尊敬する先生たち。
インドでいろんなアーユルヴェーダドクターたちに会いました。
まだ会ったことのない、すごいドクターもきっといるはずですが、
これまで私が出会った中でも、とても心に残っている先生たちの話。
1 南インドの有名な先生。
この先生は、自分の処方や薬の選び方をおおっ広げに教えてくれる先生。
多くの先生は、SNSなどで、自分はこの病気を治した。という紹介をするだけだったり、もしくは、自分の処方を誰かに教えるのにも、身近な人にしか話さなかったりします。
でも、この南インドの先生は、自身の臨床経験、この病気にはこの処方をして治った、とか、どういう考えのもとでその処方をしたのか、ということをオープンに教えてくれる先生でした。そしてアーユルヴェーダでできることとできないことを、はっきりと知っていて、それを教えてくれる。
自分のコロナ患者の臨床経験(症状や処方も含む)もいち早くまとめて、冊子にして、アーユルヴェーダのドクターたちにシェアしてくれました。
このシェアの仕方も、自分の身近な人にだけ、ということはなく、同じアーユルヴェーダをやっているドクターや生徒たち、より多くの人たちにシェアしてもらえるようにと、SNSで回ってきました。無料で、です。
彼の講座の時は、終わる時に『みんな!これから私の電話番号とemailを言うからメモっとけ!何か臨床をしていく上で、困ったこと、質問したいことがあったら、いつでも連絡してこい!』と言ってくれます。講座には不特定多数のいろんな人が参加しているのに、です。
今まで何千年も受け継がれてきたアーユルヴェーダの知識を伝えていく、ということがどういうことなのか、自身の行動で教えてくれる先生です。
2 プーネで出会った先生。
この先生は、アーユルヴェーダドクターひよっ子の強い味方的な先生です。
私がアーユルヴェーダの大学を卒業した時に出会いました。
その時に、そこにいたドクターたちを集めて『いいか?アーユルヴェーダの大学の卒業証書をもらったところで何かできるわけじゃない。アーユルヴェーダの大学を卒業したということは、何がどの古典書のどこに載ってるか知ってる、ってことだけだ』と言いました。
アーユルヴェーダの大学を卒業して、何かできていなければならない、という焦りだけを持っていた私たちにとって、大きな勇気です。これから先、その古典書に載ってる知識をどう使っていくか、やりながら学んでいけ。と言うことだからです。温かい激励です。
そして、自分の失敗談も後輩ドクターたちにシェアしてくれてました。通常、失敗談は自分のドクターとしての面子に関わってくるので、なかなかシェアしてくれる先生はいません。
この先生は、臨床を始めた頃に、自分が現代医学的なアプローチでアーユルヴェーダの薬を出して失敗したこと、その後、考え直して、アーユルヴェーダ的な考えでアプローチしたら、薬が効いたこと。など。そういう話は、後輩ドクターたちにとっても、学ぶことはすごく大きいです。
患者さんたちもとてもこの先生を慕っていて、この先生に診てもらうために遠くから足を運んでいました。
3 プーネのもう一人の先生。
私が一番お世話になった先生です。
この先生とも、私がアーユルヴェーダの大学を卒業してから出会いました。
その時にはすでにアーユルヴェーダの大学を卒業していて、こう言うのもなんですが、
この先生と出会って、アーユルヴェーダってこんなに面白いんだ!って心からワクワクしました。アーユルヴェーダを勉強してて良かった!と思いました。
大学の時は、古典に載っていることと臨床でやっていることの間に距離を感じていて、古典と臨床が繋がってないような感覚がありました。
でも、この先生は古典に載っている知識をそのまま臨床で使っている、というような感じで、いつも何かあったら古典を開き、その思考の根拠を常に古典に求める、という臨床の仕方をしていました。古典と臨床が直に繋がっている!という感じです。
大昔のアーユルヴェーダの聖者が言っていたことを、今も実際に私たちは実践できる。というワクワクを教えてくれて、私が今も古典を読むことを大事にしているのは、この先生の影響が大きいです。
今は、なかなかインドに行って先生たちに会うのは難しいけど、
いつも心に残っていて、励まされます。