<No.31>SDGsの認知度は?-2019年3月時点
SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)が2016年1月からスタートし、3年と少しが経過しました。新聞やテレビなどの各種メディアでも取り上げられる機会が増え、徐々にSDGsという言葉の認知度も上がってきているのではないかと思います。
そこで、今回はSDGsの認知度についての現状を調べました。
このノートを書いている時点(2019年3月16日現在)では、おそらく朝日新聞社の3月13日の記事【SDGs認知度調査 第4回報告】が最新の調査だと思われます。
記事によると、
「SDGsという言葉を聞いたことがあるか」という質問に「ある」と答えた人は前回より増え19%。
とあります。
第1回目、第2回目(2017年7月及び2018年2月)の調査においては、双方とも12%、第3回目の調査(2018年7月)では14%、そして直近の2019年2月調査では19%とここ1年程で急速に認知度が高まっていると言えます。
2018/4/25朝日新聞社記事【SDGsの認知度調査報告】世代や職業ごとの認知度やテーマ別の関心度が明らかに
https://miraimedia.asahi.com/awareness_survey/
2018/9/20朝日新聞社記事【SDGs認知度調査 第3回報告】SDGsに触れた人は広がり、 17目標は「気候変動に対策を」への関心が高まる
https://miraimedia.asahi.com/sdgs_survey03/
2019/3/13朝日新聞社記事【SDGs認知度調査 第4回報告】SDGsを「聞いたことある」上向き19%に17目標は関心が高まる項目増える
https://miraimedia.asahi.com/sdgs_survey04/
最新の調査記事では、男女別で
男性23%(16%=カッコ内はいずれも前回)
女性14%(11%)
と、男性の伸びが大きく、職業別では、全体的にポイントが増え、
管理職36%(27%)
事務・技術職23%(15%)
学生20%(18%)
となっています。
また、一般社団法人グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)および公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES=アイジェス)のSDGs日本企業調査レポート2018年度版「主流化に向かうSDGsとビジネス~日本における企業・団体の取組み現場から~」(2019年2月28日発行)によると、
SDGsに対する経営層の認知度は、この1年間で36%から59%まで上昇
とあり、上記朝日新聞の調査と併せてもビジネスの機会を通じてSDGsの認知度が上昇しているものと考えられます。ただ、GCNJの調査は上場企業等の大手企業を中心とした調査であるため、中小企業経営層の認知度とは異なる可能性があります。
2019/2/28一般社団法人 グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)および公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES=アイジェス)発行:「主流化に向かうSDGsとビジネス~日本における企業・団体の取組み現場から~」
http://www.ungcjn.org/activities/topics/detail.php?id=293
中小企業経営者の認知度調査については、昨年10月の調査結果として経済産業省関東経済産業局から「中小企業のSDGs認知度・実態等調査」が発行されており、
「SDGsについて全く知らない」と回答した企業は84.2%(=中小企業のSDGs認知度15.8%)。
という結果が出ています。
2018/12/13経済産業省関東経済産業局「中小企業のSDGs認知度・実態等調査」
https://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/seichou/sdgs_ninchido_chosa.html
多少調査日の違いがあるものの、中小企業経営者の認知は一般の方向け調査とほぼ同じような認知度(2018年7~9月頃で認知度15%程)と考えられます。しかしながら、大企業でSDGsの取り組みが本格化していることを踏まえると、遠からず中小企業経営者の認知度向上にもつながるものと思われます。
また、今後学校教育の中でSDGsが取り入れられるタイミングで、より一般的な言葉になってくることが予想されます。
私自身もイマココラボ社のSDGsカードゲーム「2030SDGs」を使って、行政、企業、大学、NPOなど様々な団体でSDGsの普及を行っていますが、SDGsという言葉を聴いたことがある人やカラーホイールバッジを着けている方が増えている印象があり、今回の調査結果からも確実にSDGsが浸透していることが読み取れました。
多くの方に知って頂くことがSDGsの達成には必要不可欠なことですので、今後も定点観測をしていきたいと思います。