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アメリカ滞在記〜2022年5月〜 Vol.2
『DIVIN』(ダイヴィン)は、国内外の様々な記事や読んだ本、面白いinstagramアカウントなど、生活している中で得た「誰かに教えたい情報」をお伝えするニュースレターです。
今回も前回に引き続き、2022年5月に訪れたアメリカでの思い出(レポート)をご紹介します。
自分のビジネス・商業柄、飲食店での滞在やデザインについての話が多いのですが、何かの参考になれば。
※前回のVol.1はコチラ。ニューヨーク編
さて、今回はテキサス・オースティンでの思い出について。
せっかくなので行ったことがない街に訪れたいなと思い、google mapを見ていると気になったのは、フロリダとシカゴ、そしてオースティン。
オースティンには、(後述する)あるホテルがあったこと、以前から興味を持っていた飲食店が複数あったことから、この都市に決める。
(シカゴにも近々行きたいです)
ここからは各飲食店やホテルなど、それぞれのレポートになってしまうため、まずは簡単にオースティンという街について。
オースティンについて
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オースティン自体はとても小さい街。
繁華街の規模感はオーストラリア・メルボルンのCBDほど。
(メルボルンに住んでたこともあり、この規模感の表現が個人的には分かりやすく・・)
メキシコからも近いためメキシコ系の人たちも多く、「TEX MEX」や「BBQ」のお店も多い。まさに、「テキサス」らしい雰囲気。
黒人の人々はNYに比べて少なく、白人が多かった印象。
※テキサス州は保守党が強いエリアである。
そのため、英語はNYに比べて多人種でないせいか、聞き取りやすく分かりやすかった。
(NYのほうがラテン系、アジア系、ヨーロッパ系がMIXされていて様々な英語を耳にする。)
交通手段はバスもあるが、Lyft、Uber、Lime(LOOPのような電動スクーター)で移動が便利。
Limeは実は高く、安くはない。節約というより、ササッと移動する手軽さ、便利さという感じ。
Limeは20分間で8ドル(1000円)ほど。
今回のオースティン滞在の目的の1つでもあったのは、アメリカ内でも有名なランニングショップ「LOOP RUNING COMPANY」への訪問。
LOOPはランニングショップであるものの、投稿1つ1つのクリエイティブがとても良く、どんなチームなんだろうと興味を持っていたチーム。
LOOPを含め、海外には本当にかっこいい(クリエイティブもやっていることも)チームが沢山。
今後、旅先で様々なチームに訪問するのも楽しみです。
毎週火曜と木曜日にグループランが18時からあり、ちょうど滞在期間に重なったため参加。
事前にInstagramのDMで連絡すると、「ウェルカムだよ!お店においで!」と優しく返事をくれた。
自分以外はみな知人や友人、顔見知りのメンバーだったが、「彼はなんと日本から来たんだよ!」と紹介してくれ、沢山の人と出会えた。
今回のグループランでは20名ほどが参加。
5kmのランニングをしながら、LOOPの代表や他の参加者たちとお喋り。
キロ4’45くらいのペースでずっと喋ってるので皆、走力は高い。笑
グループランが終わった後はお店の前でみんなでお喋り。
気づけば全員帰るまでお喋りをし、オースティンでのおすすめのお店や過ごし方を教えてもらった。
代表とも仲良くなり、ラン後はショップでお買い物。
日本では目にしない海外のブランドのランニングウェアを購入した。
ランニングという共通の趣味を通じて、全く新しいコミュニティや場所に入れる良さがあると改めて感じた。
自分の場合はスポーツだったり、食だったりするが、何か好きなことをやり続けることはコミュニケーションとしての武器になるな、と改めて実感。
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CARPENTER HOTEL(ホテル)
元々は1泊の予定だったが、予約直前に25%オフのセールを発見。別のホテルをキャンセルし、2泊した。
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ロビー、カフェ、廊下、レストラン・・などすべての場所でのグラフィックが1つ1つ手が混んでおり素晴らしい。
このホテルのクリエイティブを手掛けているのはLANDというチーム。
LANDはオースティン拠点のクリエイティブ・スタジオ兼クリエイティブ・コンサルティング会社。
クライアントには、NIKEやAppleのほか、ACE HOTELやSTUMPTOWN COFFEE, WARBY PARKERなど有名企業やD2Cブランドが名を連ねる。
そして、MADRE MEZCALやEASY TIGER、CALIDAD BEERといった個性的なブランド、飲食店たち。
それらは全て「LANDらしいデザイン」と一目で分かるものばかり。
LANDは以前ある記事でのインタビューで、こう語っている。
「私たちが作るタイポのほとんどは、手作業か、歴史的なタイポグラフィからインスピレーションを得ている。古い本や看板、から浮浪者の走り書きまで、手や機械によって作られたタイポは、現代的なデジタル・フォントよりも良い。カスタムメイドのものを作ったり、私たちが生まれる前から実在し、そして私たちが死んだ後も、ここにあるようなものを作る方が楽しい。」
LANDチームが手掛けるグラフィックは特徴的なフォントや、中世を感じさせるプリミティブなモチーフが見られる。
また配色もシンプルなようで目新しさを感じるものばかり。
そして、このホテル、CARPENTER HOTELもそんなLANDがクリエイティブを手掛けている。
1つ1つのサインのフォントにもこだわりが見られ、館内に足を踏み入れた瞬間に「LANDチームがやっている」ということを実感させられる。
部屋数は93室もあり、中々大きい。
エントランスの建物は以前、大工(Carpenter)の労働組合のホールだったもの。
レンガ作りの建物はどこか懐かしい、学校のような雰囲気さえある。
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Carpenter Hotelは、ACE HOTELのジャック・バロンが共同で設立したポートランドを拠点とする小さなホスピタリティ企業、マイティ・ユニオンの新しいプロジェクト。
※ジャック・バロンは2006年にACEに参加したオーナー
廊下の壁はテラコッタ、淡いブルーの扉が続く。
客室も同じデザイントーン。
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バス・トイレは濃い青のタイルが組まれており、リゾート感、メキシカンの雰
囲気のオースティンの雰囲気にも合っており、とても涼しげ。
(オースティンはとても暑く、夏は40℃近い。自分の滞在中も暑かったので、このテラコッタ、モルタルの床はひんやりとして気持ちよかった。)
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テラコッタはホテルの外壁にも使われており、キーマテリアルになっている。
部屋はキングベッドとデスクといったようにとてもミニマル。
各部屋には広いベランダがあり、椅子もあるため、夕方からのんびり過ごすこともできる。
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プールには、オリジナルの大判のバスタオルが置いてあり、自由に使える。
暑いオースティンにふさわしく、広いプール。
様々なイベントを行っているそうだ。
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そのタオルはロビーで売られており、デザイン性も相まって欲しくなった。
値段も50ドルととても安い。
購入可能なアイテムを滞在の中で使わせることで使用イメージが湧き、購入動機に繋がる。
部屋のバスローブも同じく。こちらもかなり欲しくなった。笑
キーホルダーからアパレル、タオルや文房具、そしてLANDがデザインを担当するD2Cブランドなどがセンスよく並べられている。
外壁にも「CARPENTER HOTEL」と入ったスチールのサインがあったり、手が込んでいる。
どこを見ても絵になる空間作りはすごい。
オースティンの街、雰囲気がそうさせるのか、そこに滞在する人も、働く人々もみんなChillで良い。
掃除のおばちゃんたちは鼻歌まじりで廊下を歩き、友達の家に遊びに来たかのようにフロントで出迎えを受ける。
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カフェ利用のみのビジターのお客さんも多い。
一日中仕事をしていたり、MTGをしている人たちも多かった。
コーヒーはもちろん、STUMPTOWN COFFEE。
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まさに「目的地になるホテル」だった場所。
高いデザイン性とクラフトマンシップに詰まって空間は宿泊していてワクワクが止まらない、遊び心に溢れた場所だった。
Garage(バー)
夜はパーキングの中に作られたバーへ。
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オフィス街にあるパーキングの建物の入口に「ENTRANCE」と「EXIT」という言葉が書かれている。
その並びで「COCKTAILS」とサインが。それがこのバーの入口。
このお店は、たまたまgoogle mapで調べていて見つけたお店。
詳しく調べていくと、上記のような作りや雰囲気に興味を持ち、来店することに。
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※LOOPで出会った人に「昨日Garage行ったよ〜」と話したところ、とても良い店だと言っていた。
オースティンでは、バーとしてかなり人気店とのこと。
入店すると意外と広く、40席以上ある。
元々パーキングということもあり、天井も高い。カウンターが円状になっておりどの席に座ってもバーテンダーをよく見れるハズレが無い席。
バーテンダーがサービス、メイクまで様々な席を見れるのもこの円形カウンターの特長だった。
そして何と言っても特徴的なのはこの建物の構造自体。
カウンター内に(どかすことができない)柱がある。
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オペレーション的には当たり前に邪魔。
この柱を逃げたレイアウトにすることもできるし、壁を作って隠すこともできる。
バックヤードの中に入れ込んでしまっても良いかもしれない。
しかし、この「パーキングらしい」柱がカウンター内にあることで強いアイコンとなっている。
建築上、移動できないもの(柱や壁)を敢えて活かす。
(この柱が移動できないかは不明)
一見邪魔な場所に敢えて置くことで、「その場所らしさ」「その物件らしさ」が出る唯一無二のアイコンとなっていた。
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カクテルは15ドルから。
オリジナルカクテルの種類が多く、バーテンダーと話ながらお好みのものを選び、メイクしてもらう。
2日連続で通ったが、初日はカクテルメニューからオススメを。
2日目はウイスキーサワーなど、メニューにないものを注文した。
2日ともほぼ満席。
自分のような1名客から、グループ客までおり、終始賑わっていた。
薄い緑色のタイルが店内、店外に使われており、コンクリのグレーが多い空間のアクセントに。
キャンドルが各卓にあり、優しい光で包まれていた。
2日通うとバーテンダーとも仲良くなり、最終夜には「ちょっと待って!」と言われ、スタッフが着ているTシャツを特別にプレゼントしてくれた。
外観とのギャップ、スタッフのホスピタリティで大好きになった場所。
Kinda Tropical(メキシカン料理)
こちらもLANDチームがデザイン、ブランディングを手掛ける飲食店。
店内のつくり自体はとてもシンプル。
だが、店内や店外で壁画が所狭しとあったり、何より元ガソリンスタンドの建物を生かした物件が目を引く。
ランチタイムに訪問。平日にも関わらず、とても混んでいた。
ダウンタウンからはバスで15分ほど。
かなり遠いので車の人が多く、平日の昼間なのに屋外の席でみんなビールを飲んでいた。
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店内、天外の壁画のデザインもLANDによるもの。
壁画や、緑のチェックの壁などフォトジェニックの場所も多いためか、IGでのUGCも多い。
Lolo(ワインバー)
中心地から少しいった場所にあるワインショップ兼ワインバー。
こちらはLOOPで出会ったカップルに教えてもらい、訪問。
ナチュラルワインが棚に多く並び、その場で購入もできる。
オースティンでは、中々ここまでナチュラルワインがあるワインバーは無かったので珍しいかと。
説明POPなどは無く、ボトルにペンで金額が書かれており、購入の場合はボトルをカウンターに持っていくシステム。
カウンターにあるQRコードからメニューを読み込み、注文。
ワインとおつまみを頼み、過ごした。
最後にせっかくだからとワインを一本購入。
(Limeで帰っていたら段差で紙袋が吹っ飛び、ボトルは粉々に。思わず、オースティンの町中で叫びました。)
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カウンター腰壁は隆起した立体的な構造が特徴的。
ソファ席も、ブルックリンで行ったWinona’sのように、木のソファ席。
全体的にクリーンな印象で、居心地も良く、人気であることを納得した。
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グラスにはLoloのロゴが。
シンプルだが、やはり写真を撮りたくなるし、とても良い。
注いでもらうときにグラスをかなり見ながら注いでいたので、恐らくロゴの位置で提供量を測っている。
時短になるし、オペレーションも簡単なのでとても効率的。
(これはその後、自分のお店で実践しました。笑)
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以上、オースティン編でした!
今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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edited by Ayumu Kurashima
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