焚火合宿@横浜上郷森の家~共に働く仲間のことを聴き、自分のことも話す、対話のプログラムを行いました
都心から交通の便が良い横浜市内で最大の緑地、横浜つながりの森。
その中にある上郷森の家という研修施設にて、株式会社SANKOさんの全メンバーが顔を合わせる焚火合宿が行われました。
(株)あゆみのの、町塚、長井、土肥が、2日間プログラムのうち、
1日目と2日目の午後、ファシリテーションをさせて頂きました。
SANKO焚火合宿の概要
サマリー
1日目は、普段の仕事から離れた非日常な環境に、身も心も移し、仲間の普段は聞けないバックグラウンドや、大事にしていることを聴いていきました。仲間の個性的な一面を知ったり、自己開示を通じて自分の意外な一面を見る事も。
そして、2日目はコミュニケーションをテーマに、ブレスト的なコミュニケーションや、個の意欲を起点にしたプロジェクト創出を行いました。
腹を割った本音のコミュニケーションが生まれる場面もあると同時に、評価判断を保留して聴く事の難しさなど、それぞれが感じた事や抱える想いを、最終的には日常に持ち帰っていきました。
それぞれのユニークな人生とSANKOという多様性の集まりの物語が、大きく動き出していくようなきっかけの時間となりました。
プログラム内容(1日目)
チェックイン
2日間のプログラムは、みずみずしい新緑に囲まれた、ウグイスの鳴き声が聞こえてくる和室にて行われました。
施設を包み込むように横浜市内最大の森が広がっており、耳を澄ますとさまざまな鳥の鳴き声や草木と風の音、生き物の存在を感じられます。
自然と呼吸が深くなるような環境であり、オフサイトで普段の業務上の会話とは違うコミュニケーションをするにあたっては最適な場所だったように思えます。
静岡県産の新茶をお出しし、皆様に一呼吸ついていただいたところで、
冒頭、代表の宇野さんから今回の2日間の場を開くにあたっての経緯をお話しいただき、
その後全員で参加にあたっての気持ちをシェアするところから始まりました。
自分のことを話し、知ってもらうこと、そして仲間の話に耳を傾け、深く知ること。
対面で全員で会えることが貴重な時代だからこそ、お互いにつながり合う時間としての今回の機会が生まれました。
オーセンティックムーブメント
全員のチェックインを完了したあとは、気づく力・感じる力を養うための時間を取ります。
1日目のメインである「お互いの人生の道を聴き合う」という時間に向けて、みなさんの感じ取る力(開示する力、聴く力)を開いていく準備運動として、オーセンティックムーブメントを実施しました。
U理論で言うダウンローディングの状態を保留し、これまで知っている自分の姿や相手の姿に囚われるのではなく、新しい目でお互いのことをみていく、センシング(感じ取る)の状態にひらかれていくための時間となります。
まずはゆっくりと居たい場所を探ってもらいます。
身体の声に耳を澄まし、なんとなく身体が動いていく方向に動いてみたり、居心地の良いと感じる場所に身を置いてみたりします。
窓際から外をみる人もいれば、みんなが見えるような場所に身を置く人もいれば、真ん中に向かっていく人もいれば、自由な動きが生まれ始めます。
そして、そこからは、心地の良い姿勢を探ってもらいます。
寝っ転がったり、座ってみたり、仰向けになってみたり、壁に寄りかかってみたり。
自分の身体や感覚がしっくりくる体勢を探っていくことを通じて、少しずつ今ここに落ち着いていき、感じることができる幅に広がりが生まれていきます。
近い人でペアシェア
その後は、ワークをやってみて感じたこと、そして二日間を通じて向き合いたいテーマをシェアする時間を取りました。
「その人そのものを知ることを大切にしたい」「願えば叶うというキーワードが湧いてきた」「ゼロからスタートしたい」といった声など、それぞれの今の状態に紐づくテーマが共有されていました。
人生の道
そしてここからは、1日目のメインコンテンツである「人生の道」を言葉にし、共有する時間です。
まずは20分ほどそれぞれ自身の歩んできた人生を振り返る内省の時間を取ります。
仕事に限らず人生全体を振り返ってみたときに、印象に残った体験や、自分の原体験となるようなエピソード、最もポジティブだった出来事、あるいはネガティブだった出来事、そういった象徴的な経験を中心にじっくりと振り返っていただきました。
その後は、ひとりひとりに20分弱の時間を割り振り、
その人の人生のエピソードを聞いていきます。
業務上のやりとりや日々の仕事といった話題を介して向き合うのではなく、
相手の存在そのものに焦点を当て、好奇心を向けていく時間です。
ともに働く仲間がどんな人生を生きてきているのか、そして仲間に分かち合ってみたい自分の人生体験は何か。日頃一緒に働いてはいるものの、光を当て合っていないお互いの側面について対話していきます。
ひとりひとりの人生にスポットライトがあたることで、必然的にそれぞれの唯一無二な人生が浮かび上がり、それぞれの個性的な色が場にあらわれてきます。
そしてそれを受けて湧いてくる質問やフィードバックが直接投げかけられたり、ポストイットに書かれたりして、話し手のもとに届きます。
「この人にはこんなバックボーンがあったんだ。」
「この人がこういう行動をする背景にはこんな考え方や体験があったんだ。」
「そんな経緯と想いで今この場所で働いているんだ。」
お一人お一人の色の濃さが滲み出し、意外な一面を知ることを通じて、
お互いの共通点からつながりがうまれたり、差異から刺激がうまれたりする時間となりました。
焚火対話 (@大広間)
夜は任意参加で焚き火を囲む対話の時間です。
残念ながら施設の不備により焚き火そのものは使用できませんでしたが、皆さんの知恵により、焚き火の映像をプロジェクターでうつしながら、音楽好きのメンバーが選ぶチルミュージックBGMとしながら時間を過ごしました。
まずは一周、トーキングスティック(木片)を回しながら声を出し合いました。
人生の道を話した体験を振り返り、仲間から受け取ったフィードバックが書かれているポストイットを読み直し、味わい直した上で、感想を分かち合う時間はこっそりと嬉しさが滲むような雰囲気でした。
「正直これまでSANKOのフィルターを通してみんなのことを見ていたけど、個々人のことをしっかりみていきたい」という声や、
ひとりひとりのフィードバックに対して真摯に反応していた方の姿など、お互いの存在が近くに感じられるようになっている様子が垣間見えました。
今日の体験から気づく大事にしたい姿勢という観点からも声が生まれ、
「個々人のナラティブを大事にしたい」
「今回のようにひとつの目標や体験を共にする時間を重ねたい」
「質問によって相手から出てくる態度や話が変わるからこそ、質問力大切にしたい」
といった声など、短い夜の対話の時間ではありましたが、新しい関係性につながる最初の芽が生まれ始めていたように感じられました。
プログラム内容(2日目)
ブレストWS(カヤック柴田さんリード)
2日目の午前中は、創発的なコミュニケーション方法として、
面白法人カヤック流のブレストワークショップを、柴田さんに行って頂きました。
昨日見た架空の夢というものを、カードを使って連想を広げていったり、
人生でやりたいことを、時間やお金などの制約を外して出し、それをもとにブレインストーミングしたりしました。
参加者からは、「面白かった!」「○○さんのやりたい事が意外だった!」など
熱中する時間となりました。
個の意欲起点のプロジェクト創出(個人ワーク)
それぞれが内に秘める強い個性が突き抜けるように。
そんな願いをもとにしながら、午前中に作成したやりたいことリストを元に
個人の意欲/やりたいこと起点のプロジェクトを発想していきます。
流れは個人で四つ葉のクローバーのフレームで考え、
それをもとに4人1組でプロジェクトアイデアをブレストするといったものです。
個の意欲起点のプロジェクト創出(グループワーク)
一人ひとりのやりたい事や夢に、午前中のブレスト的コミュニケーション手法を用いて、仲間の意思にのっかりながら、話を展開していきました。
参加者のメンバーの方が「1+1が3にも4にもなるように、夢が掛け合わさっていくのは最高に気持ちがいい」と言っていたように、グループワークの場は、音楽のセッションの様でした。
チェックアウト
2日間のプログラムの締めには、自分の想いやコミュニケーションについて感じた事をシェアしました。
参加者の声
宇野さん 代表
町塚さん、長井さん、土肥さん、二日間焚火合宿、ありがとうございました。色々と進行にも柔軟にご対応いただき、感謝しています。静かに自己を見つめるところから、シェアをしてお互いのことを知り、そこから更に感じたことを内省と対話でどう昇華させていくか。それぞれの受け止め方で過ごした時間だったと思います。急須ご持参で用意してくださったお茶や心地よいお香や音のご配慮など、細やかなことが場を作るのだなぁと改めて感謝しています。
いっきさん 取締役
合宿のファシリテーションありがとうございました。
1日目から期待以上の状態で全員が向き合えているなと実感してました。
特に2日目は、社員同士の化学反応が所々に見られたので、この雰囲気のまま通常業務に移りたい!という気持ちになりました。
その一方で、“ひとりひとりを信じる” ということもマネジメントする上で必要だということを痛感しました。
個に向き合うことの重要性を考えさせられましたし、会社というフィルタを通しての向き合い方しかできていなかった自分の至らなさも感じました。
今後も何か課題解決が必要な際にはご相談させていただくことがあるかも知れません。引き続きよろしくお願いいたします!
焚火合宿を終えて
55年以上の長い会社の歴史の中で、たった2日間という短い時間でしたが
非日常へとダイブし、濃い個性に出会い、組織や体制が変化する中での
リアルなコミュニケーション課題に気づき、日常に持ち帰る旅となりました。
私自身も、
「野生の様に強い個性が活きる組織や環境とは?」
「一人一人の夢が重なって、皆の夢になっていく気持ちよさ」
「コミュニケーションの難しさ」
など、様々な問いや、感じることがある時間でした。
”一人一人の人生と、SANKOという物語が大きく動き出していく”
そのはじまりとなる様な体験をご一緒させて頂き、
本当にありがとうございました。