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「三菱創業150周年記念 三菱の至宝展」

「三菱創業150周年記念 三菱の至宝展」
三菱一号館美術館



はい、遠藤の大好きな三菱一号館美術館です。今回は国宝がわんさか見れるとのことで、人生で国宝を見まくろうと決めている遠藤にとってはとても楽しみだった展示。

プロップスタイリストとして「いいプロップを見極める。選ぶ。」ために「いいものを見る」ことで審美眼を鍛えることがとても大切だと感じているので国宝を見ることは仕事にも役立っています。うそです。そんな丁度いいこじつけをして真面目さアピールしようとしてみましたが、ただ「宝」に弱いだけです。宝大好き〜♡なんか興奮するやんね、宝って。


というわけで目を「¥_¥」にしながら行ってまいりましたが(げすい)、「書」が多くて全然わかんねぇ〜〜〜〜〜ってなりました。書はまだ手をつけてねぇ。文字の美しさとか味とか、内容の巧みさとか貴重さとか、そういうところがわかるようになるぐらい書を今までまだあんまり見てねぇ。やはり数をたくさん見るとわかることや気付けることがある。比べられるほどの知識が何もなかったので今後勉強していきたいと思います。



と、そんな「書」を理解することができない遠藤は眉間にしわを寄せつつも、とある部屋で大好きな仏像があったので大興奮。
薬師如来というメインの仏像を囲むように佇むちっちゃい12体の仏像、京都の浄瑠璃寺に伝来する「木造十二神将立像」(1228頃)という作品です。

この十二神将、時刻や方位を守護するために十二支と結びついているのですが、なんと、頭にそれぞれ1匹ずつ干支の動物が乗っているんです…!それが、もう、めちゃかわ…!!♡
運慶の力強さを継承した仏師が彫ったものだと言われているのですが、めちゃいかつい表情をしてめちゃいかついポーズした12体の仏像の頭にちっこいかわゆい動物が乗っている。もうなんなん、キュンやん、キュンしちゃうやん。って感じで、表情や動きの豊かさを表現した彫りの巧みさと、悪いものを絶対跳ね除けてくれて守ってくれるだろう力強さ神々しさと、あととびっきりのかわいさを味わえるお得な仏像です(?)

こちら子神、丑神、寅神、卯神、午神、酉神、亥神の7体が三菱(静嘉堂)の持ってる作品で、残りの辰神、巳神、未神、申神、戌神が東京国立博物館が所蔵していまして、遠藤はトーハクで今年の1月にこの5体中3体を見ていたのですが、こちらは写真撮影可能だったのでばっちり撮っております!upしますね。ちなみに蛇はうんこみたいです(こら)

威嚇するポーズや顔が十二支の動物の特徴を反映させているものもあって、見れば見るほど愛着が湧く素晴らしい仏像です。

今回見た中では、亥神のまゆを片側だけしかめた顔が顔筋コンテストがあったら1位取れるくらい素晴らしかったです。そして腰のひねりや反り、今にも動き出しそうな身体の流れを生み出す技術に唸ります。寅神は膝が曲がっていなくて直立しながら体重を前にかけて背筋ぴーんしてるなかなかに緊張感のあるポーズなので、あちこちがつりそうやなぁ〜と思いながら見ていました。体張って無理してまで守ってくれてありがとうな十二神将って思いました(は?)


そして今回の大本命です!!!!!!そう!国宝!曜!変!天!目!!!!!!!はぁ〜〜〜ずっと会いたかったよ曜変天目〜〜〜♡これはお茶碗です。12〜13世紀に中国で作られたもので、世界に3つしか現存していない奇跡の器です。12世期て。12世期にこんな美しいものが生まれてたなんてロマンしかないやん。時を経てお目見えできたことが本当に本当に嬉しいです。

実物を目にして、偶然から生まれた美、予想のできない美に心が震えました。計算されて創られたものにはない良さよ。器の魅力はそこにあると思うのですが、とりわけこの曜変天目に関しては他の追随を許さないほどの圧倒的な唯一無二さ。器は特に模造品がたくさん出てきてしまいかねないような造形物ですが、この器は今、人間国宝の陶芸家でさえ再現不可能な技術でつくられているとのことで、もう存在がスーパースターすぎる。

よく「器の中に宇宙が見える」と解説されることが多いですが、本当に吸い込まれそうなほどの瑠璃色の宇宙がそこにありました。深い青ってなんて美しいんやろ。禅の教えにも通ずるような世界観。

ところで遠藤は龍安寺の石庭をこよなく愛しておりまして、京都に帰る度に通っているのでもう10回ぐらい行ってると思うのですが、なにがそんなに好きなんかっていうと枯山水から感じる宇宙です。行くたびに庭の見え方が変わります。その時の自分の状態とか気持ちがすごく反映される。でもしばらくずーとぼーっと座ってるとなんかこういろんなことがちっぽけに思えてきて結構すっきりする。それって多分宇宙のような測れない空間の広がりをどこまでも感じるからなんやと思います。

曜変天目も最初はただお目見えできたことに興奮していたのですが、気持ちが落ち着いてきてそのままずーっと見ていたらなんだかとても不思議なのですが穏やかな気持ちになりました。

ちなみに集合体恐怖症の方は発狂レベルだと思うので、禅の思想は別のところで感じてみてくださいw

宇宙という概念?存在はまだまだわたしたちにとって未踏やからこそ遠く広い存在のように感じるけど、これから簡単に宇宙に行けるようになったり住めるようになったりしたら、未来の人たちは禅の思想で宇宙を感じて落ち着くとかないんやろうなぁ。え、宇宙?狭いけど?って思わはる時代がいつか来るんやろか。

わたしたちは今思う存分宇宙の広がりや神秘性を想像し放題なので、曜変天目の良さも十二分に理解できる時代にいるんやなぁラッキーやなぁって思いました。ほんまに見れて嬉しかったです。



さて、三菱一号館美術館と言えば、ミュージアムショップが最高で有名ですが(遠藤調べ)、今回お目当ての曜変天目Tシャツを小脇に抱えてるんるんで他のグッズを見ていたら、店員のお姉さんに「素敵なTシャツ着ておられますね」と声をかけられたので自分が着てるTシャツを見たら、ここで買ったマティスの絵が描かれたものを完全に無意識で着てたので「あぁぁぁ…!ここで買ったやつです…wwww」とお姉さんと「うふふ」と笑い合いました。はずかしいなぁw

しかも緊急事態宣言で途中で中止になって行けへんかったコンスタブル展のTシャツも売ってたのでそれも買った。なんぼほど買うねんTシャツ。お姉さん絶対「この人めっちゃTシャツ買いよる…」って思ったはったわ絶対。
でもこれからも買うしな、Tシャツ(なんの宣言)


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