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東京夜探偵 17 東神田

千代田区東神田。外神田、内神田、神田須田町、神田多町、・・・神田がつく町名は多いが、東神田は方角がつく珍しい町名だ。ではどこにあるのか、東なのだから神田の東の方向にある。

東神田は浅草橋駅の南に位置する。神田というにはかなり離れているようにも感じるが、浅草橋と言えば雛人形で有名。その近くということもあるのか、東神田は服飾、生地などの問屋を営んでいる会社がいまも多い。

それにしてもなぜ東の「神田」なのか?

かつては神田橋本町と呼ばれ、願人坊主が多く棲む非人部落だった。
明治14年、松枝町から出火した大火で橋本町一帯は灰塵と化した。その後東京府のもと、旧住人を締め出して、あらたな住人を住まわせ職人の町に生まれ変わらせるという「スラム・クリアランス」が行われた。
さらに部落のイメージを残す「橋本町」という名称も人々の記憶から消し去るために行政は神田xx町を名乗らせなかった。

そして現在。

その職人の町も昭和、平成を経てオフィスビルがほとんどを占める街に変わり、かろうじて昭和の面影を残している木造の平屋住宅群もいまでは1棟を残して更地となっていた。目の前では令和のスラム・クリアランスが進行していた。

横からみた平屋の全貌。
手前の駐車場にはかつては同じような平屋が建っていたのだろう
2年前までは手前側に3棟の平屋が建っていた…

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