上下関係はふりかざすものじゃないと思うんだ。
今日、ふと、一つのツイートが目に入った。
そこにはフリーランスになりたての人に、仕事を頼もうと思ったけれど高い価格を提示されたから、頼むのを辞めたと書いてあった。
一見すると新人フリーランサーが、価格交渉をミスして仕事の制約に至らなかったのかと思うけれども、そうじゃなかった。
どちらかというと「新人フリーランスに仕事を振ってあげているのに、適正な価格を提示しないなら他の人に頼むよ」というような内容だった。
大前提としてツイートをした本人の意図は違うかもしれないけれども、どうしても仕事を依頼する側と、依頼されるがわでの上下関係を感じてしまうような書き方だった。
わたしはフリーライターとして仕事をし始めてから1年半が経つ。
2年目になるちょっと前から編集の仕事もさせてもらえるようになり、今ではクライアントとライターさんとの間に立って、ライターさんにお仕事を依頼したり、入稿してもらった記事にフィードバックしたりもさせてもらっている。
だけれども、少なくともわたしは「仕事を振ってあげている」と思ったことは一度もない。わたしが書くこともできる記事を、わたしに変わって手を動かして書いてくれている、と思っている。
すごくいい金額でお仕事を依頼できてないない状況だけに、基本的には新人ライターさんにお仕事をお願いすることが多いのだけれども、それでもやっぱり手伝ってくれてありがとうの気持ちを忘れたことはない。
同じようにわたしが仕事を依頼される側で、一度だけ「仕事を振ってあげているんだから」というスタンスのクライアントさんと出会ったことがあったのだけれど、やっぱりうまくいかないことが多かった。
仕事に関してはそんなに不都合はなかったのだけれど、どうしても上下関係が生まれてしまっていたばっかりに、感情的なミスコミュニケーションが増えてしまっていた。
これは一般企業にも言える話で、上司に委縮してしまうと部下は最高のパフォーマンスができないと思う。
わたしも会社員をしていた時代に上司がいたけれども、とてもいい意味で放任主義だった。もちろんミスをしたら指摘してくれるし、悩んでいたら相談に乗ってくれるのだけれども、わたしが一人で歩いていこうとしているときは無理にその道を遮ったり、示したりしない。
今回の件もそうで。
こうやって本来上下関係が生まれるべきではない部分に上下関係が生まれてしまうと、やっぱり最後には不都合が起こってしまう。
もしかしたら、そういうつもりでつぶやかれた一言ではなかったのかもしれない。けれども、すくなくともわたしにはそう捉えられてしまったのも、また事実だ。
人のふり見て我がふり直す。
正解や不正解は人によってそれぞれだけれども、わたしは、わたしと一緒に仕事をしてくれる人には、「一緒に仕事をしていて楽しいな」と思ってもらえるようになりたいな、と感じた。