消えたあんドーナツ

｢ねぇ、私のあんドーナツ知らない？｣

冷蔵庫を覗きながら聞いてみた。
パン屋さんのあんドーナツ好きな私。

｢あんたしか食う人いないでしょ｣

｢そうなんだけどね、半分残しておいたのがないの。｣

｢みたよ。だから、あんたが食べたんでしょ？｣

｢え～？食べた記憶ないわあ｣
頓服のお薬を飲むとこういう事がおきてしまう。先生からもよくあるときいていた。

｢とうとうきたか｣

｢なにが？｣

｢俺が覚悟を決める日が｣

｢なんのよー？｣

｢割り箸は食洗機に刺さってるわ、
食ったものの記憶がなくなるとか。。。
なんちゃらブックやらなんちゃらツイッターだので問うてみろ！｣

問うてって…大袈裟な( 笑 )

｢じゃあさ、家の中に防犯カメラつけてよー。私が何したかわかるじゃん｣

｢やだよー。後から見るなんて怖いじゃねぇか。ホラーだぞ。｣

( 笑 )

｢割り箸はしっかりしたやつだったから菜箸がわりにもなるし、わざと食洗機で洗おうと思ったの！

あんドーナツはわかんないけどー。

ほら、見て。こっちの割り箸は使い捨てる割り箸。で、こっちの割り箸は洗って使える割り箸。｣

｢どっちも割り箸なんだから捨てるんだよ。ほらあもうキてるー。｣

｢じゃあ聞くけど、私、そんなにしっかりした娘だった？結婚前｣

｢そんなこたあない｣

｢じゃあ変わんないんじゃん｣

｢いや、最近は飛び抜けすぎてる｣