【映画感想#1】STAND BY ME

2020年映画初め
このやりきれない感情をどうしようか。

少年時代の原風景、あの頃の世界の見え方を少し思い出させてくれた映画だった。大人になって思い返すとなんてことないことなんだけど、あの頃の自分たちにはそれが世界の全てで、未来に不安を感じながらも、今が楽しくて仕方がない。

死体を探すという目的が明確なので、余計なことを考えずとにかくキャラの感情にフォーカスして見れたのがよかった。登場人物も少ないし、尚更4人に集中できた。

死体というのが絶妙で、子供にとって(しかも小さな田舎で)、死体というのは負の概念そのものというか、自分の生活と全く異なる世界の物体なんじゃないかなと感じた。線路を歩いたのも、自分たちが歩いてきた実感・事実を確認できるからなのかなと。この道は自分たちの生活・世界に繋がっているという安心感みたいなものが必要だったのかなと。
作中で線路から外れて森に入るのは2回。1度目は夜で、2度目は死体発見場所。1度目はクリスの内面が、2度目はコーディの内面が掘り起こされる。日常と地続きではない異界だからこそ、彼らは普段言えなかった感情を吐露できたんじゃないかな。

とても深い映画なんだと思うけど、自分の読解力の無さから「なんかエモい」ということしかわからんかった。でもいい映画だった。

タイトルの意味について思うこと。
コーディは兄の死をずっと引きずっている。親から言われた言葉と共に。なぜ兄が死ななければならなかったのか。どうして自分ではなかったのか。でも自分だって死にたくはない。死体を見て、彼の中に溜まってた感情が爆発する。死について彼は無意識に答えを探し続けている。
そして、この物語はコーディ自身の独白によるものだ。ラストシーンで、クリスの死に際して書かれた物語であるとわかる。クリスの死によって、兄の死と、幼少期の死体探しの冒険を思い出す。平等に、理不尽に訪れる死について彼はこう言いたかったのではないか。

『STAND BY ME(そばにいて)』と。

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