「石破ショック」円高 一時1ドル142円台に

自民党総裁選では、積極財政・金融緩和を推し進めていた高市早苗氏と、財政健全化を推し進めていた石破茂氏による決選投票が実施された。

決選投票前、1回目の選挙では、合計得票数で石破氏を上回る得票数を得ていた高市早苗氏が優勢と見られ、円安ドル高となっていた。
しかし、決選投票の結果では、石破茂氏が高市早苗氏を逆転勝利し、円安から一気に円高となった。

総裁発表後急激に円高になる相場(Yahoo!JAPAN ファイナンスより)

石破茂氏の政策である「成長型経済の実現」とは?

石破茂氏は、自民党公式から発表されている所見で、「成長型経済の実現」を政策としている。その「成長型経済」とは一体何だろうか。

石破茂氏は、「日銀の独立性を尊重」しつつも、「丁寧な対話を行い、経済実態に見合った経済を冷やさない速度での正常化」を目指している。
現在、歴史的な円安水準が続き、輸入品の物価上昇・円離れが加速している現状を脱却する目的があると考えられる。
また株式の配当や売買の利益などに金融所得課税や、法人税の引き上げも検討している。これは税の負担能力が高い個人や法人に、税の負担能力が乏しい個人や法人の分を負担してもらう、応能負担原則に基づいた考えである。
しかし、その結果として海外に投資が回ってしまう可能性も指摘されている。

また、石破茂氏の政策で注目すべき点は、公務員の処遇改善である。
「霞ヶ関再生」と歌っているこの政策は、国家公務員の人事評価の徹底、早期選抜・中途採用の推進や執務環境の改善など、処遇改善が目的である。
国家公務員の処遇改善は、民間企業の手本となることが多く、現在、実質可処分所得が減っている中で、処遇改善はどれほど実質可処分所得が増加するかが注目である。

【参考】
石破茂氏 所見(令和6年 9月12日】https://storage2.jimin.jp/sousai24/pdf/ishiba_shigeru.pdf

為替状況(Yahoo!JAPAN ファイナンス)
https://finance.yahoo.co.jp/quote/USDJPY=FX

※あくまでも編集部の見解であり、事実とは異なる場合があります。

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