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特別な空

旅先で見る夕日ってなんでこんなにも特別なんだろうか。

日本でも同じように陽は沈む。
きっと過去に今日と同じように夕陽が赤く染めた空を見たことはあるだろうし、
今日見た夕日よりももっときれいな、真っ赤な夕日を見たことだってある。
それでも、日常から離れた場所で見上げた空はなぜかいつも特別に感じる。

 

いや、そもそも、夕陽をきれいだと思うようになったのはいつからだろうか。
昔は、夕日が暮れる時間は、なぜか週末に楽しく遊んだいたのが、魔法がとけて突然現実へと突き戻されるような気がしていた。
1日で一番嫌いな時間だった。
それなのに、今は夕陽を見るためにでかけたり、空が赤くなる時間を待っていたりする。

 

いつからだろうか、こんなにもこの時間が好きになったのは。
昔のように終わりゆく楽しかった時間を嘆くわけではなく、1日の終わりを笑って見送る。
もしかしたらこれが大人になるということなのかもしれない。

 

非日常な場所で見る、いつもの夕陽。
それはまるで、忘れかけていた大切なものを私に思い出させてくれるようだった。

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