1,000ピースのコミュニケーション

駆け出しのライターとして出会ったメンバーたちが、毎回特定のテーマに沿って好きなように書いていく「日刊かきあつめ」です。

日刊かきあつめの投稿数1,000記事目前を祝して、今回のテーマは「#1,000」です。

小さい頃からジグソーパズルが大好きだった。ピースの形と絵柄のつながりを見て、「ここだ!」という場所にはめ込む。あのパチッと決まった時の感覚がたまらない。幼少期から我が家にはパズルが豊富だったのもあり、私は108ピースから始めて、300ピース、500ピース、700ピース、1,000ピース、2,000ピースと徐々にチャレンジするピースの数を増やしていった。

ディズニーのパズルが特に大好きで、空飛ぶミッキーの背景が全部青色だったり、キャラクターがうんと小さくて後ろは風景だけだったり、とにかく複雑で難易度が高めなパズルを好んでよくやっていた。1,000ピース以上ともなるとさすがに一日では完成できないので、何日も何日もかけて挑む。だからこそ完成した時の達成感はひとしおだった。その達成感を何度も味わいたくて、私は飽きもせずにパズルを作っては壊し、作っては壊してひたすらやり続けてきた。

東京に来てパズルをする機会がめっきり減っていた私だったが、先月ヨドバシのカードのポイントを使うべく、久しぶりにパズルを買うことにした。とりあえず1,000ピース。前日に金曜ロードショーで「塔の上のラプンツェル」をやってたから、一番好きなランタンを飛ばすシーンを選んだ。

まずは枠を作って、それから中身のピースをはめていく。ポチポチ作業をしていると、夫も参戦してきた。ぜひぜひ、ウェルカムです。一緒に作業していると夫と私でタイプが違うのがわかって面白い。私はピースの形と色を見ながらとにかくアタリをつけて手当たり次第試していくタイプ。一方、夫は見本の絵をじっと見つめてここの場所だとわかるまでなかなかピースをはめにいかない。私的にはじれったいんだけど、「あぁそうだ、私は夫のこういう慎重なところを信用して好きになったんだ」と新たな発見をしてみたりするのだった。

少しずつパズルが完成に近づいていく

そういえば実家でパズルをしてる時も、それぞれの性格が出ていたなと思い出す。母は色でピースを細かく分けて、意外と几帳面に作業するタイプだった。でも絵柄がはっきりしていて簡単にできる箇所はいち早く手を出すもんだから、キャラクター部分のピースを狙っていた姉が「やろうと思ってたところ取られた〜」と拗ねてたっけ。父はじっくりパズル全体を見て、ここぞというところを静かにパチッと入れていくタイプ。

私がパズルをしているとみんなが次々に参加してくるのが不思議だった。「ここが進まないんだよね〜」とか「この部分、完成したんだ」とか、自然に会話が生まれるのが心地よい。私はパズルももちろん好きだけど、もしかしてパズルをすることで生まれるコミュニケーション自体をかけがえなく思っていたのかな。

パズルを作る時間は私たち夫婦にとっても良いコミュニケーションの時間になりつつある。最近の夫は、仕事から帰ってきてひと段落したあと必ずパズル作りに参加する。この時間が愛おしくて、私はなんだか嬉しいのだ。

無事に完成!

6日間ほど経って1,000ピースのパズルは見事に完成した。今は2,000ピースのパズルに挑戦中。絵柄は「美女と野獣」だ。ピースが増えて難易度が高まった分、苦戦しているけれど、パズルと睨めっこしている私のもとに、コーヒーを淹れてくれた夫が2つのカップを持ってやってくる姿を見ると、嬉しさが込み上げて「ふふっ」と笑ってしまう。しばらくはこんなルーティンもいいかもね。

執筆:otaki
編集:真央

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otaki
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