの視点を定めました。第2回で自分自身とこの町はどうありたいか、何を諦めないかを「ねがい」として、最初のゴールと課題を見出し、課題を解決するための仮説を立てました。第3回で仮説を元に、いつまでに、何をするのかを考え、自分の視点でプロジェクト(行動の工程表)を作成しました。

第4回研修のテーマは「プロジェクトを試行する」。
プロジェクトの試行に向けて、自分以外の「誰か」を幸せにする観点で、プロジェクトを細部まで見直していただきました。

プロジェクトの見直しは、フレームワークに沿って行います。
1)自分のプロジェクトで幸せにしたい「誰か」をイメージする
2)その「誰か」が感じている、この町の「惜しい!」を想像する
3)「惜しい!」を生み出している原因を3つ上げる
4)「誰か」が感じるこの町の「いいね!」を想像する
5)「惜しい!」が「いいね!」になるために超えるハードルが「課題」
6)「課題」を解消する「解決策」を考える
7)「解決策」が「惜しい!」の原因3つをちゃんとなくしているかをチェックする

 

自分以外の誰かを幸せにするプロジェクト

錦江町の未来を作るプロジェクトですから、幸せにしたい「誰か」に町民を想定したときも、その人をお客さまと捉えないことが大切なポイントです。

錦江町の未来は、職員だけがいくら頑張って取り組んでも実現しません。職員も住民も自治体の構成員。一緒に町の未来を作る仲間と言ってもいいでしょう。幸せにしたい「誰か」は、対象者であり、ゆくゆくはともにプロジェクトを担う仲間として考えていきます。
これから錦江町の未来に関わってほしい人を思い浮かべたときも、同じ未来を作る仲間、プロジェクトをともに担う仲間として考えることができます。

「誰か」を顔の見える一人に絞り込むことで、その人ならこんなことに困っているかもしれない、こんなことが嬉しいかもしれないと具体的に想像し、課題や解決策を詳細に見直します。

職員のみなさんの幸せにしたい相手として、子ども(あるいは子どもと保護者)が最も多く、高齢者、女性、移住者、運動不足の人、空き地の所有者などが挙げられました。福祉、教育、コミュニティーといった大きな問題意識から、具体的な対象に的が絞られた様子が窺えました。

作成したワークシートをもとに、各グループ内で自分の考えを共有し、意見を出し合う時間には、具体的な名前は上がらないまでも、頭の中で誰かをイメージしながら、話をされていたように見えました。また、一緒にプロジェクトに取り組みたい相手を定めた方もいらっしゃったようです。

アクションを決める

 

誰を幸せにするプロジェクトかを明確にしたところで、プロジェクトを再設計します。バックキャスティングの考え方で、例えば、3年後のゴールを実現するために、1年後にどこまで実現していたいか、1年後のゴールを目指すために、6か月後、3か月後、1か月にどこまで実現していたいか、それぞれのゴールに対し、どうすればできるかを検証する仮説を立てます。最初の1か月については、取り組むことを3段階で詳しく設計します。

プロジェクトは設計するだけで終わりではなく、研修後には試行を始めます。ご自身のプロジェクトを元に、次回の研修までの3か月間で取り組む具体的なアクションを決めて、何をするのか各グループ内で発表していただきました。

みなさんから共有されたアクションを一部抜粋してご紹介します。

・移住者の子育ての不安についての仮説検証で、実際に子育て中の移住者の話を聞く
・小・中学生の将来像についての仮説検証で、小・中学生に話を聞く,保護者に話を聞く
・荒地の再利用についての仮説検証で、地区を決めて、荒地の数量と状況を調査する
・女性のメイクについての仮説を検証するために、知り合いに声がけし、興味のある人を集めて、メイクを披露しあう

日々の仕事の合間を縫っての調査は簡単ではありませんが、結果が気になる、興味深い内容でした。3ヶ月でどのようなことが起こったのか、次回研修での共有に期待が高まります!

また、今回、特別に参加された新田町長には、グループでの共有にも参加いただき、最後まで職員のみなさまと意見を交わしていただきました!
町長もグループに混ざり、職員の方々と肩を並べて議論するシーンは、錦江町らしい光景です。町長ご自身のプロジェクトやアクションも紹介いただき、みなさんにとっても次回以降への励みになったのではと思います!

第5回研修に向けて

 

今回の研修で、全8回のうち前半の4回が終了しました。
最初は戸惑いや緊張も見られましたが、回を重ねるごとに、積極的な雰囲気が増していくのを感じました。グループ内の共有では、質問やアドバイスをきっかけに、考えがぐっと深まる場面もあり、よりよい町の未来をつくる仲間としてともに歩まれているように見えます。

第5回研修は2024年5月頃の開催を予定しています。テーマは「プロジェクトを淘汰する」。お一人お一人に設計していただいたプロジェクトを、似た内容のものはまとめ、協力して取り組めそうなプロジェクトをいくつか選んでいただく回となります。誰の、どんな「ねがい」を実現するのか、誰を幸せにするのかという点も、プロジェクト選びのポイントとなるでしょう。それぞれの試行を経て、新年度の展開が楽しみです!

参考記事
錦江町から町の未来を! 第1回役場職員研修

まちがよくなる仮説を立てる 第2回役場研修研修

プロジェクトを設計する 第3回役場職員研修


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