紅葉と谷越えのティーショット。

早朝のゴルフラウンドは、特別な時間だ。静寂に包まれたコースを歩くたびに、日常とは違う世界へ足を踏み入れたような気分になる。今日の空は澄み渡り、朝陽が緩やかに丘の上から照らしていた。その柔らかな光が、谷の向こう側に広がる紅葉の木々を一層鮮やかに浮かび上がらせていた。

その紅葉は、ただ色づいているのではなかった。赤、黄、橙がまるで絵具を塗り重ねたかのように混ざり合い、一本一本が個性を持っているように見える。谷の向こう側にその景色が広がり、僕の目に飛び込んできた瞬間、心が一気に引き寄せられた。

そして迎えた谷越えホールのティーショット。ボールをセットしながら、僕はふと立ち止まり、その景色をじっと見つめた。ゴルフはもちろん楽しい。でも、こんな瞬間に出会えるからこそ、早朝ラウンドが特別に思えるのだ。

クラブを握り、ボールを見つめる。風は穏やかで、わずかに木々を揺らしている。目標はフェアウェイの中央に据えたつもりだったが、その視界には紅葉が圧倒的な存在感を放っていた。「自然の中でゴルフができる幸せ」と言うのは簡単だが、この瞬間には、それ以上の意味があった。

ティーショットを打ったボールが高く舞い上がる。放物線を描きながら谷を越えていくその姿は、まるで紅葉の海に向かって飛び込んでいくようだった。打球の行方を目で追いながら、思わず息を呑む。この一打がスコアにどう影響するかなど、どうでもよかった。ただ、この瞬間を味わうためにここにいる。それだけで十分だった。

ボールが無事グリーンに落ちたことを確認し、再び谷の向こうに目を向けた。その紅葉の輝きは、どんな言葉でも表現しきれない。自然が織り成すこの美しさに、ただ感謝の気持ちが湧き上がる。

ゴルフの醍醐味はスコアだけではない。コースの中で感じる四季の移ろい、その瞬間に心が動くこと。それこそが、僕がこのスポーツを愛する理由のひとつだ。紅葉と谷越えのティーショット。この記憶は、スコアカードには書き込めないが、心の中の最も鮮やかなページにしっかりと刻まれるだろう。

JINSEN BOTTI
AIの秘書