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あなたの"好き"を否定しない人間になりたい

開催が決まった時からずっと行きたかった特別展にようやく行くことができた。

はにわ展

ずっと行きたい気持ちはあったのに、なかなか上野まで訪れることができず、滑り込みでなんとか行ってきた。

結論。最高だった。
ただただ、良かった。

まず、可愛い。とにかくかわいい。愛らしい。いとおしい。
そして、当時の亡くなった方への敬意を感じたり、作者の遊び心を感じたりすることがとても楽しい。修復の大変さを感じるのも、実物を見るからこその経験だろう。

同じ場所で同じ埴輪を一緒に見ている隣の人々もみんなとても楽しそうで、私もきっとこんな風に楽しそうなのかしら、と嬉しくなった。

学生の頃から、社会の教科書や資料集に載っている、挂甲の武人の埴輪が大好きだった。ただ、研究するとか学びたいとかそういうことではなく、

かわいい!!!

と惚れただけである。ただただ可愛いという感情を抱いているだけだ。


ただ、「はにわを可愛いと思う」人はそこまで多くないのではないかと思う。もちろん特別展が開催されるほどだし、入場するまで70分待ちだったことなどを考えると、はにわを好きな人は沢山いるのだろうと想像できる。しかしながら、「はにわって可愛いよね!愛おしいよね!」と同じ熱量で話せる人が、いったいどれだけいるだろうか。

そんな中で、とても素敵な反応で、今後の自分の生き方で参考にしたいことがあった。

「はにわ展に行く」「はにわが好きなのは可愛いから」と伝えると「ほぉ…!」「どんなところが良いと思うの?可愛いの?」という反応をもらったのだ。
普通の会話に思えるかもしれない。ただ、この反応、すごく素敵だと思うのだ。まず、そもそもこの会話が発生する時点で、相手は「埴輪を可愛い」と感じたことがないということがわかる。感情として共感はない。しかし、「はにわを可愛い」と感じる、そのことを全く否定していないのだ。

「はにわって可愛いから好きなんだ!」と伝えたところ、その気持ちを理解できなければ、「えー!はにわって可愛いかな…?」という反応になってしまうのが普通ではないだろうか。相手の解説を促すための質問という形にはなっているが、「私はあなたの感情には共感していません」ということが、この反応には詰まっている。

もちろん、会話の流れや表情などもあるし、反応1つだけで判断することはできない。それでも、私は「ほぉ…!」「どんなところが良いと思うの?可愛いの?」という反応がすごく素敵だと思ったのだ。相手の感情を全く否定しないこの反応を、見習いたいと思った。

相手と自分は同じではないので、全ての感情に共感することは不可能だ。私はちょっとした言葉や行動を深読みしてしまう癖がある。周りの人はここまで意識していないということもわかっている。でも、自分が嫌なことを人にはしたくない。できれば、嬉しいと思ってもらう瞬間を増やしたい。だからこそ、今回のように"素敵だ"と思った反応を、私も取り入れていきたい。

はにわ、すごく良かったな。行けてよかった。

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