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本当のファンって何ですかね?

【悲報】推しの熱愛が発覚しました。

いつだってそう。オタクの心を良くも悪くもざわつかせるのは推しの熱愛報道だ。

そんなアイドルの熱愛が明るみに出ると、SNS上でしばしば論争が勃発する。それはアイドルの熱愛を応援するか、できないか論争である。

別に誰がどう思おうと感じようと気にしなければいいのだが、近年この論争を見てるとふつふつ違和感が生じるようになった。

今回の日刊かきあつめのテーマは「素朴な疑問」である。この機会に自分の考えを改めて整理しておきたい。


友人を追い詰めた私の一言

もう5年も前の話である。私は当時、特殊能力の設定をつけられデビューした某大手事務所のグループを追っていた。

同時期にいくつものグループを掛け持つ傾向は昔からあったものの、SUPER JUNIOR以外には深くハマらない私がのめり込んだのには理由があった。

そう、じつは友人も同時期ぐらいにそのグループにハマり、2人で楽しくオタ活をしていたからだ。

新しい曲が出ればMVの感想を言い合ったり、新大久保でグッズを買い漁ったり。ライブでは、私が作ったオリジナルのタトゥーシールを顔とかにくっつけて参戦した。

控えめに言ってめっちゃ楽しかったし、あまり趣味友がいなかった自分にとっては本当にかけがえのない時間だった。


そんな素敵な関係が何年か続いたのち、突如発覚したのが推しの熱愛だ。

不幸なことにそれは友達が推しているアイドル。彼自身初の熱愛発覚であり、相手は同じ事務所の後輩アイドルだった。


当時、グループはかなり右肩上がりだった(ように思う)ので、事務所的にもこの報道はかなり痛手だったに違いない。

というかこの事務所、熱愛報道が出るとあまり否定せず認めてしまう傾向がある。ファンのHPを削ってくる愚行は本当に解せない。


ちなみに自分の推しではなかったので、私はかなり遠巻きにその報道を見ていた。

今の自分からするともう少し気を遣えよと言いたくなるのだが、昔から基本的に推しの恋愛容認派だった私は、その熱愛スクープの記事をけっこう軽い気持ちで友達にラインで知らせたのだ。

当時の私は未熟だったので、友達からはいつも通り草を生え散らかしたメッセージが返ってくるはずだとわくわくして待っていたのだが、返信内容はどう見ても落ち込んでいた。


次の日に直接会って話したとき、友人の口からはものすごい量の愚痴が止まらず…。そこで初めて友人がこの熱愛報道にけっこうな打撃を受けていたことに気づいたのだ。


その愚痴の矛先は気づくと後輩アイドルに向かっていく始末。私は後輩アイドルのグループも割と好きだったこともあり、「まぁ、いいじゃん。けっこうお似合いだし〜」と最終的に相手の子を庇うようなことを言ったのだ。

たぶん、「推しの熱愛くらいいいじゃん」という私の本音も透けて見えたに違いない。

友人はその日、推しの写真をそのままゴミ箱に捨てた。

熱愛に対する考えはファンそれぞれ

とまぁ、友人と縁が切れたのではないかというぐらい深刻な感じで書いたが、じつはあの時の話は今でこそ笑い話である。

友人もいっときはペン卒(ファン卒業の意)しかけたけど、あのあと1〜2年くらいはそのグループを一緒に追いかけたし、むしろその後は別のグループに乗り換え(?)ている。

ちなみに熱愛報道の彼は、数年後またもや別の熱愛が発覚。1回目の相手と、そっくりな子とまた熱愛していたので「こいつ、女のタイプがブレないなw」と話題になったくらいである。


ただ、私はあの時の自分の行動をここ最近よく考えるようになった。その後も多くのアイドルの熱愛が発覚するなか、いろいろなオタクの考えをSNS上で見るようになり気づいたことがあったからだ。

私は熱愛容認派も熱愛否認派もどちらも否定するつもりはないが、たぶん違和感の正体は「推しの幸せを願うなら、推しの熱愛を応援するのが本当のファン」という意見だ。

いや、この意見自体に特にコメントはないのだが、本当のファンって何? いいファンってなんなのだろうか?

私は"本当のファン"なんてオタクの幻想にすぎないんじゃないかとも思う。

そのアイドルがいいファンの基準を公言しているなら話は別だけど、理想のファン像っていうのはそれぞれのオタクのなかにあるものであって強制するべきではないように思うからだ。

「推しの幸せが一番」は素晴らしい考えだし、ぜひ見習いたいところだが、それはあくまで己のスタンスであって、マナーではない

みんないろんな思いで推しを応援しているのだから、熱愛発覚して落ち込む人もそりゃいるわけさ。ファン全員が自分の恋愛を応援してくれたら本人にとっても面倒臭くないだろうけど、みんながみんなそう割り切れるわけではないのだ。


確かに熱愛発覚に怒り狂いアイドル本人に何かひどいことをするってのはもう論外だけど、推しの熱愛を嘆くくらいいいじゃないか。悲しんでいる人に鞭を打つ行為は本当だったらやめてあげるべきなんだと思う。

そう、昔の私のように自分のスタンスを相手に押し付けてはいけないのだと5年経ってやっと気づいたわけだ。

あの時は寄り添えなくて本当に悪いことをしたな。


ただ今後、自分の推しに熱愛が発覚したら、同じように自分は冷静でいられるだろうか。

たぶん恋愛容認派などと一歩引いた目線でいられるのも、まだ自分の推しの熱愛が発覚していないからだ。

うまく隠してくれている推したちに大いに感謝しつつ、これからも全身全霊をかけて応援していくことを改めて誓った私である。

編集:アカ ヨシロウ

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