しろうと理論

アドリアン・フランク ファーンハム/Adrian Furank Furnham(著), 細江達郎(監訳), 田名場 忍, 田名場 美雪(訳) :しろうと理論―日常性の社会心理学, 北大路書房, 1992.

非専門家の意見の特徴を分析した本。
特に、よく間違った情報が流布されがちな法律・教育に関するしろうと理論について前半に詳しい分析がある。

後半はまとめだが、科学的理論とエスノメソドロジー的な考え方にはそもそも考え方の違いがあると書かれている。つまり客観的に記述できる事象のみを対象とするか、個人の経験を対象とするか、という話(P241)。この辺りの話は面白い。そして、多くの研究分野にこのしろうと理論的なトピックが存在することに気付く。

この本を読んだきっかけ:

非専門家は一般的な印象に流されやすいという話が載っているかもしれないと思い借りた本。具体的に言うと、人間中心設計で考えられる想定ユーザ像を、しろうとは「ステレオタイプ的な人物」を思い浮かべてしまいがちということ。ステレオタイプ的な人物は実際にはいない。そのため、ステレオタイプなユーザを想定して設計されたものは使いものにならないものが多い。

それから、チームで一つのものを開発する、そのアイデアを考えるところからチームでやると、尖った意見が切り捨てられるという事象。これに関してもしろうと理論が関連しているのではないかと考えている。(P247あたりから関係しそう)


2016/08/04


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