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【キャリア教育】一緒に壮大な夢を共有できた瞬間

こどもの頃の夢は?思い出せるものはありますか?

私の場合、なるべく記憶を遡って考えてみると、幼稚園のときはりんごやさん。りんごが好きだったから。

そのあとの変遷はこんな感じ。

●小学生:F1レースを支える技術者

●中学生:ラジオDJ

●高校生:ミュージックビデオのクリエイター

●大学生:中学校教師

キャリア教育にかかわっている今もだし、
過去の自分を振り返ってもなのですが

自分にとって身近なものを扱っているか、身近な人が就いている職業など
「知っている」範囲でしか、選択肢をイメージしにくいんですよね。

もちろん「夢」と聞かれたら職業でなくてもよくて、ヘリの操縦資格とヘリを持っていて好きな時に空を飛べる人。とかでもよいわけです。

話を戻します。

宮崎県児湯郡川南町にある国光原中学校での話です。
昨年度から定期的に関わりを持たせてもらった一年生が、次学年にあがり二年生に。

そこで、なぜ学ぶのか?など新一年生と二年生向けにお話してほしい。というリクエストをいただきました。

時間は6限目の一コマ。細かい内容はお任せします!!!となんともやりがいある一言でご依頼いただきました。(ありがたいことです😊)
色々考えた結果、こんなふうに実施しました。

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●プログラム構成

一部:これからの社会のキーワードの共有し、どんな力が必要か考える
ニ部:①そのままの自分に自信を持つ大切さを伝える

   その上で
   ②意志を持って自分の進む道を決める

●詳細

一部では、米デューク大学 キャシーデビッドソン氏が、ニューヨークタイムズ紙インタビューにてお話された「2011年、小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」という言葉を引用させてもらいました。

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二部では、生徒たちがこれからを考える時に、「身近な人」に出てもらいたい!と考え、3人の方に登壇いただきました。
テレビの中の有名人とか、その人の暮らしが全く想像できないところにある人ではなく、今も実践しながら向上していて、会おうと思えば会える大人で、身近に感じられる存在で、かつ生徒たちとなるべく年齢の近い人で、と考えました。

●登壇をお願いした方
ご登壇いただいたのは、2名の社会人と0歳の赤ちゃん。
国光原中学校と、宮崎市内の登壇者の自宅をオンラインでつないでのハイブリッドで開催。

1組目は今村 絵梨(いまむら えり)さんと、文太(ぶんた)くん。

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元中学校教師で、3人のお子さんのお母さんでもある今村さん。
オンラインで、赤ちゃんとの登壇を実現してくれました。
育児休暇明けに学校へ職場復帰した際、生徒たちの失敗をこわがる姿に気づいた今村さん。赤ちゃんの時は、自分の「〜〜したい!」にまっすぐ行動できるのに・・・と胸が痛んだそうです。

●失敗は、いつかできるようになるためのプロセスであること
●そのままの自分で素晴らしいこと(もっと自信を持って大丈夫)
というエールを生徒たちに送ってくれました。

2組目は、同中学校卒業生である 下地 泰信(しもじ やすのぶ)さん。


川南町で堆肥事業を行う有限会社タヂカラを、先代より正式に事業継承し、代表に就任された26歳の若手堆肥農家さんです。

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堆肥を極めるためにも、農業を知る必要性があると実感し、両方を学べるキャリアを選択され、行動を起こした下地さん。

また、
●勉強だけではなく、楽しみも大事であること
●成長のためには、自分の足りないところ、苦手な部分もありのまま認めること
の大切さをお話ししてくれました。

今後の展望は?

という質問には
「堆肥って臭いと思っていますよね?でも僕は、良い堆肥を作ることができれば解消できると思っています。川南町の堆肥は臭くない、を押し出せるようにして町のイメージアップにも貢献したいです」と熱く語ってくれた下地さん。
このお話には、会場中が強くうなづき、下地さんの夢を一緒に共有させてもらえた時間となりました。

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先生から「実際に宮崎の外に出てみて感じる宮崎のよさや、川南町外に出てわかる川南の良さってどんなものがありますか?」というご質問をいただき、下地さんからは「人と人とのつながりがあること」との回答。

川南に戻ってすぐ大型の設備を使って堆肥づくりに本腰入れて取り組むつもりだったのが、帰ってきてみればそのあたりの設備を全部お父様が売ってしまった後だったそうです。
t(トン)単位の堆肥を人力で空気を含ませながら切り返す作業を続けている中で、機械を貸そうとしてくれるつながりも生まれたことをお話してくれました。

年度初めのオリエンテーション。生徒たちには少しでも生き方の選択肢が無限にあることを感じ取っていただけたら嬉しいです。

下地さん登壇裏話

登壇をお願いしたときの第一声が「ぼくがここの中学出身って知ってたんですか?」と。「いやいや!知らなかった!びっくり。だったらぜひ!!」とかなり熱量高めでお願いしちゃいました😂

そして依頼した時の下地さんの承諾の仕方がまたユニーク。
「楽しそうですね😏 時間も気持ちも余裕あります👍」と。
二つ返事でOKってことだな、と理解した一言でした笑。

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今村さん、下地さん、ありがとうございました!
県外に出る選択肢も出ない選択肢もOK!でも、宮崎にはたくさん面白い大人がいること、いろんな人生があることを知ってほしいと思います。
宮崎県内の生徒たちが、より豊かに成長できるようなキャリア選択を広げてサポートしていくこと、一人一人が納得して自分の意志で自分のステップを進められるような場作りをやっていきたいです。

その他本件掲載先:

1.国光原中学校公式HP

2.宮崎県キャリア教育支援センター公式HP