セレス(デーメーテール)の隠れた気持ち
セレスは直径が東京と鹿児島間の距離くらいの準惑星です。
1801年に発見され、公転周期は4.6年。
自転周期は9.4時間です。
ギリシャ神話のセレス(ケレス)(デーメーテール)から名前をとっています。
ちなみにこの女神はトウモロコシとの関係が深く、穀物や農業に関する縁も深いのです。
セレスが発見された1801年は、農業を基本とした国づくりを掲げたトーマス・ジェファーソン大統領の就任がありました。
アメリカでは大きな農業改革が起こったとも言われています。
(女神のパワーオラクルカードより)
デーメーテールとは【母なる大地】という意味も持ちます。
(なのでガイアと同一視されることもある様です。)
デーメーテールは出産と農業穀物の女神で、季節の違いや、植物が育ちそして枯れることを彼女は人々に説く存在だったのです。
出産と関係が深いのは、育むという基本から繋がっており、大地から植物を生み出し、育む全ての工程を、守っている女神だからです。
占星術では
養育/食事/出産/母性/育てる/芸術
などの象徴となっています。
彼女にはとても有名な神話があります。
それは、娘ペルセポネーの奪還というお話です。
(女神のパワーオラクルカードより)
デーメーテールにはゼウスとの間に1人の娘がいました。
この娘をペルセポネーといい、デーメーテールは大変献身的に愛情深く、その娘を可愛がっていました。
ですがデーメーテールの弟でありペルセポネーの父であるゼウスは、勝手に娘と冥府の王であるハデスとの婚約を約束してしまいます。
(......個人的にはゼウスもハデスも有り得なすぎて「男とは...」という気持ちになる部分です)
数年後、大変麗しい少女になったペルセポネーは、オケアノスの娘と野原で花をつんでいたことろ、突如地面から現れたダークブルーの馬に引かれたキャリオットに乗るハデスによって、冥界へと拐われていってしまったのでした。
(.......こういう犯罪は現代でもありますが、許せませんよね。)
デーメーテールは突如居なくなった娘を探しに、世界中を周りました。
(この時に地上のエレシウスという場所で、人間の王の息子であるトリプトレモスに「麦を拡めるように」とドラゴンが引く車と麦を渡しました。穀物の神として崇められるようになったのは、この時からでしょう。)
ペルセポネーは、陰鬱とした冥府で食事も入浴も与えられておらず、デーメーテールもまた、娘を思うあまり、同じ様に何も食べずボロボロになっていってしまいました。
そしてデーメーテールは大地の女神であるヘカテーに出会います。
ヘカテーは一部始終を見ていたので、太陽神であるヘリオスの元へ彼女を連れていきました。
そして連れてこられたデーメーテールは、ヘリオスより、ペルセポネーがハデスによって連れ去られ、婚約をし、冥府の王女となった事を聞かされました。
絶望したデーメーテールは、内側から溢れていた愛をそこで全て失いました。
地上は、デーメーテールが司っていた季節を失い、飢餓で満ち、人類は破滅の危機へと追いやられたのです。(1✩.*˚)
困ったゼウスは、デーメーテールを宥めるために、ヘルメスに命じてペルセポネーを冥府から奪還させます。
ですが冥府の王はそう簡単にはペルセポネーを手放しませんでした。
ペルセポネーが冥府を発つ直前、その幼い少女であるペルセポネーに、ザクロの実を数粒食べさせたのです。(2✩.*˚)
冥府のものを口にした者は冥府の者になります。
こうしてペルセポネーは完全に地上へ戻れるという訳には行かなくなりました。
以来、春になるとペルセポネーは母であるデーメーテールの居る地上へ戻り、冬が訪れるとともに冥府へ戻っていくと言われているのです。
ペルセポネーのいない地上では、デーメーテールが悲しみ草木が枯れるのです。
ちなみにこれは、トウモロコシの成長サイクルに似ているのだそうです。
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(1✩.*˚)
古事記の天の岩戸のお話との共通点です。
天照大御神が岩戸に隠れた時、世界は混沌としました。
(2✩.*˚)
伊邪那岐命、伊邪那美命の黄泉の国でもありましたね。
現代の映画やアニメ、様々なシーンで使われています。
あの世の物を食べると、あの世の存在になる。
千と千尋の神隠しで、千尋がおむすびを泣きながら食べたシーンが印象的です。
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さて、デーメーテールのお話はいかがでしたか。
母の強い愛を感じる方も多いと思います。
やはりこの話には母親の気持ちが色々と詰まっているのです。
しかしながら、自らが生み出したもの、つまりペルセポネーの命への感覚がゼウスとデーメーテールとでは大きく違いますね。
これは男性と女性の本能の違いをうまく示しているのだと理解しています。
とはいえ、このお話を聞くと単純に「おい!!父親!!!なに娘を売ってんだよ!」と思ってしまいますね。(ね?⇦)
これは女性性のなせる技ですが、女性性はやはり生み出したものを守るという意識が強くなります。
危機感が強くなるのです。
デーメーテールが自らボロボロになりながらも娘を探し回ったのは、そこに娘への深く献身的な無償の愛があったからでしょう。
それと同時に私はなんとなく、、、外界の敵から大事な存在を守るという強い意識も感じました。
自分と自分の娘を裏切った【ゼウスやハデスに対する敵対の意識】がこの物語には隠れていると感じるのです。
やはりここは蟹座的な要素がありますね。(セレスは月と共に蟹座の支配星です)
何かを守るときに何かを敵対したくなる、それをモチベーションにするということはよくあります。
本来は分離され解決される方が望ましいことですが、問題の分離がなされていない方が、強い力を発揮できることもあるのです。
ですから占星術が示すセレスにも、こうした隠れたセレスの強い気持ちが現れることがあるかもしれません。
養育の方針、食事に関すること、出産、無償の愛を示すセレスですが。
更に踏み込むと「大事な何かを守る時に発揮されるキツい一面。」
も出るのかもしれません。
これはアスペクトや度数から見えてくるものだと思っています。
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