見出し画像

世界はおいしいであふれてる

これまでに旅をした国は35か国。
いくつの都市を旅したかは分からないけど、きっと150はゆうに超えているような気がする。
国ごとに、都市ごとに美味しい食べ物、”名物”と呼ばれる食べ物があって、どれも美味しい物ばかりだった。 

好きなときに好きな場所に旅に行けていた少し前とか違って、世界が少し変わってしまって好きなときに好きな場所に行くのが少し難しくなってしまった。

あの時に食べたあの味をもう一度食べたいな。
食べることが好きな私はよくそんなことを思うのだが、たくさんある世界の美味しいもののなかでも、今一番食べたいのはドイツで食べた「ライベクーヘン」だ。

 

ドイツには大学時代に留学していた。もう5年も前だ。
実は「ドイツが好きで好きで留学に行った」わけでも、「ドイツ語を専攻していたからドイツを選んだ」わけではない。なんなら、ドイツ留学を決めてからドイツ語を勉強し始めた。

そんなたまたまのご縁で1年間住んだドイツにはたくさんの思い出がある。

友達と近くの街に出かけたり、
一緒にご飯を作ったり、
ドイツ語を教わって日本語を教えたり…。

当時よく聞いていた曲を聞くと、今でも留学していたあの頃にタイムスリップしたかのように、いろいろな記憶が鮮明によみがえってくる。

 

そんな思い出の一つにクリスマスマーケットがある。

クリスマスマーケットはドイツが発祥と言われ、ドイツ国内あらゆる場所でマーケットがひらかれる。
木でできたお店にはクリスマスにちなんだお菓子が並べられ、クリスマスの装飾品やランプ、キッチン用品なんかの雑貨のお店もたくさん出ている。
マーケットの近くに来ると、Glühwein(ホットワイン)のスパイスの香りや、Mandeln(ナッツに砂糖で味を付け、バニラやシナモンで香り付けしたお菓子)の甘い香りが鼻をかすめる。

電飾や、どこからともなく運ばれてきた移動式の観覧車やメリーゴーランドの光がきらきらと光る様子は、まるでクリスマス時期のわくわくがそこにすべてつまっているかのようだった。

 

ライベクーヘンはそんなクリスマスマーケットで食べられる。
ジャガイモをペースト状にすったものを厚めにしいた油で揚げ焼きにするシンプルな料理。ドイツ人はApfelmus(アプフェルムス)と呼ばれるリンゴのジャムにつけて食べていた。

まるでカロリー爆弾のような料理だけれども、クリスマスマーケットで食べると、それだけで特別な味に感じられる気がしていた。

 

ドイツにはジャガイモ料理がたくさんある。
ジャガイモを丸めたKnödel(クヌーデル)
ジャガイモのポタージュであるKartoffelsuppe(カルトッフェルンズッペ)
いわゆるポテトフライを指すPmmes(ポメス)
ジャガイモを薄く切ってスパイスで炒めた、日本で「ジャーマンポテト」と言われているものなどなど…。

ドイツ=ジャガイモのイメージを持つ人も多いように、ドイツにはジャガイモを付け合わせとして食べることが比較的多い。
それでも、実は毎日ジャガイモを食べているわけではない。
福岡出身のわたしで例えると、ラーメンは好きだけど毎日ラーメンは食べない。みたいなものだ。(伝われ)

 

ヨーロッパにはイタリア、フランス、スペインといった「美食の国」と言われる国がたくさんある中で、ドイツ料理は少し陰になりがちだ。
だけれどおm、1年間ドイツに住んでいたわたしに言わせてみれば、ドイツには美味しいものがたくさんある。

なかなか現地に行って美味しいものが食べたれない今、おうちで世界の味を楽しむ人も増えてきている。
それでもわたしは、やっぱり現地で食べるその地の美味しいものには、おうちで作ったものは敵わない気がしている。

早く前みたいに国境を気軽にまたぐことのできる日が訪れますように。

留学以降足を踏み入れられていない遠いドイツの地に想いをはせながら、豚骨ラーメンを食べる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?