百寺巡礼 (007) 本山慈恩寺 (山形)2022年4月22
本山慈恩寺は、日本三大花火大会の一つである大曲の花火を観に行く途中、ふと立ち寄った寺だった。羽田空港から山形空港へ飛び、そこから慈恩寺を訪れ、再び新幹線と在来線を乗り継いで大曲へと向かう。大曲での花火を楽しむ予定だったが、初日が春の嵐に見舞われ、豪雨の中で花火は打ち上げられたものの、私はホテルの部屋で静かに過ごすことになった。翌日には天気が回復し、予定通り花火を堪能することができたが、その日の静けさが心に深く残った。
余談ながら、慈恩寺がある寒河江の地名には興味深い由来がある。和銅5年(722年)、出羽の国が置かれた頃、神奈川県の寒川神社周辺から移住してきた人々が、故郷の相模川流域に似た風景を見て「寒川」と呼ぶようになったという説がある。寒川町との文化的つながりもあり、平成2年には姉妹都市提携が結ばれた。
寒川町には、元同僚の浅✕くんが今でも住んでいることを思い出しながら、私は静かな時間を過ごした。この地に触れることで、また一つ、人生の縁を感じることができた。