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<No.15>SDGsの各ゴール解説⑤ 目標5:ジェンダー平等を実現しよう

SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の各ゴール(目標)の解説とアクションのヒントを国連開発計画(UNDP)、国連広報センター(UNIC)の資料を基に行います。SDGsのゴールを達成するためにも、SDGsの各ゴール詳細を知っておくことはアクションに繋げる上で重要になります。ぜひ最後までお付き合いください。
 今回は「目標5:ジェンダー平等を実現しよう」です。

UNDPでは「目標5:ジェンダー平等を実現しよう」を次の通り解説しています。(灰色部分は引用。)

ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る

女性のエンパワメントとジェンダーの平等は、持続可能な開発を促進するうえで欠かせません。女性と女児に対するあらゆる形態の差別に終止符を打つことは、基本的人権であると同時に、他のすべての開発領域に対して波及効果があります。

国連開発計画(UNDP)は2000年以降、国連のパートナーやその他の国際社会とともに、ジェンダーの平等を活動の中心に据え、素晴らしい成果を達成してきました。学校に通う女児の数は15年前よりも増え、多くの地域で初等教育において男女平等を達成しました。農業以外の雇用者に女性が占める割合は、1990年の35%から、現在は41%にまで増えています。

持続可能な開発目標(SDGs)は、こうした成果を土台として、あらゆる場所で女性と女児に対する差別に終止符を打つことを狙いとしています。一部の地域では、雇用機会の不平等が未だに大きいほか、労働市場でも男女間に格差が見られます。性的な暴力や虐待、無償ケアや家事労働の不平等な分担、公の意思形成における差別は、依然として大きな障壁となっています。

リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)関連のケアやサービスへのアクセスを確保し、土地や財産などの経済的資源に対する平等なアクセスを女性に認めることは、この目標の実現に欠かせないターゲットです。公職に就く女性の数は前例にないほど増加していますが、あらゆる地域でより多くの女性リーダーが生まれれば、ジェンダーの平等促進に向けた政策と法律制定の強化に役立つことでしょう。

ジェンダーの平等は、持続可能な開発のための2030アジェンダを構成する17のグローバル目標の一つです。複数の目標を同時に達成するためには、包括的なアプローチが必要不可欠です。

http://www.jp.undp.org/content/tokyo/ja/home/sdg/post-2015-development-agenda/goal-5.html

また、UNICでは、このゴールがなぜ必要なのか、このゴールに対して何が出来るかという視点で以下のように伝えています。(斜体部分は引用。)

あなたが女性なら、機会均等に対する意図せぬ、しばしば見えない障壁を作りかねない無意識の偏見や暗黙の固定観念に取り組むことができます。
あなたが男性または男児であれば、女性や女児と連携し、ジェンダー平等の達成と、健全で相互を尊重する関係の確立を図ることができます。

詳細は以下のURL参照
http://www.unic.or.jp/files/b74bf122da087c23afde5e5dd1512fe9.pdf  

具体的なアクションを考えるためには、このゴールのターゲットについても知っておく必要があります。ゴール5に連なるターゲットは以下の9つです。

• 5.1 あらゆる場所におけるすべての女性及び女児に対するあらゆる形態の差別を撤廃する。
• 5.2 人身売買や性的、その他の種類の搾取など、すべての女性及び女児に対する、公共・私的空間におけるあらゆる形態の暴力を排除する。
• 5.3 未成年者の結婚、早期結婚、強制結婚及び女性器切除など、あらゆる有害な慣行を撤廃する。
• 5.4 公共のサービス、インフラ及び社会保障政策の提供、ならびに各国の状況に応じた世帯・家族内における責任分担を通じて、無報酬の育児・介護や家事労働を認識・評価する。
• 5.5 政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保する。
• 5.6 国際人口・開発会議(ICPD)の行動計画及び北京行動綱領、ならびにこれらの検証会議の成果文書に従い、性と生殖に関する健康及び権利への普遍的アクセスを確保する。
• 5.a 女性に対し、経済的資源に対する同等の権利、ならびに各国法に従い、オーナーシップ及び土地その他の財産、金融サービス、相続財産、天然資源に対するアクセスを与えるための改革に着手する。
• 5.b 女性の能力強化促進のため、ICTをはじめとする実現技術の活用を強化する。
• 5.c ジェンダー平等の促進、ならびにすべての女性及び女子のあらゆるレベルでの能力強化のための適正な政策及び拘束力のある法規を導入・強化する。

 例えば、ターゲット5.1「あらゆる場所における全ての女性及び女児に対するあらゆる形態の差別を撤廃する。」の具体的なアクションを企業の視点で考えてみた場合、女性のリーダーシップ(管理職)の育成を支援する、ジェンダー平等の原則を、雇用、報酬/手当、研修、昇進等を含む方針と人事管理プロセスに組み込む、同一価値の労働には、各種手当を含め同一賃金を支払うなどが考えられます。

 特に、日本はこのジェンダー平等の分野において先進国でも低い数値が出ており、企業活動の中で改善の余地が大きい項目と言えます。この分野においては女性活躍推進法に則った自社の運用や同一労働同一賃金を進めていくことが重要と言えます。

最後に、2018年12月24日時点の国連本部のウェブページ(About the Sustainable Development Goals)に掲載されている17の目標ごとの「事実と数字(Facts and Figures)」のうち、ゴール5に関するものを挙げます。

• 全世界で、7億5,000万人の女性と女児が18歳未満で結婚し、30カ国で少なくとも2億人の女性と女児がFGM(female genital mutilation)を受けています。
• 18カ国では、妻が働くことを夫が合法的に禁止できます。39カ国では、娘と息子の相続権が平等ではありません。女性を家庭内暴力から守る法律がない国も49カ国あります。
• 15歳から49歳の女性と女児の19%を含め、女性と女児の5人に1人は、最近の12カ月以内に親密なパートナーから身体的および/または性的暴力を受けています。それでも49カ国には、女性をこのような暴力から具体的に保護する法律がありません。
• 全世界で女性の政界進出がかなり進んでいるものの、女性国会議員の割合は7%と、男女同数にはまだ程遠い状況にあります。
• 性的関係、避妊手段の使用や保健に関して、自分自身で決定を下せる既婚または事実婚状態の女性は、全体の52%にすぎません。
• 世界的に見て、女性の農地所有者は全体のわずか13%に止まっています。
• 100カ国以上が、ジェンダー平等への予算配分を追跡する行動を起こしています。
• 北アフリカの女性が、非農業部門の有給雇用に占める割合は5人に1人にも達していません。農業部門以外の有給雇用で働く女性の割合は、1990年の35%から2015年の41%へと上昇しています。
• 46カ国では現在、女性がいずれかの議院で議員数全体の30%超を占めています。
• 南アジアでは2000年以来、女児の児童婚率が40%以上低下しています。
• FGMの慣行が残る30カ国で、FGMを受けた15歳から19歳の女児の比率は、2000年の2人に1人から2017年の3人に1人へと低下しています。

 事業規模や企業か個人かによってできることも異なりますが、SDGsの各ゴールやターゲット、現状の数値を知って、そこから具体的なアクションを考えることがSDGsのゴールを達成する上で重要な活動の一つになります。

 みなさんもぜひ自分のできるアクションを考えてみましょう。


資料:
UNDP SDGs
http://www.jp.undp.org/content/tokyo/ja/home/sustainable-development-goals.html
国連広報センター SDGs を17の目標ごとにわかりやすく紹介したチラシ、SDGs シリーズ「なぜ大切か」
http://www.unic.or.jp/news_press/info/24453/
国連広報センター 持続可能な開発目標(SDGs)ー 事実と数字
http://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/31591/

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