名古屋ウィメンズマラソン完走


3.12
今年の最初の運命の日がやってきた。

名古屋ウィメンズマラソン。
昨年初出場して
暑い日になったこともあり
もちろん練習不足が主な要因だが
途中リタイアしてしまったウィメンズ。

悔しくて悔しくて
それからコツコツ練習してきた。

アプリ「LIVE RUN」で知り合ったベテランランナーさん達とも仲良くなり
リアルでロングラン練習も付き合ってもらった。

一週間前からはカフェイン抜きにして
体からカフェインを抜いて
利尿作用が酷くならないようにした。

そして当日。
体調は普段通り。
スタートしてガーミンと睨めっこしながら
とにかく走り切れるペースで。
無理をしない。言い聞かせながら走る。

今回の目標は
「走り切る」
前回金沢マラソンで初フル完走したが
その時は後半歩いたり走ったりした。
今日はトイレやエイド(給水・給食)の時以外はずっと走る。

そのためには持続可能な
正にSDGsなペースを保たねばならない。

あるライブランナー(LIVE RUNで走っている仲間をこう呼ぶ)の言葉を思い出す。

「30㎞までは眠るように走れ」

30㎞まではとにかく無理しない。
疲れを溜めずに淡々と無理のないペースで走る。
そして余力で30㎞以降乗り切る。

去年よりむしろ遅いかなという位のペースで、ゆっくり走る。

コースの最初の方で家族が応援に沿道で待っていた。
ペットのトイプードルも抱いて。
「キャー!ゆきまるー!」
トイプーの名前を叫んで小さい頭をガシガシ撫でてまた走り出す。
(フフ…雪丸め、大勢のランナーにキョロキョロしてたな)
ちょっと笑う。

マラソンで一番の大敵だと(私が)思うのは「飽き」だ。
ずっと自分の内側にこもって走り続けると、ひたすら辛い辛いとなり面白いこと何にも無い!と
モチベーションが続かない。

ここは色々景色を見たり応援の人と触れ合ったり「外部との接触」を活用して飽きを作らない。

分かってはいても
去年はその余裕が無かった。
今回まず雪丸の頭を撫でられた。
…いいんじゃな〜い⁈

ところで名古屋ウィメンズのコースは
折り返しが多い。
そして何分か後に「名古屋シティマラソン」に参加のランナーが走る。
名古屋ウィメンズは女性限定・フル限定だが、名古屋シティマラソンは男女ともに参加できるハーフマラソンだ。

これは何を意味するかと言うと
対向車線で速いランナー、遅いランナーと
すれ違う機会が多い。

走り始めて5㎞過ぎくらいだろうか。
誰も居なかった対向車線をパトカーがゆっくりやってきた。
そして招待選手の一番速いランナーが走ってきた。
こちら側はノロノロ走りながら
対向車線の選手に向かって拍手をする。
矢のように速い。
(かっこよすぎ…♡)
どんどんエリートランナー達が通り過ぎる。あ!LIVE RUNで最速女王と呼ばれるAさん来た!
「Aさーん!」叫んで手を振ると
手を振りかえしてくれ
これまた矢のように走っていった。
何人か速いライブランナーさんとすれ違い様に手を振り合い
十分な私のモチベーションとなる。
去年は対向車線を見る余裕も無かったのだ。
…いいんじゃな〜い⁈

そのうち曇っていた空から日差しが出てきた。ヤバい!
去年のウィメンズは暑い日になり
日差しにやられて半ば熱中症のような状態になりリタイアしたのだ。
去年の悪夢が蘇る。
しかも15㎞過ぎてどうしても疲れが出てくる。
ガーミンを見ると大分ペースが落ちている。マズイとペースを上げるが苦しい。
(これじゃ持続可能性ゼロになる…)
いやな気持ちがしていたその時…

ライブランナーBさんが
後ろから声をかけてくれた。
Bさんは事前に「時間目一杯使ってゆっくりゆっくり走る」と宣言していた方だ。

「ゆっくり行こう。ゆっくりね。お水もかぶろう。」
そう私に言って
給水所でゆっくり水を飲み、手足に水をかけ、ゆっくり走り出した。
(あ、これで良いんだ。)
私も給水所で真似してみる。

そして息を整えて走り出すと
スーッと嫌な感じが消えていた。
持続可能性20%くらいが70%になった!
…いいんじゃな〜い⁈

そのうち日差しも消えて曇り空に戻り
風もそよそよ吹いてきて
体が大分ラクになる。
タイムは無理をしない良い感じのペースを保てている。
20㎞過ぎの最初のエイド(給食)に着く。
補給食はせんべいとチョコレート。
迷わず取って立ち止まってゆっくり食べる。
今までエイドで立ち止まってゆっくり食べることなんて無かった。とにかく気ばっかり焦って走り続けて無理が祟って自爆するパターン。

今回はBさんを見習ってエイドでちゃんと補給して少し体を休めるのが得策だと頭を切り替える。
走り出すと少し体を休めたのが良いのか
チョコレートパワーか、淡々と走れる。
…いいんじゃな〜い⁈

よくランニングで「30㎞の壁」と言うが
これは体に溜めているエネルギーが枯渇するのがちょうど30㎞走った辺りだからという話がある。

エネルギー補給は超大事なのだ。
その後5㎞毎の全エイドでういろうやら味噌飴やらをモリモリ食べて
エネルギーに変わっていくのを感じながら
淡々と30㎞まで来た!

(行ける!これは行けるぞ)
心の中でニヤリとしながら
周りがどんどん脱落(歩き出したり止まって足をさすったり)する中
走り続けて何人も抜かす。
ますますニヤリとしていると

ピッとガーミンにメールのお知らせ。
見るとリアルでロングラン練習に付き合ってくれたライブランナーさんが
「あと少しだよ!リラックスで!」

前後して速く走り終えたライブランナーのシティマラソン組が沿道に戻ってきて
「あざらっちさーん!がんばれー!」と
叫んでくれる。
ちなみに着ているTシャツは背中に大きく「あざらっち」と書いたものだ。LIVE RUNで作った。

見てくれている。胸が熱くなり
35㎞過ぎから今までになく元気に
(あと少しだという勢いもあり)
ゴールまで走り切ったのだった。

こんなに苦しまずに走れたのは初めて。
私はまた一歩進んでしまった。
めざすスーパーあざらっちまでの道のりは順調だ。


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