ANA・JALのマイル修行前に本当にステイタスが必要か検討すべき理由
ANAやJALのマイレージカードの上級ステイタス会員や、上級ステイタス会員後にステータスを維持できる仕組み(※)を手に入れるため、「マイル修行」を考えているという人も多いのではないでしょうか。
実際、テレビや雑誌などのメディアでもよく取り上げられていますし、ネットではいかに効率よくマイル修行を達成してステイタスを獲得するか。その後、スーパーフライヤーズまたはJALグローバルクラブの会員になるか書かれたブログや記事が散見されます。
効率よく上級ステイタスを獲得する方法などはすでにある情報に譲るとして、その手前の「本当にあなたは取得するメリットがあるのか?」部分にフォーカスして話をしたいと思います。
実際に上級ステイタスになったり、その後にスーパーフライヤーズやJALグローバルクラブの会員を維持するには、「時間」と「お金」のコストが掛かります。果たして取得やその後の運用にかかるあなたの貴重な時間とお金をかけるだけの価値があるのかを判断するための一助になればと思います。
前提:航空会社の上級会員とステイタスカードとは
航空会社がなぜ上級ステイタスや上級ステイタスと同じような特典を受けられるステイタスカードを運用しているのでしょう。
理由は1つではなく様々あります。人によっても感じるメリットは違うのと、本題からずれるので全ては紹介できませんが、ここでは1つ紹介します。
1つには上顧客を抱え込むためです。利用すればするほど「お得感を感じられる」仕組みを提供することで、他の航空会社に移りにくくなります。(他の会社に移ったら、また最初からのスタートになります)
その他の理由が気になる方は、ぐぐってみると様々な視点での考察が読めます。
ANA・JALの上級ステイタスとステイタスカードについて
概要を紹介します。詳しく知りたい場合はリンク先の各航空会社のサイトを閲覧ください。
▼ANA
▼JAL
参照(JAL公式サイト):https://www.jal.co.jp/jalmile/flyon/status.html
あなたが上級ステイタスやステイタスカードを持って幸せになれるかチェック
ここからは本題である「ステイタスカード」を時間とお金をかけてでも取得することで幸せになれるかどうかのチェック項目を紹介します。
もし、引っかかる点が多いなら、無理にマイル修行して上級ステイタスを取得したり、その後にステイタスカードを維持したりせず、別の時間とお金の使い方を検討した方がよいと思います。
1)ステイタスカードのメリットをある程度把握していたか
もし今、この記事を読む前のタイミングでステイタスカードのメリットを把握していないなら、取得してもかける時間とお金のコストに見合う価値を得られない可能性があります。
2)普通の時は飛行機を利用するのは年に4回以下
ステイタスカードの特典から考えて、飛行機をそれなりに利用する人ほど恩恵を受けられます。
一方で、特殊なケース(※)を除いて年に4回以下の利用であれば、ステイタスカードを維持する金額よりも安くあげる方法として、空港の施設をうまく使ったり、有料のラウンジなどを活用するほうがお得だと思います。
3)優先搭乗と到着後早く機外へ出られることを凄くメリットと感じてる
ファーストクラスやビジネスクラスを常時利用しないのであれば、「優先搭乗」にそれほどのメリットはありません。
エコノミークラスでメリットがあるとすれば座席近くの収納に荷物を確実に入れられることぐらいで、むしろ先に席についても後から入ってくる人の喧騒に巻き込まれて対してリラックスもできないケースも多いと思います。
到着後に機外に早く出られる点ですが、過去に何回か最初の人が出たタイミングから自分が最後の方に出るまで、どれぐらいの時間がかかるか計測したことがあります。
結果からいうと、飛行機の大きさにもよりますが、5分以内には機外に出られました。
また、いくら早く出ても預け入れ荷物がある場合、後半に機外に出ても預け入れ荷物のない人のほうが、先に到着口を出ることがほとんどなので、気になる人は以下に効率よく荷物を整理し、機内持ち込みだけにするか考えたほうが効率的ともいえます。
4)空港ラウンジを利用できる
実はこんな記事を書いておきながら、つい最近までは空港ラウンジを利用できる点がかなり魅力的に感じ、ステイタス会員やステイタスカードを持ちたいと思っていました。
機会があって有料でラウンジを利用したのですが、正直なところ「ビジネスマン」にとっては最高の場だと思いましたが、プライベート旅行での利用ならラウンジを利用しなくても、出国エリアなどで同じぐらいくつろいだり楽しんだりできると思います。
どうしても利用したい時があれば、条件を満たして有料で入るとか、クレジットカード会社やプライオリティパスを所持するなどの選択肢も検討した上で考えるのが良いでしょう。
5)空席待ちの優先
忙しいビジネスマンにとってはかなり魅力的ですが、普通の旅行の場合、空席待ちするような状況がどれだけあるでしょうか。
もし、マイル修行の目的がビジネス時のメリットを得たいという理由であれば、他の理由も含めてメリットを大いに享受できるでしょう。
6)専用カウンター、専用保安検査場
ゴールデンウィーク、夏休みのピーク、正月前後の年3回についてはメリットを得られると思いますが、それ以外の時期であればうまくこまないタイミングや場所を選べば、それほど大きなメリットは得られないと思います。
逆に旅行するのが上げた3つのタイミングしかないという人なら、取得したらメリットを享受できるでしょう。
7)時間とお金のコスト
最後にもっとも重要なポイントを紹介します。
ステイタスカードを持つには一度はステイタス会員になる必要があります。そしてステイタス会員になるには、実際に飛行機に乗る以外に選択肢はありません。
マイレージであれば陸マイラーという言葉があるように、飛行機に乗らなくても貯められますが、ステイタス会員については無理です。
では、どれぐらいの時間とお金がかかるのかが気になると思います。
実際、マイル修行のサービスなどに書かれている方法を効率的に実行すれば、以下ぐらいの範囲におさまると思います。
※様々な条件があるので、少し余裕を持って範囲を拡げて紹介しています。もっとカツカツな情報が必要なら、マイル修行ブログなどを参考にしてください
また、とにかくマイル修行を効率的に行うルートと座席クラスは大人気で、週末便などは予約が始まったらすぐに埋まります。予約を勝ち取る戦いにも勝たないとマイル修行は達成できないと思ったほうがよいでしょう。
次にステイタスカードですが、年会費がそれなりに掛かります。
もちろん、高い年間費に対して各種サービスや旅行保険の付帯、利用時のマイルの増加などのメリットは付いてきます。
ただ、一番安いものでも年間1万円を超えてきます。自分がステイタスカードを持っていつまで使うかを前提に、どれぐらいの年会費コストが発生するかも踏まえて、コスト計算しましょう。
特にステイタスカードの場合、一度でも継続を辞めると失効してまた取り直しになるので注意が必要です。
ステイタス会員->ステイタスカードを持つのを考えているなら、どのようなステイタスカードがあり、年会費がいくらかを確認し、将来的にかかる年会費額に見合う利用ができるのかも検討した上でマイル修行するか判断したほうがよいでしょう。
最後に
空港でラウンジを利用したり、優先搭乗をしている人を見ると憧れることもあるかと思います。
ただ、ここまで紹介してきた項目を見て、それほど自分にとってかけるコストに見合う価値がないなと感じたなら無理にとらないほうがよいでしょう。
公共交通機関のセール情報や、特定地域から価格帯別にお得に旅する方法と場所の紹介、その他旅する上でトクする情報を配信するサイトを始めました。