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子どもに呪いをかけないで

いつもは就活のことを書いているけれど、今回は子育てについて。
と、いうのはどうしても書いておきたいことがあったから。

私には、大学生になった子どもがふたりいる。

先日、子どもが幼稚園に通っていたころのママ友と久しぶりのランチで、子どもが今どうしているかを報告しあった。その時に、これまでも何回となく聞いてきた言葉が私の心にひっかかった。
「お父さんもお母さんも優秀だから、やっぱり〇〇ちゃんも優秀だね」

受験のときや成績について、悩みを話すとき
「〇〇ちゃんちは、ご両親が優秀だから大丈夫だよ」
という言葉を何度もかけられた。

吹聴するつもりはないけれど、仲良くなった人には主人や私の経歴を成り行きで話してしまうことがあった。それを知った人の中には「有名大学卒=優秀」というとらえ方をする人が少なからずいて、悪気なくこう言ってくれたのだ。

なぜ、そんな悪気のない言葉に反応してしまうのか。
それは、私がいわゆるファーストジェネレーションだからだ。

父も母も大学を出ていないし、大学がどんなところかすらよくわかっていない。早くに親元を離れ、一生懸命働いてきた人たちだ。私が幼いころは、周りに教育に高い関心を持つ人はいなかった。ただ両親は、私がやりたいことを反対することはなかったし、塾に行きたいと言えばダメともいわず、塾代を出してくれた。中学のとき、近所で通っていた習い事の先生からたまたまある大学の話を聞き、憧れてしまった。それが遠くにある私立の学費の高い大学なんて、知りもせずに。

両親はその大学の名前すら知らなかったし、ネットで調べることもできなかった時代、どんな大学なのかもよくわかっていなかったと思う。可愛い子どもが行きたいと請うのだから、とそれだけで通わせてくれたのだった。それはそれは、大きい経済的負担だったと思う。子どものわがままを許してくれた両親には、50歳を過ぎた今でも大変感謝している。

こんな私だから、知っている。ファーストジェネレーションの最大の障壁は「お金がないこと」ではなく、教育に価値があると理解されない環境なのだ、と。「親が優秀だから、子どもも優秀」は、裏を返せば「親が無学なら、子どもも無学で当たり前」ということ。そうやって子どもは、周りの人あるいは自分の親に「お前は大学に行く必要がない」と呪いをかけられるのだ。

だから、どうかお願い。子どもに「親が優秀だから」とか「親が無学だから」という呪いをかけないでください。うちの子どもたちも、自分にある力を最大限に発揮して、ここまで立派に育ちました。子どもは褒めて育てろ、というけれど、褒めることよりもっと大事なのは「だめだ」と決めつけないこと。子どもの力を信じることなのだから。



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