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落車による大腿骨頸部骨折 治療日記1

はじめに

ロードバイク乗車中の落車事故(ソロライドの単独事故)により大腿骨頸部骨折という大変なことになってしまいました。入院中に読んだ似た境遇の方のブログがとても参考になったのと、あと暇なので(大体コレ)…骨折から治療、リハビリに関して簡素なテキストになると思いますが書いておこうと思います。つまり、ただの日記です。

怪我を負った時の私は42歳、後厄の年末。
妻と2人の息子(高校生と中学生)がおり、小さいながら会社を経営する経営者です。
年間約850時間、25000km(バーチャル含む)ほど自転車に乗り、20分走から導くコーガン式FTPはおよそ4.7倍程度。大会上位は争えないがまぁまぁ頑張ってるぐらいの有象無象の自転車乗りです。
気分転換にランニングもしておりこちらはハーフで100分を切る程度。

いつものように週末のライドへ

12月21日。季節もすっかり冬となり日が昇るのも遅くなっています。寒いのもありますが、凍結の危険などもあるので冬は太陽が昇ってから出発します。
この日は近所の山を走ってその足で自転車屋に行く予定だったので出発は遅めの9時半頃。15分は掛からない程度のヒルクライムでトレーニング刺激を入れてから山を下り始めました。
時間は11時を回っていましたが、山の上で気温も低く木々の影になっている部分は凍結が残る危険もあると考えて路面を注視しつつでした。

悲劇は突然に、そして一瞬に

走り慣れた道でしたが、左カーブで突然両輪がグリップを失い外側へ滑り出します。そのままグリップを取り戻すことなく身体がアスファルトに叩きつけられ、ザザッと自転車と地面が擦れるような嫌な音が耳に残る。
幸い車通りもなく単独の事故ですが、軽いパニックでした。が、とにかく体もバイクも道路脇に退避しなければ危険だ。強く打ったせいか体がうまく動かないがなんとか無理矢理バイクを運んで倒れ込むように土手に寝転がった。

とにかく痛みが引くまで静かにしてようと思った。
路面が一部凍結してたのか?  そういえばタイヤを換えたばかりだから皮むきできておらずグリップが弱かったのか? そんなにスピード出ていたか? バイク倒してたか?など頭の中はぐるぐる。
バイクは左ブラケットがガリガリになって取付が歪んでる他、サドルとリアエンドが少し削れてるようには見えたが詳しく見てる余裕はなかった。事故のエネルギーはバイクより自分の負担割合が大きそうだ。

しかし待ってもどうもマトモに動けない。どうやって道路脇まで来たのかも謎なぐらい。ここで諦めて妻と実家の母に連絡。妻はペーパードライバーなので母に救助要請した。近所での事故なのは幸いだった。

スタンプで全てを済ませる妻

救急外来へ飛び入りエントリー

母に車で拾ってもらったものの、車に乗り込むことすら困難な状況。明らかに普通ではない、ということで近くの病院に対応してほしいと電話連絡。
もちろん歩けないので車椅子で入り口まで迎えに来てもらい、早速レントゲンへ運ばれる。この時点では痛いながらも足は動いてたので折れているとは思わなかったが…
もう医師はパッと見て、「あー、股関節の大きな骨が折れてズレてしまってます」とのこと。人生初めての骨折です。

あとはされるがままの我が身

もうここから私は寝転がってるだけのポンコツです。
手術が必要だがこの病院では出来ないから移送先を探してスタッフさんがバタバタ。決まったら介護タクシー?的なのに乗せられて商品よろしく移送。
移送先でも似たような説明を聞くが、今は土曜日で先生がいないから手術は月曜以降になるとのこと。なるほど、それはつらい。

完全に寝たきり。このままではトイレにも行けないということで、尿道に管を突っ込まれる。グリグリグリグリ…しかしうまく入らず3人に代わる代わるグリグリされて痛いわ気持ち悪いわ情けないわでもはやお婿にいけない(⁠´⁠;⁠ω⁠;⁠`⁠)
まともに寝返りもできず、尿は管から出して、オムツを装着。42歳にして新生児クラスへ入門です。

手術日程と方針が決まるまで後は待つのみ

なんとか病室に辿り着き(本人は寝転がってただけだが)あとは果報を寝て待つだけ。しかしそれすら前途多難。
病院のフロアは私とはまた別の意味で新生児クラスへ入門してる高齢者だらけ。謎の呻きや痛いー、助けてーなど叫ぶ者、壊れたCDのようにコレは消化に悪い!を延々繰り返す者、虚空に怒鳴り続ける者。自分で痰が出せない人が結構いて機械でそれを吸い出してるのだが毎回殺されるーぐらいの勢いで騒いで暴れてるからもうカオス。朝も夜もなく、恐ろしい生き物が跋扈するサファリパーク。
もしかしたら事故した時に異世界転生したかもしれない。それぐらい今まで住んでた世界とは懸け離れた空間。聞けば85歳以上がほとんどで自分のようなピチピチのヤングマン(42)は珍しいとのこと。

加えて股関節折れてるから寝返りすらマトモに出来ない。基本は仰向け、時間は掛かるがなんとか右足を添え木のようにして左脚を導き、右を向く姿勢を開発したので定期的に仰向けとこの姿勢を使い分ける。
痛みもあるし、体勢変えるたびに目が覚める。ゴソゴソ…ゴソゴソ…  こうして初日の長い夜は過ぎていった。

下がることのないストレス
自分史上最高に寝られない夜

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