ロジカルシンキングのまとめ本
渡辺健介 著『世界一やさしい問題解決の授業』(2007)
http://www.amazon.co.jp/dp/4478000492
中高生向けに書かれたロジカルシンキングの本を読んでみた。イラストや図解が丁寧で、例も多く出されており、なるほどわかりやすかった。わかりやすく書かれているが、説明されていることは大学で習ったりコンサルティング系の会社の研修で出てきたりすることと同じレベルである。
この本には、4人の登場人物が出てくる。
・「どうせどうせ」子ちゃん
……どうせ私なんて、どうせ無理、他人が悪い、失敗したら恥ずかしい
・「評論家」くん
……問題はこれだよ、だから言ったじゃない、あとはお願い
・「気合でゴー」くん
……気合が大事だ、考える暇があったら動こう、先輩の言う通り
・ 問題解決キッズ
……問題の本質はなんだろう、3ヶ月後には○○できるようになろう
そして、中学生バンド「キノコLovers」が夢を達成するための物語をもとに、問題解決するプロセスを追いながら学習する。
この本は、コンサル系の本と同様にロジカルシンキングのためのさまざまなツールが出てくる。ものごとや問題を要素に分ける「分解の木」、スケッチによる理解、原因を調べ考える道筋を明確にする「はい、いいえの木」、原因を見極め何を調べるべきかを明確にする「課題分析シート」、仮の結論とその根拠を明確にし話の道筋を理解する「仮説の木」、そのほかさまざまな手法が紹介される。
ネーミングは違うが、ここで出てくるツールはロジックツリー、ピラミッドストラクチャー、マイルストーン、SWOT分析、MECE…… とほとんどよく出てくるものである。その他のコンサル系の本ではツールの紹介で終わっていて、それで満足する読者が多いような印象がある。しかし、この本ではツールはあくまでツールであって、問題解決のためならどんな方法を使ってもよい、自分で考え行動できるようになれば良い、と書かれているので好感が持てた。
問題解決の流れ)
① 現状の理解
② 原因の特定
③ 打ち手の決定
④ 実行
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