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「年齢なんて、ただの数字」
わたしがフランスに惹かれる理由のひとつが、何歳になっても人生を謳歌しようとするフランス人の心持ちだ。もちろんフランス人にもいろんな人がいるわけだけど、これまでにさまざまなシーンで、「年齢にとらわれない人たちなんだな」と感じてきた。
大学3年の秋から4年の夏にかけて、パリの大学に一年間の交換留学をしたとき、留学先の大学でたまたま親しくなったのは、学部の一年生の子たちだったのだが、クラスメイトには18歳から25歳くらいまでがいた。
日本だと、飛び級なんてめったに聞かないし、大学では留年もあるけれど、そんなに多くはない、と思う。(わたしの通っていた大学にはけっこういた。笑)
フランスでは、飛び級も留年もよくあることで、大学では、学士が3年と短いので、大学を出た後に、また別の大学で学んだり、2つの大学で同時に学んだり。
高校卒業後に1年間海外に行ってから大学に入るとか、はたまた社会人になってから、学び直すとか。いろんな子がいた。大学入学の時点で、さまざまなバックグラウンドがあって、スタート地点もいろいろだ。
日本のような「先輩・後輩」の概念がないので、みんな年齢も学年も気にせず、フランクに会話をする。知り合っていくなかで、何年生まれだとか、何歳だとかをお互いに聞きあうことはあっても、OKという程度だ。
おなじ年だと分かった瞬間に、親近感がわいたり、年上だと分かった瞬間に、妙な距離がうまれてしまう、敬語文化のなかで育ったわたしには、このフラットなカルチャーがしっくりきて、とても心地よかった。先輩ぶるのも、後輩らしくするのも、すごく苦手だった。
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いつだったか、映画女優のジュリエット・ビノシュが、日本のメディアからのインタビューで「年齢を気にしますか?」という質問に対して、笑いながら「年齢なんて、人間が勝手に決めたただの数字でしょ」というような返答をさらりとしていたことがあって、とても自然に内側からでてきた(ように見えた)その言葉にしびれてしまった。
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おばあちゃんがパリの公園で、おいしそうにアイスクリームを食べていたり、派手なピンクのミニスカートをはいていたりする。もちろん夏のバカンスでは、水着をきて海に入る。おじいちゃんと仲良く手をつないで歩いている。
いくつになっても好きなものを着るし、やりたいことをする。なにかをするときに「もうそんな年齢でもないし」という発想はなさそうだ。
そして、そんな風に自分の好きな自分を楽しんでいる人たちは、いつもとてもしあわせそうに見えるのだ。