【エッセイ&映画レビュー】パラサイト 半地下の家族を観て
今日は体調が優れないので午後から家事や仕事をOFF。
たまにはゆっくり…って事がなかなかできない性分のあゆさん。
最近、持病の再発と思われる症状が出てきて、身体がけっこうキツいこともある。
相変わらず円形脱毛症は改善もしない。
むしろ広がっていたり😬
でもそれを人に話すと
「ストレスだよ」
「無理しないで」
必ずそう言われるんですよね。
それはあゆさんを気遣っての言葉と有難い気持ちで受け取っているけど、”ストレス”とも”無理している”とも認めたくない自分がいたりして(めんどくせーやつw)
それでも時々こうして身体からSOSが出された時は、素直にそれを受け止め
「よく頑張ったねあゆさん」
そう自分を慰めるようにしてるんです。
で、たまには好きな映画でもゆっくり見ようかとアマプラやHuluで探す事1時間あまり。
見たい映画はあるけど
「今日はこの映画見る気分じゃない」
って思って色々見ていた中で今日何となく目に留まったのが”パラサイト半地下の家族”でした
長い前フリでしたが(いつもの事だけどw)今回はこの映画のレビューです😊
パラサイト 半地下の家族ってどんな映画?
この映画が日本で公開されたのは2020年1月。思い起こすとこの”流行り病”が始まった頃だったんですね。
この映画は第72回カンヌ国際映画祭では韓国映画初となるパルム・ドールを受賞。第92回アカデミー賞では作品賞を含む6部門にノミネート。
結果、『監督賞』『脚本賞』『国際長編映画賞』の最多4部門を受賞。
ちなみにアカデミー作品賞とカンヌの最高賞を同時に受賞したのは65年ぶりの快挙だそうです。
これは期待できるなと。
しかし、韓国映画って面白いけど先が読めるものや、お決まりのパターン、また社会的背景が強く描かれているものが多く
「観たい!」
って気持ちになかなかなれないのもまた事実💦
なのでほんと、久しぶりの韓国映画でした。
あらすじ
※ネタバレあり※
この映画は4人家族のWi-Fi電波が繋がる繋がらないという一見どこにでもあるような家族のやり取りから始まります。
父ギテク 母チュンソク 息子ギウ 娘ギジョン は誰が見てもすぐ貧困層とわかるような古く薄汚れた半地下のアパートに暮らしていました。
韓国では実際半地下の物件は珍しくないようで。
1970年代、韓国では住宅を建築する際、地下施設の設置が義務付けられていたそう。
理由は北朝鮮との戦争に備え防空壕として利用できるから😲
義務付けるくらいだからそれだけいつ戦争になっても不思議が無いくらいリアルな現実だったんでしょうね(あ、今もだけど💦)
80年代に入って首都ソウルには人口が急増。その為実際は使われていなかった半地下の部屋を居住用として使用するように。
住環境は劣悪ではあるものの、家賃が安く需要は高かったようです。
そんなアパートに暮らすこの家族4人、、、いやこういった劣悪な環境に暮らす多くの層の人達の物語かな。
生きる為に
この家族4人は全員失業中。
近所のピザ屋の宅配箱を組み立てる内職で低賃金ではあるものの何とか家族4人食いつないでいました。
冒頭、家族で食事をしているシーンがあります。それは決して贅沢な食事ではないけれど、貧しいながらもどこか幸せそう。
そして家族で力を合わせ、逞しく生きる姿に「幸せ」とは一体何かとあゆさん自身、考えさせらた瞬間でもありました。
そんな時、名門大学に通うギウの友人ミニョクが訪ねてきました。
彼が彼の祖父から託された、と大きな箱を持ってきました。
その箱の中には”山水景石”という”富をもたらす石”と言われている石が入っていました。
「今の僕らには必要な石だ」
とギウも父のギテクもとても喜びました。
ま、そういう意味を持つものを貰えば嬉しいですよね。
だってその時に一番自分たちが求めているものですからね「富」は。
そしてギウの友人ミニョクは自分が留学している間、自分が家庭教師をしている女子高校生の英語の家庭教師を代わりにやらないか?とギウに提案。
一瞬、浪人中で大学生でもない自分が教えてもいいのもだろうかとギウは躊躇っていましたが高い報酬だったこともあり家庭教師を引き受けることにしたんです。
ギウは大学を目指していることもあり、頭がよく要領もいい。また妹のギジュンにはギウの大学の入学証書を偽造てもらいましたが、やはり器用で賢い面が垣間見えます。(偽造はダメだけどね🙅♀️)
貧しい=賢くない
ではないんだという事がよくわかりますよね。
要領がいいのはそれが生きていく為の術だから。ギウは特にそれに長けていた気がします。
きっと生まれ育ったあの環境で生き抜くためには必要で身に付いたことなんでしょうね。
パラサイト
ギウは紹介されたパク家の娘の家庭教師として物おじしない授業態度を見て信頼を得、正式に仕事が決まります。
そしてふと、壁にパク家の息子であるダソンが描いた絵を見て、パク夫人が絵の家庭教師を探していることを聞きだします。
ギウは大学の後輩として絵の家庭教師と言って妹のギジョンを”ジェシカ”として紹介します。
ギジョンがネットでさらりと調べた児童心理等の専門用語を並べて話しただけでパク家のご婦人は何を疑うことも無くむしろ信用し絵を教える家庭教師としてギジョンを雇うことに。
鈍いあゆさん💦
ここまでの流れを見ていてもさっぱり展開が読めない💦笑
ある日、妹のギジョンはパク家の帰りに運転手に送ってもらう事になり、その時とっさに思いついた事なのか、こっそり自分でパンティ脱ぎ、助手席の下に下パンティを仕込だんです…🫢
翌日車からパンティを発見したパク氏は運転手が自分のベンツでコカイン漬けのカーセックスに使ったとだと思い即解雇したんです。
ここでやっと…
「あれれ?」
気が付くあゆさん😅(遅っ💦)
その後運転手として父ギテク、パク家が住む前の家主からこの家に仕えていた家政婦のムングァンを「結核を隠していると」言って騙し実際は桃のアレルギーを利用して結核に見せかけ、信じたパク夫人はムングァンを解雇。
めでたく新しい家政婦として母チュンスクもパク家に雇われたんです。
家族全員パラサイト大成功!
方法に問題は無いとは言えないけど、曲がりなりにも職に就けた4人。
やれやれ。
さてこれからの展開って?🙄
①何かしらの問題が起きパク家にパラサイトがバレて元の生活に戻り「結局人生そんなんかよ!」とやさぐれるw
②パク家に上手くパラサイトしつつ、「自分たちにとっての本当の幸せとは?」と考えながら、紆余曲折あり格差が埋まることもないけれど安定したそれなりの生活を手に入れ、
それなりのハッピーエンド!
③ギウの正体が娘にバレるけど、ギウにベタ惚れの娘とギウは大切に愛を育みめでたく結婚。その後パク家の会社と財産はギウのものに!結果家族のサクセスストーリーとなる!
④まさかの大!どんでん返しが起こる!(それが何かはまったくもって想像できず💦)4人が同じにおいがすることを唯一気が付いていたパク家の息子ダソンが何かそのきっかけを作る!
ま、色々な賞まで獲っているこの映画のことを考えると③か④くらいの展開かなとこの時点では思ってました。
ダソン誕生日の夜に
この日パク家はキャンプへ行くことに。
留守を任されたのは家政婦である母チュンソク。キム一家はパク家の豪邸で自分の家のように振舞っていました💦
パク家にある高そうな洋酒を飲み家族でふざけ合いながらつかの間の贅沢を楽しんでいたのです。ま、この時点で
「急に帰ってきたらどうすんねん!」
と当たり前のツッコミをしつつ、
「こんな生活を夢に見ていたんだろうな」
と思って見てました。
するとギウが急に将来娘のダヘと結婚したいと夢を語り出すんです。
『おお?あゆさんの予想③的中か!』(競馬ちゃうぞ!🔥)
すると
”ピンポーン”
インターホンが鳴りました。
モニターに映っていたのは雨に濡れたおばさんが!!!怖いよぉ😨💦
よく見ると解雇された前家政婦”ムングァン”が
「地下室に忘れ物をしたから家に入れて欲しい」と言ってきました。
仕方なく家に入れるとムングァンは隠し扉を開き地下へ。
何とそこにはムングァンの夫グンセがいたんです!
いやもうあゆさん驚いたのなんのって!
「いやあんたもパラサイトしてたんかーーーーい👋」って突っ込みましたよ😂
なんでも、借金取りから身を隠すために地下室に住まわせていたそうなんですよ!
ムングァンはチュンスクにこの事実を
「秘密にしてほしい」
と懇願したけど
チュンスクはそれを全力拒否!爆
それを盗み聞きしていたキム家の3人は足を滑らせ出てきてしまうんです💦。
そしてその様子や会話をムングァンはとっさに動画撮影(その瞬発力と判断力にビックリ!😲YouTuberなれるぞ!🔥)
それをパク夫人にカカオトークで送信すると脅すと、今度はそのスマホを取り上げようと
みんなで揉み合いに💦
あゆさんの脳内ではドリフのセットチェンジの時の音楽が流れていましたよ。ちょっとコミカルでもあったし。
そんな時、想定内に(笑)パク家の夫人から電話が。大雨でキャンプが中止になって、間もなく帰宅するからジャージャーラーメンを作っておいてとチュンスクに頼んだんです(ジャージャーラーメンって何?🤔)
キム一家は大慌て!
(再びあゆさんの脳内にはドリフの曲がw)
家で行っていた振舞の形跡をみんなで必死消しました。
すると地下室から出てこようとしたムングァンをチュンスクが突き飛ばしムングァンは脳震盪を起こし、夫グンセはグルグル巻にして なんとかバレずに事なきを得たキム家💦
そして慌てて3人はソファやテーブルの陰に隠れます。
家に戻った一家。
息子のダソンは庭にテントを張ってキャンプを続けます。
そんな息子を見守りつつ パク氏は妻に運転手であるギテクの体臭がキツイと軽口を叩いてしまいます。
その後パク夫妻は寛ぐソファの上でラブラブ︎💕︎夫婦生活を営み始めてしまうんです💦
いやぁー、体臭キッツイ言われた挙句その後に他人の夫婦の営みをライブで聞くってどんな心境何ですかね?😓
てか親子3人でそれを聞くって。。。
営んだ後、夫妻が寝落ちした隙に3人は豪邸から逃げ出すことに無事成功。
半地下のアパートに戻ると大雨の影響で下水が溢れ出し家中が浸水💦💦💦
やむを得ず3人は避難所へ。
そこて今までの無謀な計画をした事をギウは父に謝り、ギテクも
「計画があるから予定外の事が起きる。計画しなければ予定外の事もない」と。
まぁ流れに任せるしかないという事ですよね。
大どんでん返し!!!
翌日、パク一家はダソンの誕生日パーティーを開くことに。
ギテク、ギウ、ギジョンの3人が招待されました。運転手であるギテクは婦人と買い出しに行きます。
「大雨のおかげで今日は最高の天気になったわ」
こ夫人はギテクがイラッと来る事を🫢
事情を知らないからしかたないけど、自宅の浸水でさらに悪化した体臭にしかめっ面🤥
をする夫人にいら立ちを募らせます。
庭ではパーティーが始まりました。
母のチュンスクと娘のギジョンは 閉じ込めたままのムングァン夫妻がとても気がかりでした。
やはり和解の道を探るべきと食料を持って話にいこうとすると邪魔が入り、代わりにギウがあの”山水景石”を持って地下室を訪れますが、ギウは石を落としてしまい、逆にグンセにその石で頭を殴られてしまいます。
その後、グンセはキッチンから包丁を持ち出し、パーティーに乱入!
そしてダソンのバースデーケーキを持ったギジョンを刺します💦それを見たダソンは失神😵💫
父ギテクは刺された娘ギジョンを助けようとすると、パク氏はダソンを病院へ連れて行くとギテクを大声で呼びつけます。
ギテクは思わず車のキーを投げパク氏の方へ投げたけど 揉み合うチュンスクとグンセの所に落ちてしまいます💦
チュンスクはグンセを肉串で刺し殺し、そこ落ちた車のキーを取り戻したパク氏は思わずグンセの臭いに後ずさりをします。
その反応を見たギテクは何かのスイッチが入ったかのようにパク氏を刺し殺してしまいます。
てか、こんな惨状になるなんて想像してなかった。。。
『え、え、えぇぇぇーーーーーー』しか言葉が出てこない。
悪夢から醒めて
ギウは一命をとりとめ、昏睡状態から目覚めます。
妹のギジョンはグンセに刺され死亡。
母チュンスクとギウは裁判にかけられましたが執行猶予で2人とも収監されることはありませんでした。
父ギテクはパク氏を殺した後行方不明となっていました。
ギウはかつて働いていた大豪邸が見える山に登り、そこで家の電灯がモールス信号であることに気が付きます。
それは届くかどうかも分からない息子への手紙だったんですね。
手紙によるとギテクは事件後すぐあの地下室に潜み 孤独だけどこれからもここに住み続けるというんです。
ギウはそんな父の為「計画」を立てます。
金を稼ぎあの家を購入し、いつの日か父を開放すると強く心に誓うのでした。
感想
この映画の特徴はまず カメラワークや構図が独特ということ。
それゆえ強調したいところに否が応でも目が行くという仕組み。
光と影の使い方も富と貧を象徴しているように見えますね。
話の内容としては韓国でも深刻とされる格差社会で光の当たらない影の部分に生きる人に焦点を当てているのは解る。
この映画に出てくるパク夫妻はとてもいい人達だったと思うんです。
奥様は世間知らずという言い方も出来るかも。それほど純粋な人だったとも思うんです。
そう、この映画に関して豊かな方、パク夫妻に非は無いと言っていいと思うんですね。
キム家やムングァン夫妻はパク家にパラサイトして自分の生活を守ろうとした。
でもそもそも寄生すること共存することは一見似てるようで違う。
自分たちがどんなに貧しくても豊かな人に寄生したり搾取することは正当化されることではないと思うんだよな。
気持の部分では共感できる所もあるけど、最後父ギテクは地下室に一人逃げ込んだのがどうも腑におちない。
娘は刺されて死亡。
息子と妻は収監されたわけだし。
ムングァンの夫グンセも借金から逃げて地下で妻にかくまってもらって暮らしているとか、全く褒められたもんじゃないし恥じて欲しいとすら思う。
この映画は評価が高かったのは、読めない展開や、技術的な映像の美しさや表現力、そして世界中にある格差社会への問題提起の影響力なのではないかとあゆさんなりに感じました。
色んな意味で印象に残った映画ではあるけど、問題提起はしてもその解決の糸口なんかも織り交ぜられてるとよりリアルに自分事として問題を捉えることが出来るたんじゃないのかな。
最後になったけど誰が可哀想って息子のダソンが本当に可哀想😭
自分の誕生日、夜コソッとバースデーケーキを食べていた時、ダソンが幽霊を見たと思っていたのは実はグンセだった。
それを見たダソンは大きなトラウマとなった。
そして再び誕生日の日。同じバースデーケーキを持ったギジョンをダソンの目の前で刺され気を失しました。
その後のダソンがどうなったのか。
気を失ってその後目覚めたシーンは無かったけどは大好きだった父は死に、再び現れた血まみれの幽霊を見たダソンの心の傷は計り知れない。
そこを丁寧に描いていないところがすごく不満として残りました。
どんな家庭に生まれようと傷つけていいなんて理屈はどこにも無い。
格差社会の陰の部分にばかり焦点が当たっているようなモヤモヤ感の残る
あゆさん的にBAD ENDな映画でした。