ファンは酷評?「ジュラシック・ワールド/炎の王国」を考察
今年7月に公開された「ジュラシック・ワールド/炎の王国」のブルーレイ&DVDが、12月5日より発売されます。本作はジュラシックシリーズ5部作目として注目を浴び、2018年の日本洋画興収第1位に輝いた超大作です。
そういえば、映画公開時にこんな記事を書いていました(どんだけ私ジュラシックシリーズ好きなんだ)
あらすじは下記です。
あの大惨事から3年―― 大人気テーマパーク「ジュラシック・ワールド」は放棄され、恐竜たちは大自然で自由に生活を始めていた。しかし、島で火山噴火の予兆がとらえられていた。迫り来る危機的状況の中、恐竜たちの生死を自然にゆだねるか、命を懸け救い出すか。人間を救うためではなく、恐竜のための選択を迫られる。(公式サイトより)
予告を見て、「前作でくっついたオーウェンとクレアはやっぱり破局してたな」というのが最初の感想。だって恐竜に襲われるって最大の吊り橋効果ですもんね。
さて、予告映像とビジュアルポスターの時点でだいぶ期待値があがっていた本作でしたが、結果的に賛否が非常に大きく分かれた映画だと思います。
ほかのレビューを見ていても、大絶賛の声が多い一方、「なかったことにしてくれ」なんて悲痛な叫びもありました。特に、ジュラシックシリーズのファンは私を含め酷評している人が多い印象です。
映画館で、しかも4DXで見た私の感想は「ジュラシックシリーズ、変わっちまったな……」でした(笑) 正直言ってショックでした。ただ、それぐらい本作は新しい取り組みをおこなっていて、テーマの方向性も変えているということだと思います。
そもそも、ジュラシックシリーズのファンが求めているものって、「恐竜に対するロマン」だと思うんですよね(異論は認めます)現に私もシリーズを通して好きなシーンは圧倒的に、登場人物たちが「恐竜にはじめて会うシーン」です。
ジュラシック・パークでのグラント博士、エリー、サラにしかり、ジュラシック・ワールド1部作目だったらザック、グレイ、その他の来場客しかり、最初の感情は「あの恐竜が目の前にいる!動いている!アメージング!!」なわけですよ。恐竜を愛しているからこその反応であり、その興奮とワクワク感を映画を見ているこちら側も共有するわけです。
つまるところ、みんな恐竜が大好き!
しかし、本作はとにかく愛がない……。ジュラシック・ワールド自体が恐竜を蘇らせることが当たり前になっている時代という設定だから仕方ないかもしれませんが……にしても登場人物みんな恐竜に対して血も涙もなさすぎですよ。オーウェンに関しても結局は同じで、最後のシーンを見て愕然としました。
でも、だからこそ人間の非道さが際立っているようにも思えます。全作通して、金儲けのために恐竜を利用する輩がいることは共通していますが、本作は人間の傲慢さがかなり目立ちました。登場人物のほぼ全員に苛立ちを覚えるくらい、「人間様」描写が強すぎて、恐竜にめちゃくちゃ同情しましたよ。泣きましたよ。
思うに本作は、原作である「ジュラシックパーク」「ジュラシックパーク2/ロストワールド」に立ち返り、「遺伝子研究に関する問題提起」という強いメッセージを改めて投げかけているのではないかと思います。
原作者であるマイケル・クライトンは、その先に人間という種の進化と絶滅について持論を展開しています。原作「ジュラシックパーク2/ロストワールド」の下巻にて、マルコム博士の話す内容が、本作のラストにつながっているようでなりません。
「つぎの絶滅では――ヒトがその原因になるかもしれないという気がする(中略)ヒトはあまりにも効率よく万物を破壊していく。だから、ときどき思うんだ、それこそヒトの役割なんじゃないかと。」
私は映画を見た直後は確かに酷評していましたが、時間が立ち冷静に考えて、原作者のメッセージを色濃く反映した本作は、これはこれでありなのではないかと思うようになりました。ただ、今までのジュラシックシリーズとは別物として見たほうが心は穏やかです。
お話の展開にはツッコミどころありまくりですが、そこはパニック映画なので大目に見たほうがよさそうです。
あと、お子様と一緒に見る方は、お気をつけください。本作でメガホンをとったJ・A・バヨナ監督がサスペンス描写に定評がある方のようで、後半のお屋敷での攻防戦は軽くホラー映画でした。映画館で見て本当に怖かった・・・。
つまるところ私の結論は、
赤ん坊のブルー(ヴェロキラプトル)が超絶かわいいから見て!!!
(今までの考察どこいった・・・)
編集:円(えん)
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