私が帰る場所
タイに「帰ってきた」。
帰ってきたと言えている自分に少し驚きながらも、読めもしないタイ語を見るとどこか落ち着くし、わかりもしないタイ語を聞くとなぜなか安心する。
ああ、気が付かない間に、私の中でタイも帰る場所の1つになっていたんだと実感する。
このカオスさが、
この混沌とした感じが、
東南アジア独特の雑さが、
最初は本当に苦手だと感じていた。
思っていたよりも私は繊細だったのかもしれない。
それでも、ゆっくりと、だんだんと、
この土地の人たちの優しさに気付き、
この土地の人たちの暖かさに助けられ、
お互いに心を開いていないだけだったということに気づいてしまった。
暑い日差しがまるで穴をあけようとしているかのように肌を刺す。
頬を撫でる風はとてもじゃないが涼しいとは言えず、
レストランのビールはすぐにぬるくなる。
だれも慌ててなんかいないし、
だれもせかせかしていない。
怒ってる人もいなければ、
イライラしてる人もいない。
きっとタイという国に魅せられる人はこういうところが好きになったんだろうなと思いを馳せてみる。
今はもう、日本とは違う時の流れが心地いい。
日本にいても、タイにいても
1日は24間で変わらないはずなのに
まるで夏の川を竹の葉がゆるりと流れるように
常夏の国を涼しげに流れるゆっくりとした時間を好きになり始めていた。
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