我が愛しきフィリピンボーイズ

うちの会社では、フィリピンの技能実習生を預かっている。3年間、場合によっては5年間の入れ替えで、常時6人程度一緒に仕事をしている。

彼らはとてもまじめで、明るくて、パーティーがだいすきだ。ほとんどが既婚で、ちいさな子どももいて、家族を置いて日本に来ている。そのためか、うちの娘達にもよくしてくれる。わたしが日本語指導をしているので、「センセイ、センセイ」と呼んでくれる。

そんな彼らとの日常は、とてもおもしろい。わたしにとっては当たり前の日本文化に気づいたり、日本語のすばらしさを教えられたり、発見に満ちている。

わたしが、めずらしく体調を崩して会社を休んだ日のことだ。会社と自宅は徒歩圏内なので、終業後に心配した実習生がお見舞いに来てくれた。さらに、「センセイ、これ、きれいだったから」と、お花まで持ってきてくれた。この花というのが、なんとまぁ。

菊だったのだ。笑ってしまった。

彼らにすれば、きれいな花でしかない。しかし、我々日本人にとっての菊とは、言わずもがな「お葬式の花」である。間違っても、お見舞いに持っていくべき花ではない。ありがたくいただいた上で、「わたしはいいけど、もし他の人にお見舞いで渡すときは、違う花にしようね」と教えておいた。

余談だが、サチコは実習生のことをよく思っていない。理由はひとつ、「フィリピン人だから」だ。本当に代わって土下座してお詫びしたいくらい、失礼な話だ。

サチコの中で、「欧米人は優れていて、アジア人は劣っている」という固定観念があるのだ。決して過去に何かあったわけではなく、ただのイメージでそう思い込んでいる。彼らのパーソナリティを知ろうともしないで、蔑んだ目で見るサチコが、わたしはだいっきらいだ。

#技能実習生 #フィリピン #土建屋の嫁 #長男の嫁 #姉妹ママ

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