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いつだって旅がしたい

今行きたい国はどこ?

旅に気軽に出られなくなってしまった今、そんな質問をよく受ける。
実はこの質問にぴったりの答えを持ってない。いや、厳密に言うと行きたい国がたくさんあってどれか一つを選べない。

本当は3月にジョージアに移住するつもりだっただけにジョージアにも行きたいし、留学以来一度も行けていないドイツにも行きたい。この前までいたタイで思いっきりタイ料理を食べたいし、絶景を探しに目的地を持たない旅をしてもいい。

 

「これまで訪れた国の中でどこか一番好き?」

この質問と同じぐらい、今行きたい場所は私にとって一つではない。

それでも、どうしても一つ選んでよ、と言われたら、お金も気にせずどこにでも行けると白田どこに行く、と聞かれたら、絶対にどこかを選ばなければならないとしたら、きっとわたしは「世界一周」を選ぶ。

まるで「もしも願いが一つ叶うなら」の質問に「願いを100個叶えて」ってお願いするような、チートのような回答だけれども、やっぱりこれがしっくりとくる。

行きたい国も、食べたいものも、見たい絶景も、会いたい人も、世界にはわたしに旅をさせてくれる理由がこんなにたくさんある。そして、ご飯を食べたい国、絶景を見たい国、誰かに会いたい国、それもまた全部違っている。そんな土俵が違う素敵な旅先たちに「一番」を付けるのは難しい。

かといって情勢が落ち着いたら世界一周に行くかというとそうでもない。
とりあえずはジョージアに移住するつもりだ。もしかしたら落ち着くころにはまた別のことがしたくなってしまっている可能性もある。

それでも、そのとき心動く場所へ、自分が行きたいと直感的に思う場所へ。フットワーク軽く、行動していきたい。

 

そうだ、ひとつだけ。
もし私がどこへでも行っていいよと言われたら、ここへ出かけるだろうなという場所がある。大学と社会人の合計6年間を過ごした鹿児島だ。

懐かしい人に会って、美味しいご飯を食べて、自然を胸いっぱいに吸い込んで。

あの場所は今足りないものをきっと補ってくれる。

 

「元に戻るのはいつになるだろうか」
ここ数か月何度も口にしたその言葉を言うのはそろそろやめにする。

今この場でわたしができることを。
今だからこそできることを。
ひとつひとつ、地道に。

そうやって、自由に旅ができる日が来るのを、冬を越すふきのとうみたく待ってみることにする。

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