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『完全自殺マニュアル』感想

若い世代の死因ランキングで堂々の一位を誇っている一方で、その影響力の強さからランキングで伏せられることもあるほどタブー視されがちな自殺。それの様々な方法についてまとめた本書は、自殺に関する知見を深めるために読むこともできるが、はしがきやあとがきやその他随所で見ることができる作者の自殺に対する価値観及び死生観も、この本を面白くしている要素の一つであり見逃せない。
タイトル通り、あくまでも自殺をしようとしている人目線のマニュアルで、自殺はよしなさいといったような綺麗事が一切書かれていないのが清々しい。

自殺ダメ絶対、みたいな風潮の中で、作者はよくこの本を出せたなと思う。少し調べてみると、やはりこの本が出た時はそれなりの批判があったようだが、ブームとなった数年は自殺者が増えるどころか減ったという事実が大変興味深い。

飛び降りや電車への飛び込みといった方法はやはりグロいし怖い。しかし個人的には、手首・頸動脈切りが一番苦手。流れる血を眺めつつ自らの死と静かに向き合いながら死んでいくのは、私にはムリ。他にも、焼身だとか、苦痛が大きいものは絶対に嫌だ。作者も言っている通り、一息に死ねる首吊りか飛び降りが無難だと思った。
また、ここまで徹底的に自殺について調べ上げた作者の執念に驚かされた。

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