見出し画像

デジタル工作機械

Keyword: アイデア、プロトタイピング、デジタルネイティブ世代

コンピュータ上のデータを使って、素人でも気軽に完成度の高い立体物を制作できるデジタル工作機械が普及しています。3Dプリンタ、デジタルレーザーカッター、ミリングマシンとかそういうやつです。細かいスケールが調整できるので、「◯◯にピッタリはまる蓋がほしい」とかいうときに寸法を測ってキッチリ出力できるのが便利です(トレランス(許容差?)の調整が面倒ですが)。私のようなアナログ人間にとっては、手作業でものづくりしたほうが早く完成しますが、大量に同じ部品を作りたい時なんかは、自分で削って1つ1つ作るよりも早くできます。しかも寝ている間に!



ところで、先日いくつかの研究室合同のバーベキューに参加したのですが、北海道の秋だと思って油断してました……。もちろん屋外での開催……蚊がいたのです。(通常の2倍サイズはあろうかという蚊が、しかも大量に!)

蚊取り線香を2つほど炊いていたのですが、ぜんぜん効き目がなく時間が経つにつれ、どんどん蚊が増えました。私は無防備だったため足に15箇所刺されました。かゆい……。


以下、ざっくり学生の会話:
(名前は仮名にしました。)

すずき「蚊取り線香もっと炊こうよ」
さとう「蚊取り線香立て、1コしかないよ」
すずき「蚊取り線香立て、つくる?」
さとう「3Dプリンターで?」

さすがデジタルネイティブ世代。
蚊取り線香立てを作る、ときて、
その方法としてまず最初に3Dプリンタが思い浮かぶとは。
さらに、

タナカ「それ1日かかるじゃん(笑)」
さとう「たしかに」
みんな「笑」

……というわけで、誰も蚊取り線香立て作成に取り組まず。
非常に残念。
そして、かゆい。
そこら辺の石とか木の棒とか使ったら作れると思うのですが、そういう発想には興味が無いのでしょうか。


デジタル工作機械は素晴らしいのですが、それが当たり前になってきて最初から完成度の高いものを要求されるがゆえに、何となくものづくりの敷居が上がったような気がします。ヘタでもいいから、まず有り合わせのもので作ることが大事だと思います。デジタル工作機械の良さって、そもそもそういうラピッドプロトタイピング的なところにあったはずです。

むむむ。
そして、こういうことにいちいちツッコみたくなるのは歳取ったからかなぁとションボリしてしまいます。
(ちなみに、私自身は蚊取り線香立てを作りませんでした。最近私が自分でなんでもやり過ぎるのが、学生の学びにならないといわれ、フムフムと感じたからです。それが良かったのか悪かったのか……若輩者ゆえ、その辺のさじ加減がまだ分かりません。)


そんなデジタルネイティブな学生が「この発想はなかった」と大げさに言っていた、蚊取り線香の使い方がこちら。

バーベキューコンロについていた突起に引っ掛けるアイデアです。
ちょっと間違うと肉が線香に燻されてしまいますが。
これはどなたか先生が引っ掛けたものだと思います。
アフォーダンスでこういう感じ、出てきたなぁ。

世の中にはオシャレな蚊取り線香立てが色々ありますが、線香を買ったらついてくるアルミのシンプルな線香立て。これってどんな立て方もできて割と便利です。

ところで、この線香立てるところの2つの突起、
左右で高さが違うのはなぜだろう?


いいなと思ったら応援しよう!