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畦一郎の映画観よや vol1.『憐れみの3章』

どうも

エマ・ストーンの濡れ場って思ったより性的興奮ないよな

でお馴染みの者です

今回から観た映画についての率直な感想とオススメ度をnoteに残していこうと思います。僕は映画批評についての専門的な知識はないので印象批評がほとんどになると思いますが、お願いします。
ちなみに全然ネタバレありです。


作品概要


米国版ポスター。かっちょええ

『憐れみの3章』(原題:Kinds of Kindness)は2024年にサーチライト・ピクチャーズから公開されました。監督は『ロブスター』『哀れなるものたち』で有名なヨルゴス・ランティモスで、主演はエマ・ストーンジェシー・プレモンス。全3編からなるオムニバス形式の映画で、上映時間は164分と結構長めです。お花の摘みがいがあるっちゅうもんですわ


監督について


ヨルゴス・ランティモスさん51歳
ややハゲぎみ

監督のヨルゴス・ランティモスさん。前作『哀れなるものたち』で第80回ヴェネツィア国際映画祭の金獅子賞を獲得、第96回アカデミー賞では4部門で受賞&監督賞にノミネートと、今一番ホットな監督ですね。
この方はギリシャ出身で、"Greek Weird Waves"と呼ばれるシュールなギリシャ映画ムーブメントの代表格ですね。元々は現代劇をやってたらしくて、作家主義丸出しなのは作品観てると分かります。
この人の作風としては、支配と被支配の関係性、というものが主題です。夫と妻、父と子、上司と部下など。詳しくは後述しますが、本作『憐れみの3章』でもしっかりとその辺の関係性が描かれていました。
他に特徴を挙げるならば、現代では珍しくセックスシーンが多いです。しかも結構過激に、恥部モロだしです。でも不思議なのが、そこにエロさとかは全くなくて、どこかユーモラスであったり、はたまた不愉快であったりします。それがこの監督の凄いところです。だからエロ目的で観んなよ!

あらすじ

各自調べろ、こんな時代や

ポイント

先述したように本作は3編からなるオムニバス形式の映画で、それぞれ
①上司と部下 ②夫婦 ③宗教 というテーマで、運命に翻弄される男女の物語を描いています。内容が結構複雑で、特に説明もなく物語が展開されるので説明が非常に難しいのですが、一言で言うと不条理映画です。そもそも本作の脚本は、ランティモスがアルベール・カミュの『カリギュラ』からインスピレーションを受けて書かれたらしいです。納得やわな
だから正直に言って、観た後に得られる教訓とかは全くと言っていいほどないです。で、別にスカッとする内容でもないし。「俺は何を見せられたん?」っていう感覚になります。でも面白いのは確かですね。
あとメタ的な視点でいうなら、3章全てで全く違う世界線の話なんですが、キャストは全く同じなんです。つまり、第1章では主人公と出逢う若い女性を演じていたエマ・ストーンが、第2章では海難事故から生還した妻の役を、第3章ではカルトの信者として家族を捨てた女の役を演じます。これがめちゃくちゃに効果的で、観てる側はどうしても同じキャラとして観てしまうかと思いきや、全く別の人物みたいに感じて観られるんですよね。これはひとえに役者の能力のお陰だと思いますし、それを引き出すようなプロットを書いたランティモスもさすがです。

第1章:R.M.Fの死

感想

まず画の点からインパクトがあったのは、やっぱりラストシーンですよね。ていうか他の2章もそうなんですけど、ラストシーンの画が強烈すぎますね、この作品。この章だと、プレモンスとデフォーとクアリーが頬ずりし合い抱き合いながら子供のように眠るシーンが最後にドアップで映されるんですけど、なんかこう、奇妙でしたね。別に恥部とかも写ってないし卑猥な行為も一切ないんですけど。

ラストシーン。本編ではよりドアップで!

プロットの点で思ったのは、レイモンド(デフォー)に全てを管理・支配される生活をしてきたロバートがその異常さに気付くところから本章は始まって、でもその異常さがあったからこそ自分は存在できたんだという事に気付いて、自主的にその異常に、被支配へと向かうっていうのがすごく奇妙なんですよね。奇妙なんだけど、本質を突いているというか。

で、またラストシーンの話なんですけど、観てて急に観客が突き放された感じがするんですよ。これ何なのかなと思ったんですけど、観客って基本的に主人公のロバートに感情移入するじゃないですか。で、最初はロバートの異常さに驚き、ある段階から異常さに気付いたロバートと心情が一致して、最後にまた異常に帰ったロバートに裏切られるんですよ。なんというか、友人が悪いことして、一瞬更生しかけたんだけどまたムショ行きになった時みたいな。「ああ、こいつもうあかんわ、期待したのに」っていう、呆れと虚しさの混じった感情。それまでは落ちこぼれたロバートに対して同情出来たり、起こすアクションにハラハラできたのに、ラストで一気にこっちの手を離れた感じがして。でも本人はこれが幸せなんかなっていうやるせなさ。やってられへんで

第2章:R.M.Fは飛ぶ

感想

画に関して、全3章の中で1番グロいです。俺はグロいの苦手やからあんまり直視できなかったんですけど、まあそれもあって画のインパクトは強いですね。特にラストシーンは率直に言って意味不明ですし、普通にホラーです。本物(幻覚?)のリズ(エマ・ストーン)に会って歓喜するダニエル(プレモンス)と、自分ではらわたを引き裂いてそれを眺めながら死ぬ偽物(とダニエルに思い込まれた)リズ。ちょうど画面の真ん中で分けられていて、ランティモスあるあるの固定広角カメラで、まるで絵画のようなシーンに。『我が子を食らうサトゥルヌス』みたいな、グロテスクな美しさがありますね。
あとは途中でスワッピング4Pが映されるんですけど(しかも録画)、ノリノリで観るダニエルと気まずそうにするニール(アティエ)とマーサ(クアリー)との対比がシュールでした。常識的に振る舞ってるけど、スワッピング4Pを撮影してる時点で非常識やろ

第3章:R.M.F.、サンドイッチを食べる

感想

書くの疲れた。ラストのダンスシーンはmeme化しそう。
(モチベ出たら加筆するわ)




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