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人生の鬼時短〜医療DXを体験して移動について考える〜
鬼時短
この言葉を聞くとついつい自分の日常に当てはめて考えてしまいます。特に、私が最近体験した「医療」と「移動」の領域での鬼時短について、免疫舌下療法を通じた気づきとともにお話ししたいと思います。これから花粉症やアレルギー治療を考えている方や、医療DXに興味がある方に役立てば嬉しいです。
1.免疫舌下療法を経験してわかったこと
私は、免疫舌下療法という治療方法で長年悩んでいた杉花粉症を治しました。
この治療を3年以上続ける中で、近所のかかりつけ医には本当にお世話になりました。診察の前に電話で薬を準備してもらい、診察もスムーズに終わらせてくれる。無理なく通える環境のおかげで、治療を途中で投げ出すことなく完了できました。その結果、杉の花粉症がほぼ完治。この治療法開発者と近所のかかりつけ医には、感謝の気持ちでいっぱいです。
免疫舌下療法は、毎日同じ時間に、薬を舌の下において、徐々に免疫を獲得していくもので、毎月毎月薬を病院にもらいにいくというタスクが大変な治療です。病院に行くハードルを如何に下げるかが、継続のポイントになります。
時は進み、最近、息子がハウスダストアレルギーで同じ免疫舌下療法を始めることになりました。かかりつけ医が高齢で閉院してしまい、新しい病院に通うことに。
そこは家から1kmほど離れ、待ち時間も長め。通院は息子連れで、しかも混んでいる…。息子も待つことに辟易していて、そんな状況で毎月の通院が必要になり、土曜日に毎月2時間を使う、「これを3年間続けるのは本当に大変だなぁ」と正直なところ憂鬱になりました。息子のためなら頑張れますが、自分のためならやめたと思います。
2.医療と移動の鬼時短を考える
「何とかもっと効率よくならないのか?」と思い、調べてみると、オンライン診療という選択肢があることを発見。さらに、オンライン診療では薬をネットで自宅に配送してもらえるというのです。ただし、私が住む小山市では、このサービスを提供している病院が見つかりませんでした。結局、東京都内の病院を利用することにしましたが、子供医療費助成の手続きも簡単で、思ったよりハードルは低いと感じました。
さて、実際にサービスを受けてみて、感動体験。
初めてのオンライン診療では、事前に保険証やお薬手帳をアプリで登録し、予約時間になると問診が始まるというシンプルな流れ。わずか10分で診察が終わり、薬が自宅に届くのを待つだけ!さらに、2回目以降は2ヶ月分の薬をまとめて処方してもらえることも知り、「これなら無理なく続けられる!」と感動しました。
このようなサービスが普及した背景には、インターネットやスマートフォンの進化、そしてコロナ禍による移動制限が大きな影響を与えたのでしょう。感謝しかありません。休日の貴重な時間を節約できるオンライン診療は、本当にありがたい存在です。また、息子が途中で治療を諦める可能性も減り、治療の成功率が上がると感じています。
3.オンライン診療の普及がもたらす格差と課題
オンライン診療を体験して実感したのは、これを知っている人と知らない人の間には大きな格差があるということです。多くの人が病院に並んでいる光景を思い出し、自分もその一部だったと思うとゾッとします。
そして、それを地域の病院が導入できるかどうかが、その地域に住む人々のQOL(生活の質)に大きく影響します。
例えば、オンライン診療を利用することで、治療にかかる時間的・労力的な負担が大幅に軽減される一方、これを知らない人やオンライン診療が提供されていない地域に住む人は、依然として長時間待ち続ける必要があります。
一方で、これが地域の医療体制にどのような影響を与えるのかを考えると、少し複雑な気持ちにもなります。私のようにオンライン診療を選ぶ患者が増えれば、地元の病院への需要が減り、経営が厳しくなる可能性もあります。特に、かつて私が利用していたような待ち時間が少なく親しみやすい病院が姿を消してしまうのは残念です。
4.移動と医療DXが描く未来
この体験を通して改めて感じたのは、「わざわざ現地に行く必要があるのか」という問いが、これからの社会でますます重要になるということです。オンライン診療のように現地に行かなくても完結するサービスが広がる中で、「移動する意味」そのものが見直されていくのではないかと思いました。
また、不要な移動が減ることで、個人の時間だけでなく、都市の交通計画や土地利用計画にも大きな影響を与えると考えます。こうやって昔の計画論は陳腐化していくのかと、これまた複雑な気持ちになりました。
このような技術革新をしっかり捉え、都市計画、交通計画もアップデートし、そして人々が移動の必要性を意識的に捉えるようになり、より人生を豊かに時間を使えるようになることを望んでいます。
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