もう自分という人間を諦めるしかない

駆け出しのライターとして出会ったメンバーたちが、毎回特定のテーマに沿って好きなように書いていく「日刊かきあつめ」です。

今回のテーマは「#やめたい瞬間」です。

まただ。まーたやっちまった。茶色く汚れたカーペットを見てげんなりする。自分の服の袖に鍋の取っ手が引っかかり、カレーをこぼしてしまったのだ。全部こぼれたわけではないけれど、壁にまで飛んだカレーを見て心底うんざりする。これ、今から掃除すんの? やっと夕飯食べれると思ったのに? 自分にイラつくし、情けなくなる。

私はときどき「お前、嘘だろ…」って失敗をやらかしてしまう。ドジなどというかわいらしいものではない。とにかく鈍臭く、間抜けなのである。

その失敗はだいたい不注意、確認不足、勘違いが原因で起こる。新年に実家に帰った際には、自分がタッパーに移し替えたくせにくし切りにした玉ねぎがないと大騒ぎし、見つかるまで半日を要した。タッパーに入ったくし切りの玉ねぎは普通に冷蔵庫の中にあり、私がなぜかそれをカットされたリンゴだと勘違いしていたというオチだ(ただの言い訳だが、タッパーが半透明でよく見えなかった)。ありえない。ていうか私の脳みそ、大丈夫か?

メガネ、携帯などモノをどこに置いたかわからなくなることもしばしば。無意識であちこちに置いてしまうのだ。棚に入っているものを取り出そうとして近くにあった爪楊枝の束を盛大にばら撒いたり、ラップを買うはずがアルミホイルを買ったり。もう、うんざりする。その度に自分にイラつき、失望し、自分という人間を辞めたくなるのだ。

毎度自分に対して悪態をつくのも虚しいので、自分なりに対策を立てて実行はしている。例えばモノを置く場所やしまう場所をあらかじめ決めることで、モノを紛失することはほぼなくなった。買い物はメモを準備。出かけるときは忘れ物しないように事前にリストを作るとか。これである程度のことは防げる。

ただ、気が抜けたときや疲れているときには、やっぱりなんかやらかす。仕事では気が張っているせいか、ほとんど失敗をおかさない(全くないとは言っていない)のに、仕事終わりはてんでダメだ。油断したときに手を滑らせて何かこぼしたり、グラスを割ったりしてしまう。ということはずっと気を張ってろってことか? 無理じゃない?

はー、私もしっかりした器用な女になりたい。旦那はそんな私を「おっちょこちょい」「不器用」と言って笑ってくれるからまだありがたいけど…。大した解決策が見つからないまま、また今日もプチ失敗をやらかす。お風呂掃除用の洗剤がなくなったから詰め替え用をわざわざ買いに行ったのに、帰って棚を開けたらストックがあったんだけど。買い物メモを持ちながら呆然。そう、だから言ったでしょ? 確認不足が原因だって。

執筆:otaki
編集:べみん

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