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UFC観戦雑記【2022年3月】

3月備忘録です。

2月の備忘録は自分自身が試合前でドタバタしてたこともあり

本当にただのメモみたいな適当な内容のものになってしまいました。

もう自分の試合も終わってひと段落。

8週連続だったUFCも1週空きましたので

今回は頑張って書くぞと思います。

なんの試合について書こうかとリストアップしてたらなかなかの試合数になりました。

3月はおもしろかった。

ロンドン大会とかまじもんの神大会でしたね。

前置きはこのくらいにして、とりあえず書いていきます。

①ラファエル・ドス・アンジョス vs ヘナト・モイカノ (3/5 UFC272)

本来はドスアンジョスvsラファエル・フィジエフが予定されていたものの

フィジエフがコロナ陽性(確か)で欠場…

モイカノが前戦アレクサンダー・ヘルナンデス戦から僅か3週間隔で代打出場。

チャンスと言えばめちゃくちゃチャンスだけど、3週間隔でドスアンジョスはめちゃくちゃキツいよね。

けどワンチャンあるんじゃないかなーと思ってました。思ってました。

ドスアンジョスは1年4ヶ月振りの実戦だし

前戦のフェルダー戦はらしさが出たけど、それ以前のウェルター級時代後期では勝ちきれない印象が強かった。

よく考えればウェルターだし、相手も相手なんですけどね…

モイカノはフィジエフにこそぶっ飛ばされてるけど、ライト級転向後はフィジエフ戦含めて3勝1敗。3勝全て一本勝ち。

アルド、チャンソンにやられる前のフェザー級時代の強さも知ってるので期待してしまう。

モイカノの印象はと言うと、僕の中ではストライカーだったんですよね。

けど戦績を見てみると一本勝ちは9つあるけどKO勝ちって無いんです。意外。

けどアルド、チャンソンにノックアウトされて以降は目に見えるように組み中心のスタイルに変わりました。

ハゾビック戦、ハーバード戦、ヘルナンデス戦お見事でした。

かつてのアリスター・オーフレイムじゃないですけど、打たれ弱さとか弱点を理解して、自分の戦える部分で戦うようにシフトできる選手ってなんだか人間味があって好きです。

アリスターで言えばステロイド使いまくってK-1で無双してた頃よりもミオシッチの持つヘビー級王座に挑戦した頃の方が断然好きです。

と言うわけでいまのモイカノは好き。と言うか応援したくなる選手のひとりです。

対するドスアンジョスも大好きな選手。

一番理想的なファイトスタイルの選手と言っても過言じゃないです。

ミドルを蹴れて、首相撲的な展開が出来て、ケージレスリングも強い。

ムエタイ+レスリングって言う本当に僕好みのスタイルなんです。

どっちも負けて欲しくない。ってのが正直なとこです。

では、試合スタート。

積極的に打撃を打ってその流れのまま組み付いていくモイカノ。

ちゃんと打撃もしっかりしてるし、だから組み付けるんだろうな。

しかし組んでケージまで押し込んでもののテイクダウンを奪えず離れる。と、逆にドスアンジョスがテイクダウン。

一度は立つものの、再度ドスアンジョスがテイクダウン→トップキープ。

うーん。モイカノとしては1R目の初っ端から自分の得意分野で上を行かれてしまった…これは厳しいよな…精神的にも。

2R以降も打撃の攻防の中でドスアンジョスがタックルを混ぜテイクダウン→トップキープの展開。

ドスアンジョスの打ち分け、蹴り分け、タックルの混ぜ方、やっぱ最高すわ。ずっと見てられる。

結果を言ってしまうと5R同じような展開が続きドスアンジョスが判定勝ち。

いやダメージ的には4.5Rで止められておかしくなった。いや、止めろよと思いました。

結果論ですが3週間隔の影響なのかモイカノにはいつも程の馬力がないように感じました。

疲労だったりドスアンジョスの強さ上手さは勿論ですが、ちょっと簡単にテイクダウンを許しすぎたかなと…

逆に最後まで諦めない姿勢はカッコよかったし

時折良い打撃当ててたからね。やっぱモイカノはストライカーだよと思ったり…

あの打撃があるから組めるんだろうな。けどもう少し打撃に比重を置いてもいいのでは?と素人は思いました。

いやー、しかしドスアンジョスはモイカノをここまでするか!!

階級違うけどフェザー級では確か5位まで行ったし、ここ数戦もいい勝ち方してたのに…

ショートノーティスとは言え、文字通り寄せ付けなかった。

モイカノとしては厳しい現実だけど、ドスアンジョスをもっと上で見たい。


②ブライアン・ケラハー vs ウマル・ヌルマゴメドフ (3/5 UFC272)

ハビフ・ヌルマゴメドフの従兄弟ウマルのUFC2戦目。

ウマルは前足の前蹴り、ハイキックが良い。

パンチもそうだけど、ケラハーの入ってくるタイミングに合わせて打ってる。

出鼻を挫かれるというかこれをされるとケラハーは入りにくい。

強引を突っ込んでもちゃんと組みも強いウマル。

最後はケージに押し込んでからシングルに切り替えてバック→リアネイギドチョークで電光石火の一本勝ち。

文字通り何もさせなかった。

いやー強い。

ロシア人、ヌルマゴメドフ一家って組みの印象が強かったけど

サイード・ヌルマゴメドフやマゴメドシャリポフ兄弟のように最近は蹴れる選手も多いですよね。


③デボント・スミス vs ルドヴィド・クライン (3/5 UFC272)

クラインのライト級転向初戦。

クラインのUFCデビュー戦となったシェーン・ヤング戦では圧巻のKO勝ちで、またやべえのが出てきたと思ったのですが

マイケル・トリザノ戦、ネイト・ランドウェー戦と連敗。

特にランドウェー戦では心が折れたというか気持ちが切れたような敗戦で、減量苦の影響も感じられたので

今回のライト級転向は楽しみなところ。

てかそもそもヤング戦も計量オーバーしてたんすよね…

試合開始。

オクタゴン中心を陣取り圧をかけるクライン。

クラインは踏み込みが速い。

踏み込みの速いワンツーでダウンを奪う。

その後は同じく踏み込みの速いワンツーからハイへ繋げる。

あの速度、同じ軌道でハイが飛んできたら相手は見えないわな。ハイもスッと上がる。

ただクラインはなんだか動きが単調、単発なんだよなー…

それとやはり課題は組みか。

組んでケージまで押し込むんだけども、そこから膠着状態が続く…

テイクダウン出来ないと言うより、動きがない。

ただ時間を稼いでいるだけと言うか、勿体ない。

うーん。これだとライト級ランカー勢はキツイかなーという印象ですね。


④マルロン・モラエス vs ソン・ヤドン (3/12 UFC Vegas50)


2019年6月のセフード戦(バンタム級王座決定戦)まで4連勝内3試合で1RKO勝ちだったマルロン・モラエス。

セフード戦も序盤優位に進めるものの逆転KO負けを喫し、その後はアルドには勝ったものの以降4連敗。

4敗全てがKO負けで、倒れ方も倒れ方だけで流石にダメージが心配になる。

アルド戦〜サンドヘイゲン戦までには10ヶ月のスパンがあったものの、KO負けを喫したサンドヘイゲン戦〜フォント戦までは僅か2ヵ月。

今思うとこれが良くなったのでは…?

フォント戦〜ドバリシビリ戦までは9ヵ月、ドバリシビリ戦〜今回のヤドン戦までは6ヵ月空いてるものの…

連続KO負けしてる選手がやる間隔、試合数じゃない。

今回のヤドン戦を見ても身体の仕上がり、攻撃のキレやパワーに関してはそこまでの違いを感じさせないのだが、いかんせん反応が悪い。

遅いというか…一発もらうと動きが固まってしまう。

あの負け方を見てしまうとUFC以外で闘って行くにも厳しい現実が待っていそう。


⑤アレックス・ペレイラ vs ブルーノ・シウバ (3/12 UFC Vegas50)

元GLORY王者ペレイラのUFC2戦目。

相手のシウバは現在、7連勝中(7KO)とUFC負けなしで勢いの良い選手。

ペレイラの前戦ミチャイリディス戦は、飛び膝で2RKO勝ちも、1Rは組みに苦労しており

今回の試合は真価問われる一戦となりそう。

試合開始。

やはりペレイラの打撃が良い。

特別なことをしてる感じはないんだけど

一発一発が重くて硬そう。

これは当たればジャブでもダメージになり得るし

モーションも少なく、角度を変えながら打ってるし、バリエーションも豊富、

読みづらいし重いだろうし、これは嫌だろうな。

ほんと一級品の打撃ですわ。

不安要素であると言える組みに関しては

最低限できてるという感じですかね?

UFC参戦前にGLORYと並行して何戦かMMAの経験があるとは言え、

MMA本格参戦して2戦目にしては上出来だと思います。

ただランカークラスととなるとまだ厳しいかな?

一つずつ勝ち上がっていくとなると厳しいけど

アデサンヤ戦は観たいなー。

アデサンヤのウィテカー戦を見ると、アデサンヤに勝てるのは打撃でアデサンヤを上回れる選手だけじゃないかと思ってしまうんですよね。

ペレイラ勝ち上がって欲しいなあ。


⑥マシュー・セメルスバーガー vs AJ・フレッチャー (3/12 UFC Vegas50)

3月で最も個人的におもしろかった試合の一つです。

9戦全勝で今回がUFCデビュー戦のAJフレッチャー。

セメルスバーガーの打撃を掻い潜ってタックル、テイクダウンに成功するフレッチャー。

そのままトップコントロールで1Rを奪取。

このままフレッチャーが行くかなと思いきや、2.3Rとフレッチャーのテイクダウンを防ぎ逆にトップを取ったセメルスバーガー。

このまま試合終了と思われた3R終盤にはフレッチャーがトップを奪い返し、スタンドに戻るとパンチを振るう!

最後まで目を離せない好ファイトでした。

フレッチャーは本当に好戦的でよく仕掛ける。

あれだけ仕掛けてトップ取れないとそりゃあ消耗するよな。

セメルスバーガーもクレーバーで良かった。

どちらも今後応援したくなる選手でした。

しかしフレッチャーってポイエーのチームメイトだったと思うんだけど

フレッチャーもポイエーもよくギロチンを仕掛けるよね。

下になるリスクも高いし、MMA素人からするとリスクが高い気がするんだけど、どーなんでしょう?


⑦アレクサンダー・ヴォルコフ vs トム・アスピナル (3/19 UFC London)

なんだかヘビー級の新時代到来を感じさせるような試合でした。

UFC4戦全勝、7連勝中のアスピナル。

一昔前だとヘビー級と言えばデカいもん勝ちみたいな所があったけど

ガーヌもそうだけどアスピナルも本当にスマート。

フットワークにフェイントにローを散らしたし、多彩で華麗。

踏み込みも速いし、懐に入ったと思ったらタックルでテイクダウン。

フィニッシュに繋がるヴォルコフのパンチを躱してのタックルは美しすぎる。

そのまま1Rアームロックで一本勝ち。

いやいやいや相手ヴォルコフよ?

長いことランキング上位にいて、近年の負けってガーヌ、ブレイズ、ルイスだけよ?

ルイス戦はほぼ勝ってたようなもんだし、ヴォルコフ相手にここまで圧倒した選手いないって。

これは今すぐにでもガヌー、ガーヌ、ミオシッチあたりと観たい。


⑧アーノルド・アレン vs ダン・フッカー(3/19 UFC Lodon)

ダン・フッカーのフェザー級転向初戦。

身長183cm、リーチ191cmというライト級の中でもかなり大きいフッカーが

なんとフェザー級に転向。

アレン戦が決まる前から事前にテスト的にフェザーまで落としている様子をSNSにアップしていて問題なさそうに感じたけど、

いやフェザーは厳しいだろ!ってのが正直なところ。

うん。減量したことある人なら分かる。無理だ。動けない。反応速度も絶対に落ちる。

1R開始から圧をかけるフッカー。

僕の勝手な印象ですけどフッカーってカウンタータイプというか待ちのスタイルだと思ってたんですよね。

圧はかけるけど相手に打たせてそこに合わせて行くって言う。

なんですけどなんかいきなり仕掛けるなーって言う…

けどなんかキレがない。いや、遅い。捨てパンチだとしても遅い。

それなのに詰めるフッカー。急ぐな。

と思ったらアレンのパンチを被弾。変に打ち気も見せるフッカーだが、防戦一方。打ち終わりを狙われてる。キックのスピードも遅い。

スタミナに問題ありなのかそれでも圧をかけていくフッカー。

打ち終わりに再度パンチを被弾→まとめられてTKO負け。

うーん。フッカーの良さがちっとも出なかった。

前々戦のハクパラスト戦のような打撃とタックルを混ぜたスタイルが見たかった。

明らかに色んな面で速度が落ちていた。

過度な減量良くない。それだけの試合でした。

残念。

フェルダー戦、ポイエー戦と胸熱な2戦を見せられた僕がまた強いフッカーを信じている。


⑨ジャック・ショア vs ティムール・バリエフ (3/19 UFC London)

先述したセメルスバーガーvsフレッチャーと並んで、3月で個人的に最もおもしろかった試合です。

この試合が行われたロンドン大会でフィニッシュ連発で、パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトが8名という異例の事態に。

その影響でかファイト・オブ・ザ・ナイトが該当なしになりましたが、間違いなくロンドン大会で一番おもしろかった。個人的にかもですが。

この試合は15戦全勝のショアと、トレビン・ジョーンズにぶっ飛ばされながらもNC裁定となり、NC挟んで8連勝中のバリエフによる最激戦区バンタム級戦。

ノーランカー同士ですけど、共にランカークラスの実力者。いまのバンタム級はひとつの負けも大きい。期待のホープ同士によるサバイバルマッチ。楽しみ。

試合開始。

とにかくスピーディーで運動量の多さが特徴のバリエフだが、今回はやや動きが少ないように見える。

1R後半から運動量も上がってきたもののショアがゲームを支配している印象。

ショアは左ハイが良い。バリエフは不用意に入り込めない。

2R、ショアがバリエフの打撃に合わせてテイクダウンすると、バリエフは立ち逆にテイクダウン。

後半にはショアがバリエフをケージに押し込むも逆にバリエフがテイクダウン。もショアはすぐに立って再度ケージに押し込む。

お互い一歩も引かないノンストップバトル。堪らん。

2R終了時点で私の判定だと19-19。だけど20-18ショアもあるかな。勝負の3R。

3R初っ端、ショアのストレートでバリエフダウン。うーん。バリエフはなんか毎試合一発貰っているイメージ。そこからの回復も凄いんだけど。

その後バリエフはチョークで一本狙うも凌いだショアがトップキープ。更に終盤にショアがストレートで再度ダウンを奪い突き放す形でタイムアップ。

ショア判定勝ち。

めちゃくちゃハイレベルなノンストップバトルでしたわ。これで2人ともノーランカーなんてどーなってるんだバンタム級よ。

しかしバリエフはめっちゃ強いし実力はランカーとなんら遜色無いと思うんだけどなー…

ジョーンズ戦も圧倒してる所に一発貰ってノックアウトされたし(試合後ノーコンテスト裁定に)、スプリットで勝ったバルセロス戦でも貰ったし

今回負けてしまったからまだ少し先の話になるけど、これではランカー相手だと勝てないよなー…


⑩ムハマド・モカエフ vs コーディ・デューデン(3/19 UFC London)

MMA戦績6勝1ノーコンテストと負けなしのフライ級プロスペクト、モカエフのUFCデビュー戦。

モカエフはスイッチの左ミドル、蹴りのフェイントを多用するね。

蹴りのフェイントが効いたか二段の跳び膝がヒットしダウン奪取。そのままデューデンの首を抱えてチョーク。

スラムされるのも離すことなくそのまま極めきり僅か58秒葬!!

極め力?って言うの半端ないわ。

これは期待でしょう。


その他

○ティム・エリオット(ケージを掴んだりとややダーティではあったが反則取られなきゃ反則じゃない!UFCフライ級のベテランが14勝1敗、5連勝中のウランベコフに際どい判定勝ち!ベテランの意地というか、執念が伺えた一戦。)

○ジャビット・バシャラート(フェイント多用してどんどん仕掛ける。上下の打ち分け、ボディもすごく上手。打ったらスッとバックステップで消える。)

○ドリュー・ドーバーvsトレンス・マッキニー(マッキニーやべえ。開始からガンガン攻めまくる。そしてちゃんと当てて倒しちゃう。止められてもおかしくなかったけど持ち堪えたドーバーの反撃もすごい。攻め疲れたマッキニー、半ば心折れるような形でドーバー大逆転TKO勝利。ドーバーあれを耐えて逆転は天晴れ。マッキニーもおもしろいわ。)

○イリア・トプリア(ボディからのストレート、トプリアらしいノックアウト劇。ただトプリアはライトは合ってないな。リーチで勝るハーバードのパンチかなり貰ってたし1Rで倒されてもおかしくなかった。トプリアはフェザーで観たい。流れたエフロエフ戦早よ。)

○パディ・ピンブレッド(ピンブレッドはよく分からない選手だなー。UFCでの2戦しか見てないけど、2戦とも最初に大きい貰って、なんか分からんけど最終的に勝つ。良く言えば持ってる選手なんだろうな。)

○マット・ブラウンvsブライアン・バーバリーナ(激闘。ブラウンは肘、膝良いなあ。個人的にはブラウンかと思ったけど。良い試合でした。)

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