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新婚で癌発覚?精巣がん発覚について
私は今まで大きな病気もなく、大きな怪我もなく過ごして来た30代男性です。
家族や親戚にも癌になった人もおらず青天の霹靂とはまさにこのことです。
気付いたきっかけ
今思い返せばおかしいかもと思う瞬間はありました。それお風呂で睾丸を触ったときに片方だけ硬いと思ったことです。今思えばそのときにすぐ症状を調べるなり病院に行くなりすべきだったのですが、何故かその時は何もしませんでした。
そこから明らかに違和感を感じるようになったのはディズニーランドのときでした。
パレードを見るために地面に座ろうとすると、睾丸がはみ出ている感触を覚えました。今まではそのような感触を感じたことがなかったのでなにかおかしいぞと思いました。
そしてその日の夜、お風呂に入っているときに睾丸を確認すると左右で大きさが違うことに気づきました。
その時も大きな病気になっているという印象はなく、
「なんか腫れてるかも??」
というレベルでした。
ディズニーから帰ってきて本当に数日してから明らかに睾丸のサイズがおかしい
検索すると炎症や癌といった言葉が目に入りました
正直癌家計ではないので妻にも、もしかしたら精巣がんかもしれないと言った記憶があります。それはまさかありえないよねーのテンションでした。
さすがにあまりにも左右の睾丸の大きさが違うので、その日の週の日曜日に泌尿科に行きました。
日曜日なんて田舎だと病院空いてないんですよね。でも奇跡的に1件空いていて、そこに行きました。
土曜日じゃなくて日曜日に行ったのは、土曜日は友達の家に行って遊んでいたから。それぐらい余裕ぶってたということですね
日曜日に病院に行き、診察が始まります。
先生「痛みありますかー?」
私「全然痛くなくて〜〜べらべらべら」
このときは痛みが無いということは大丈夫だと思っていたので何か腫れているだけだろうと思っていました。
しかし
先生「緊急で大きな病院に行ってください」
私「え?」
先生「本日は日曜日で空いてないので月曜日の朝、無理やりねじ込むので絶対に行ってください」
私「わかりました」
その時からの記憶があまりなく、電車を待っている間、妻に
「大きな病院に行ってください」って言われたとメッセージを送りました
妻は医療従事者なので、
「ひどい結果にならないようにとりあえず検査したいんだろうね」
と言ってくれました。今思えばこれは妻の優しさだったんだろうなと
私も能天気なので
「そういうもんなんだーー」
とドキドキ反面、少し安心した気持ちでした
翌日
朝一から病院に行きました
血液検査だとエコーだの取って診察がようやく始まりました
主治医「結婚はしてます??」
私「あーしてます。去年とかにして新婚で〜」
主治医「お子さんは??」
私「まだなんですよね」
と正直世間話をしているのだと思いました。ここまで来ても。
そこで触診が終わり、主治医から正式に
「睾丸の腫瘍が疑われます。良性悪性とあるが、睾丸の場合殆どが悪性です」
正直私は誰の話をしているの?というふうに思いました。
それぐらい受け入れられなくて。
「え?癌家計ではないよ。私、新婚だよ?子どももこれからだよ」
そんなことが頭をぐるぐる
この癌は進行は早く、早めに手術をする必要があるとのことでした。
ここでも課題になるのは「急いで手術する必要もあるが、新婚で子どもも欲しい」
つまり精子保存が必要ということです。
精巣がんとは?
精巣がんは、男性の精巣(睾丸)に発生するがんで、特に15〜40歳の若年層に多く見られます。発症率は比較的低いものの、進行が早いタイプもあるため、早期発見・治療が重要です。
主な症状として、 精巣のしこりや腫れ、痛みのないしこり、精巣の重さを感じる などが挙げられます。原因ははっきりとは分かっていませんが、停留精巣の既往歴や家族歴がリスク因子とされています。
しかも私の場合、運が悪くこの段階では
リンパへの転移があり抗がん剤治療が必要。さらに片方の精巣が癌化しているだけではなく両方なっている確率が高い。
とのことでした。
抗がん剤治療する可能性があり、その治療をすると、精子が死滅する可能性が高い。なおかつ両方の精巣がだめになっているかもということで、精子保存できるタイミングが本当に短い
ということです。
簡単に言うとここのタイミングを逃すと、子どもがほしいのに出来ない
そういうことです
急いで地域連携課みたいな人達と話して今すぐに精子保存できるクリニックを探してもらいました。田舎なので数がなく、都会まで出て保存する必要があるとのことでした。
とにかくすごいスピード感で動いています。もう不妊系のクリニックも行くことも決まって、
でも私の気持ちとしては
「何が起きているの?」
まさにこれでした。とにかく言われるがまま都会の不妊系のクリニックに向かいました。その日はもう時間もかなり過ぎてて(地域連携課が不妊系のクリニックを1時とかで予約してくれたんだけど、どれだけ急いでも電車乗れるのが14時。時間全然守らない人みたいになってしまった。とにかく入れといたってことなんでしょうか)
で不妊のクリニックにつくともう凍結の時間が過ぎているので、カップを渡します。その中に精子を保存して明日持ってきてください
とのことでした。
クリニックにも私の病状は伝わってて、とにかく時間がないということは伝わってたみたい
この精子凍結というのは何時間前の精子を持っていって出来るものではなく
2時間?3時間以内というのがルールみたい。
なので朝一からカップに向けて、そういうことをするわけですよ。
悲しいとか辛いとか気持ちなんて一ミリもなくて、とにかく
「出るかな?大丈夫かな?」
という気持ちばかりした。
これは私の考えなので完全にいやいやありえないでしょとも思われるんだけど、
ここで出なくて精子凍結ができなかったら夫婦生活が終わりになってもおかしくない
と思ってました。妻は子どもがほしいと言うのを聞いていたので。
なので必死。
カップに精子をいれることが出来れば、クリニックに持っていきます。
そこで何本凍結出来たのかがわかります。
多い人だと1回の採取で数本とか取れるそうなのですが、私の場合睾丸の一つがもうだめになっているので採取できたのは1本だけでした。
精巣がんの関係で精子の量が少ないそうです。
ここのクリニックは10本まで精子の凍結出来ます。
つまり私の目標は10本になるわけ
今はまだ1本。
精巣がんの手術日は決まっている。
となれば私が出来ることは10本埋めること。それにしがみついていました。
もう妻に出来ることなんてないし私が今頑張れることってそれしかないわけなので、ある種現実逃避も相まってたと思います。
毎日1回のスピードで間に合わないので1日に何回も採取するわけですよ。
ただ、何回もすればたくさん取れるわけないので
2回やってようやく1本分とかもざらにあって。
妻からはしんどそうに見えたのでしょう、何度ももう今日はここまででいいよと言われました。
でも私としては、自分が出来ること採取しかないので頑張るよと
今思い返せば頑張っていたのかとにかく現実逃避したかったのか
それぐらい自分でも受け入れられない感じした。
そこからは仕事もお休みを頂いてとにかく精子保存をするという日常でした。
その期間妻はクリニックに一緒に行ってくれてました。
本当に感謝の気持ちしかないです。