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「ハモリ我慢ゲーム」から考える「歌がうまいこと」と「ハモること」

私の日々の楽しみは、家事をしながらの耳活。

子供も夫も寝た後に、
BluetoothイヤホンをつけラジオやPodcastを聞くのが何よりの楽しみです。
TVerやNHKプラスができてから、テレビもほぼ耳で聞いています。

お気に入り番組の一つにTBSで火曜日に放送されている「バナナサンド」があります。

番組ではさまざまなゲームが行われます。
「ハモリ我慢ゲーム」もその一つ。

挑戦者が決められた楽曲を、ピアノ伴奏とコーラスで歌います。
サビまではバックコーラスが音程を合わせて歌いますが、サビに入った途端、ピアノが演奏をやめ、バックコーラスが強烈な「ハモリ」で挑戦者の音程を惑わせます。

毎回、歌手、俳優さんなど、歌に自身がある人が挑戦するのですが、なかなか難しいようです。サビ前の部分で「うまいなぁ」と思って聞き入っていた人ほど「つられ率」が高いように思います。逆に、盛り上げる程度で力を抜いて歌っている芸人さんは成功する確率が高く、「歌がうまいこと」と「ハモること」は別の技術なのだと考えさせられるのです。


「歌のうまさ」は、「声の大きさ」「歌い回し」「抑揚」「表現力」などから、「その人らしさ」が伝わってきた時に感じます。声量が大きければうまい、音程が100%正しければうまい訳でもありません。

歌手の人を思い浮かべてみても、ささやきボイスの人もいれば、しっかり張り上げる声の人、個性的な声の人…など様々思い浮かぶでしょう。

私が好きなささやきボイスNo.1は手嶌葵さん。
しっかりボイスNo.1はミーシャさん。
個性的ボイスNo.1はユーミンさんです。
どの方も心に染みます。


逆に「ハモる」際に大切なことは「聞くこと」「響きを合わせること」です。
周りの音を聞いて、その中で自分の旋律を美しく溶け込ませていかなければなりません。
人間の声は、一人一人バラバラで、音程やリズムが合っていたとしても、声の響きが揃わないとハモって聞こえません。個性を出すのではなく、楽曲の1部となって音楽を作るのです。

力を抜いて歌っている芸人さんが「ハモれる」のは、自分を出そうとし過ぎず、周りの音が聞こえているからなのかもしれません。


私は、どちらの要素も音楽をする上で大切だと考えています。
歌ではなく一人でピアノを弾くにしても、どこに主旋律があるか、綺麗に歌いながら弾けているか、それを支える和音の響きはどうか…などよく聞きながら考えます。そして、考えたことを表現できるように、体をコントロールする技術を身につけていきます。バイエルの小さな曲でもその要素はしっかりあるので、レッスンでも少しずつお伝えできれば…と思っています。


「ハモリ我慢ゲーム」で「ハモリ担当」をされている方々は、指揮者やオペラ歌手など歌のスペシャリストだそうです。
きっと「ハモれて歌うま」な人たちです。

「ハモリやすい声」で歌い続けることもできるはずですが、あえて惑わすような声の響きを作り歌われているのだと思います。
YouTubeの公式チャンネルに「ハモリ音源」もあるようです。面白いゲームですのでご興味のある方は、チャレンジしてみてください。


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