【Day2】屋久島ゼロtoゼロトレイル
2024.08.15
5:00 起床
それなりの標高ではあるものの夜も朝も全く寒くありませんでした。
歩いて10分の所に縄文杉があるもんで、眠い目擦ってむにゃむにゃ言いながら朝のご挨拶に伺います。
相変わらず素晴らしいですね。
早朝の静まり返った時間から美しい御姿を披露して下さります。
夕方も貸切でしたが、早朝なので小屋に泊まってた人しかいません。ほとんど貸切状態です。
昨日に続き贅沢な時間を過ごせます。
少し眺めていると朝焼けに照らされ、また違う表情を魅せて下さります。
DAY1で触れた大伐採時代の件、
当時は真っ直ぐ伸びた杉しか使用価値がなく、曲がりくねった杉や中身がスカスカな杉は価値がないとされていて、伐採されなかったそうです。
つまり、縄文杉を始め、現代を生き延びているデカ杉達は軒並み曲がりくねった異形杉が多い訳です。
…と、朝イチから同じ小屋で寝泊まりしたガイドさんが教えてくれました。
さらに、縄文杉を眺めているとムムッと違和感を感じる点があります。縄文杉は一本杉のはずなのに、色んな種類の葉っぱが生えているという事に気付きます。
これは、縄文杉が苔むして、その苔が土壌となり他種の樹木がそこから生えてくる。結果として多種多様な植物が縄文杉の上で生存している、という生態になるわけです。
…キメラやんけぇ……。と言いました。
(…心の中で。)
大人ですから朝から頭をフル回転させて、
「まるでアパートみたいですね。」
と言い、ガイドさんから、その通り!を頂けたので合格です。
縄文杉は植物のアパートです。
縄文杉の真後ろにある杉は日光が片側にしか当たらないから枝が片側にしか育ちません。そんな小ネタも教えてくれますガイドさん。
こちらの反応が良いとどんどん屋久島情報を繰り出してくるガイドさん、それが面白くてずっとリアクションしてました。おかげで色んな事を知れました。名前だけでも聞けばよかった…。
てことで、山歩きに慣れてない人はガイドさん付けるのがオススメですね。
ずっと観ていられますが、各々旅路を急ぐため渋々小屋へ戻ります。日帰りツアー客がいる時間帯はこんなに眺めていられないと思うから本当に贅沢な時間でした。
名残惜しいですが、一夜を共にした山仲間ともお別れです。皆さんとはインスタ垢を相互フォローしました。気軽に繋がれるイイ時代ですねまったく。一期一会。
出発まで長くなりましたがDAY2山歩き開始です。
朝から晴れていて気持ちが良いです。
なんて口笛吹きながら良い気分で歩いていたら目の前にヤクシカが!!!!!!!初めましてのヤクシカちゃんだったから興奮しました。愛くるしい目をしている。
すぐ近くの新高塚小屋に到着しました。
こちらの宿の方がかなり広いですね。
テン場も広々してました。
まだまだ晴れてます。ズンズン往きます。
たまにガスります。
モロが「救えるかっ⁉︎」って言ってそうな大岩たち
焼野三叉路に着きました。
ここに荷物をデポって宮之浦岳を目指します。
登りですが重たい荷物から解放されてグングン加速していきます。
速攻で着きました。
オリンピックで話題になった無課金おじさんポーズで記念撮影。from大阪の優しいご夫婦が撮ってくれました。
九州最高峰で360度遮る物が何もなく見渡せる眺望が売りの宮之浦岳ですが、ちょいちょいガスってきて眺望はイマイチでした。無念。
諦めて先を急ぎます。
溜め息つきながらデポった荷物を回収して隣の永田岳を目指します。
道中から観えるギザギザの山脈がキレイ!
あれが永田岳です。遠い…。
野生のヤクザルくんがこちらを覗いている。
驚かせてごめんねえ!と思いながらスタスタ進むと
立派な角を生やしたヤクシカが目の前に!!!
お食事中でしたがしばらくジロジロ観てしまいました。かっちょええ。
ギザギザ山脈は近づくと鬼デカ岩でした。
ここで初めて雨に降られました。屋久島は1ヶ月に35日雨が降ると言われているので全然不思議じゃありません。むしろようやくって気分です。
永田岳に着きましたが、そこそこ雨が降っているので何もみえません。速攻で降りて先を急ぎます。
雨に降られながらスタスタ進むと遠くの方から獣の鳴き声がっ!と思って眺めてたらひょこっとヤクシカが顔を出しました。シルエットが可愛らしい。
初めてお目にかかりました、ヤクカエルさんです。
サイズがヘビー級のデカカエルでしたね。
動物に癒されていたらすぐ晴れました。
ここから上り区間が終わって下り区間に入ります。
トレイルのだいたい半分くらいになりますね。
反対側の海が観えました!!!
初めてゴールに近づいている感を実感します。
これはローソク岩ってやつみたいです。
遠くに観える山脈がキレイですね。
本日のお宿に到着しました。
コースタイムは約8時間ですね。
初日に脚を作ったから案外余裕でした。
小屋には誰もおらず貸切なので好き放題使います。
小屋内部に潜入します。
両サイドに2段ベッドがある風な間取りです。
ここが寝床になります。
貸切だから少々ホラー味が強いです。
2階は誰がこんな狭いとこで寝れるん。
てぐらい狭い空間でした。
避難小屋なので文句は言えません。
早く着いたし、する事も無いから食べます。
1泊分の行程を巻いたから余ってる分も食べます。
18時頃、ひたすら食べてうたた寝していたら、おじさんとお姉さんのアベックが入って来た音で起きました。
長い距離歩いて疲れてたのか、若干言い争っている2人組です。
とりあえず仲良くして欲しいので、ワタクシ含めて3人しかいないんで好きに使って下さい、と先輩風を吹かせときました。
このアベックは、たまに敬語たまにタメ口っていうよく分からない距離感で、親子では無さそう、けど恋人・夫婦でも無さそう、っていう読めない2人でした。
あまり深入りも出来なかったので寝ます。昨夜は楽しかったなと思いながら眠りにつこうとしていたら、まさかのオジの方が大イビキオジでした。
くっっっっっそうるさくて全然眠れない、昨夜ウイスキーを全て飲んでしまった事をここで悔やみます。
しばらくすると、なんとネキの方もそれなりのイビキをかき始めました。
まさかの大イビキアベックでした。
うっそだろ、コイツら…。
せっかく貸切だったのに、辛い夜となりました。
疲れてるはずだけど、全然眠れなかったので秘密兵器を出します。
青空文庫のアプリに梶井基次郎氏の檸檬をDLしてきました、そうです、活字を読めばきっと眠れます。
言ってるそばから眠気が来ました。
僅か3ページで深い眠りに落ちました。
ありがとう、梶井氏、こんな使い方してごめんなさい。
てことで、DAY2終了です。DAY3へ続く。