Wired.jp からの記事「人間はハックされる動物である」のユヴァル・ノア・ハラリの言葉

Wired.jp からの記事「人間はハックされる動物である」より:


「いまわれわれは、テクノロジーの危機だけでなく哲学の危機にも瀕しているように感じます。選挙によるリベラルな民主主義や自由市場などから成り立つわたしたちの社会は、18世紀の哲学思想を基盤に築かれたものです。これは21世紀の科学的知見とは折り合わないだけでなく、そもそもわたしたちがいま手にしているテクノロジーとも相容れないものです。

われわれの社会は、「物事をいちばん理解しているのは有権者である」「顧客は正しい」「オーソリティは人間の気持ちの味方である」といった考えを基盤としていますよね。しかし、これは人の感情や選択は何者にも侵されない聖域であることが前提になっています。つまり究極的に言えば、自分の選択や欲望は自分の意志を反映したものであり、誰もそこにはアクセスできないという考え方です。しかし、これが真実だったことは一度もありません。

19世紀や20世紀には、この神話を信じ込んだからといって高い代償を払わされることはありませんでした。代償を払わせるテクノロジーがなかったからです。でも現在は、一部の人間や、企業や政府が、人類をハックするためのテクノロジーを手にしています。おそらく、21世紀を生きるにあたって知っておくべき最も重要な事実は、わたしたちがいまや「ハック可能な動物」だということです。」


ー ユヴァル・ノア・ハラリ|YUVAL NOAH HARARI の言葉- 歴史学者。世界的ベストセラー『サピエンス全史:文明の構造と人類の幸福』『ホモ・デウス:テクノロジーとサピエンスの未来』の著者。


https://wired.jp/special/2019/ai-yuval-noah-harari-tristan-harris/

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