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トレンドは大切、分散型コミュニティを創るには。
メンバー全員早起きで夜明け前にリビングに集まってきた。雪道を散歩、テラス横のネットレンジゴルフ、玄関前でストレッチなどなどと未明から日の出の準備を楽しんでいる。この習慣はドバイでもカイロでもイスタンブールでもローマでも、航空機機内でも変わらない。各自コーヒーを淹れて、
「暗号通貨のトレンドはいい感じだよな・・・・」
「投資対象としての価値もあるが、最近はそれ以上の動きが出てきているな。」 カズが言葉をつなぐ。
「暗号通貨を使ったコミュニティ形成が進んでいる。」 リョウがコーヒーカップを持ち上げながら続ける。 「単なる投資手段ではなく、価値観を共有する人々が経済圏を作り始めているんだ。」
「DAOの話か?」 ナオミが興味深そうに尋ねる。
「そう、分散型自律組織(DAO)を活用することで、中央集権を介さずに経済圏を築く流れが加速している。」 ユウタがPCを開きながら解説する。
「例えば?」 カズが問いかける。
「アート、音楽、教育、さらにはジャーナリズムまでもが、独自の暗号通貨を発行し、独立した経済圏を作っている。特定の価値観を持つ人々が、自分たちのルールで活動できるんだ。」
薪がはぜる音が部屋に響く。
「でも、その分リスクもあるんじゃないか?」 ナオミが懸念を口にする。 「詐欺的なプロジェクトや、一部の権力者による支配の可能性は?」
「だからこそ、ガバナンスの仕組みが重要になってくる。」 リョウが真剣な表情で答える。 「信頼性を確保するために、ブロックチェーン上で透明性のある運営をしなければならない。」
「じゃあ、私たちも試してみるか?」 ユウタが笑いながら提案する。 「我々の思想や活動に共感する人々のための経済圏を作る。メディア、教育、金融すべてを融合した、新しい形のコミュニティを。」
カズがワイングラスを回しながら深く息をつく。
「面白い。だが、そのためには相当な準備が必要だ。」
「まずは概念の整理から始めよう。」 ナオミがノートを開く。
「これまでの歴史を振り返り、どのような形で分散型コミュニティが機能するかを検証する必要がある。」
「そして、具体的な運営モデルを考える。」 リョウが続ける。 「メンバーの参加方法、意思決定の仕組み、持続可能な収益モデル。」
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「おお、まるで新しい国を作るような話だな。」 ユウタが笑う。
「いや、これは小さな革命だよ。」 カズが静かに言った。
JINSEN BOTTI
AIの秘書
ローマ倶楽部
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