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幸福度の尺度は貯金額でも持ち家でも無い(パパラギ感想文)

BBT大学でグローバルファイナンスを教えてくださっている玉木先生がお薦めしてくれた本「パパラギ」を読んだ。

玉木先生が紹介してくださった言葉をそのままお借りするとこんな本だ。

西洋文明に染まってしまった国々っていうのを痛烈に批判。南の島の酋長さんが、西洋に行ってヨーロッパ人はこんな事で喜んでいる。あんな事で喜んてでいる。我々はその全てが無いけれども、いかに自分たちが幸せかを語っている本。

玉木直季先生・最終回 】ハッ!とした言葉と、愛読書パパラギの紹介(8分)【インタビュー#49】

玉木先生は以前友人に紹介してもらった事がきっかけで読み始めたとのこと。

玉木先生がバーレーンに住んでいた時に友人に紹介された本。
エジプトでの1年半も経験した後だったのでスッと入ってきた。
西洋文明や資本主義がやってきたものって、ごく一部の人たちは幸せにしたけど、地球上に住んでいる全ての人たちの幸せの総和を地球人口で割った一人一人の幸せって言うのは決して大きくなっていないんだなっと言うことを思う様になった。

玉木直季先生・最終回 】ハッ!とした言葉と、愛読書パパラギの紹介(8分)【インタビュー#49】

この本を紹介してくださったのが、中東での生活が長い玉木先生だったからこそ、余計に読みたくなったし、理解もしやすかったのかもしれない。パパラギを教えてくれた玉木先生に感謝をしたい。

この本を読んでいる時に、子供の頃の記憶が蘇った。テレビ番組でレポーターがアフリカで服を着ずに電気や車がない生活を送る人たちの暮らしを紹介していた。テレビのレポータも、その番組を見ていた私たちは、彼らの暮らしを”不便だ”と思い、そこそこ貯金も丈夫な家に住む”便利な”生活を送る自分達と比較して少し優越感に浸っていた。

また、20代の頃は海外ドラマにハマってNYを舞台にした「SEX AND THE CITY」や「フレンズ」の世界に憧れて、自分もアメリカのNYに住んで、綺麗な服を着て、おしゃれなレストランで食事をする暮らしてみたいと移住を想像したこともある。

それから何十年も経った今。私は昔のように無条件にどこかの先進的な国や人々の暮らしを羨む事は無くなったが、昔と今の自分の何がどう違ってきて羨ましく無くなったのかは、はっきりとせずぼんやりとしていた。

今回、パパラギを読んで、南の島の酋長さんが教えてくれたヨーロッパの人々と南の島の暮らしの対比は、「田舎と都会の生活」「お金」「時間」「機械で大量に安価に物を生み出す事」「仕事」「知識」「考え」等を切り口にされており、自分の実生活にも当てはめられるような具体的な事まで踏み込んでいたのでとてもわかりやすかった。また、切り口が普遍的だったので、今から100年以上前に書かれた小説ながらも、古くささは無く、今の世の中にも十分当てはまるものとなっている。

この本を通じて、私は昔から見続けていた「西洋文明や資本主義が自分を幸せにしてくれる」という夢から解放される事ができた。貯金が老後生活を過ごすために必要と言われている額を持たない事や、自分名義の家を持っていない事で自分を不幸扱いする必要はないし、もう、NYに住んで「SEX AND THE CITY」の主人公のキャリーブラッドジョーの様な生活を送りたいと思う事もない。

過去の価値観と決別し、新しい価値観を自分なりに考えて決めようと思う。今日からいきなり南の島の生活はできないものの「西洋文明や資本主義」から一旦自分を切り離して自分の理想の幸せについて考えて行きたい。


パパラギの紹介は4:30頃から



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