映画『ロスト・エモーション』
宇宙開拓していってる人類が別の星でうまくやっていこうとして、感情を殺して生きる人種を科学的に編み出して生活しているっていう世界観だと思うの。
もうありがちなんだけど、この舞台設定がすべてで、そこで、まあ、人間本来の姿っていうのを、追い詰められた中での恋愛感情――ひいては実存、存在意義ってのを描いていくわけ。
や、本質は究極にイノセントな恋愛ものといえるんだけど、見せ方はSFだからぜんぜん観れちゃう。ただ、地味www 役者自体も地味だけど、映像も青で内省的で地味。派手なアクションになれちゃった人はどうかしらねw
感情を出しちゃうことが病気扱いされてる世界で、その病気はSOSって呼ばれてる。ここが皮肉が効いてていいよねw 心の叫びなわけだから。
男女間にラブとか絶対あっちゃいけない世界で生きてる二人が、自分の感情に目覚めちゃって、おさえきれなくなっていくのをこれでもかっていうくらい丁寧にさらってる。
まあ、そんなもんがトントン拍子にうまくいったらなんも観る気しないわけだけども、単純な悲劇でおわっても悲しすぎて後味が悪い。そこでちゃんと1ツイストしていい着地点に落としちゃってるのよね。そこが感心した。見習わなきゃなあ。SF設定の『純粋大根』でもそうだけど僕はすぐ殺しすぎるww
もう、指が触れる、キスする、ってだけで、それはもうセックスなの。や、普通のセックスも前戯以前から始まってなきゃあれなのかもしれないけれど、それはまた別の話w
飽きるか飽きないかのところでしっかり展開もあったし、地味だけど見せてくれる観ていい映画だった。もう注射されたら終わりで、自分がなくなる世界で、追い込まれれば追い込まれるほど、浮き彫りになる「人間とは?」っていう静かなダイナミズムいがいいな。失われた感情。その行方は果たして?
※映画の感想たまりまくってるんだけど、とりあえず溜めないように観たすぐ出してみた。とりあえず一本終了。さ、次だ。