結果ではなく過程が大切
9月の発表会にむけて、
先月は曲目を決め始めました。
発表会の選曲は、ピアノの先生にとってはなかなかの大仕事で、毎年いろんなことを考えながら曲を選んでいます。「これがやりたい」と言ってくれた子には、なるべくやりたい曲ができるように、移調したり連弾にしたり楽譜を書き換えたり…。「先生が選んで良いよ!」と言う子も「こっちとこっちだったらどっちが良い?」と自分が好きなものを選べるようにしています。
自分が選んだ曲をやると不思議とやる気が出ます。
テンポ良く、止まらないで、1曲として完成するように約3ヶ月かけて何度も何度も練習します。すると普段の教科書のレベルより数倍難しい曲が弾けるようになるのです。弾けるようになった段階で、実はすごくたくさんの技術を習得しています。
例えば、ドからソまでの音しか教科書では出てきていない子が「ラ」「シ」が出てくる曲を弾く場合、指番号の問題があります。今まで5本の指、それぞれに担当の音が決まっていたのにそれが通用しなくなるのです。指くぐりや指かえをする必要が出てきます。
6月のレッスン中、ある女の子が音符と、そこに振ってある指番号を見て「これは4で弾くド?」と確認してくれました。これってすごい気づきです。
また別の子は、お母様が買ってくださったと言う本を持ってきて、「これが弾きたい」と自分で譜読みを進めてきました。なんともう両手で弾けています!左手はまだ習っていないヘ音記号表記なのに!!さらに私が感動したのは、左手が四分音符で♩♩♩♩と刻むところに、付点のリズムの右手が入るところ。左右のリズムの違いをちゃんと弾き分けているのです。サラッと弾いていましたが、これはなかなかの技術。「やりたい」という気持ちは、何より力です。
私は「発表会」は、どんなコンサートよりも感動が詰まっているステージだと思っています。
上手に弾けても弾けなくても、そのステージに立つまでに、たくさん練習してきたその過程で、いろんなことができるようになっています。
今年も、感動の音楽を聴けることを楽しみにしています。
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