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大嫌いな女の結婚式から学んだこと

みなとみらいを歩いていたら、結婚式終わりの女子3人組を見かけました。
この寒いのに、薄手のワンピースにストッキング、履き慣れていなそうなピンヒール。3人とも髪型は同じようにゆるくセットされたシニョン、くすみカラーのワンピース。大きな引き出物の入った紙袋を持って。
決して楽しそうでも、幸せお裾分けしてもらった感もない、「足いたーい疲れたー早く帰りてー」の顔。結婚式帰りの若い女って8割がそういう顔して歩いてる気がする。
この光景を見るたびに、思い出す結婚式があります。

あれはもう12.3年前。
毎月のように結婚式があってまさにご祝儀貧乏。自分の結婚願望もピークで、人の結婚式に参列するというだけでも地獄の苦しみなのに、大嫌いな同期の女の結婚式に参列しました。

彼女はわたしの中で「こいつが結婚できて真面目に生きてるわたしが結婚できないって世の中不公平」を体現しているような女でした。
超ブラック企業だったので、新入社員は7:30に出勤して始業準備やらをしないといけなかったので同期は7:30に来ていました。彼女を除いて。

彼女は謝りもせず笑顔で毎朝当たり前に8:30出勤。先輩たちが出勤しだすのが8:40頃からだったので、バレないギリギリを狙ってきている。
たまに早く会社に到着している日があっても、まさかのトイレでメイクして髪巻いて8:30にデスクへやってくる。口角を上げたお決まりの笑顔で「おはよう〜♪」と。

一方で先輩たちに愛想振り撒きまくり、気が利くところをアピール。辛い時はたまに泣いてみせ、ちょっとでも嫌なことがあるといちいち深刻にして相談するのは男性社員。
仕事の邪魔にしかならない外線は聞こえてないようで一切取らず、その皺寄せは他の新入社員へ。FAXも配らない、地味だから。
来客対応や重たいコピー用紙を倉庫から持ち出したり、配達物を持ってきたりはする。なぜなら目立つから。
余計な雑務を一切しないので、自分に与えられた仕事は早い。先輩からは要領が良くて仕事ができるの評価を受けていました。

うおおおおおおー!思い出すだけで嫌いだ。
もう10年以上会ってないのに虫唾が走る。
彼女みたいな奴が近くにいると、真面目に働いてる人が損する世の中だなとつくづく思います。

それなのに結婚式に行きました。
怖いもの見たさとお手並み拝見感。もちろん一緒に参列した同期女子たちも彼女のことを嫌いを通り越して面白がっていたので、冷やかし半分でした。結婚を祝おうという気があった子はあの同期テーブルにいたかどうか。

結婚式は、埼玉のおそらく今は潰れたゲストハウス仕様の式場で行われました。結婚式は花嫁の自己満というけれど、「ほんとうにこれが自己満の見本です!」みたいな結婚式でした。

カスカスのミニシュークリームしかないお庭でデザートビュッフェとか、バルーンとか、2人ともお酒大して飲まないのにビールサーバー背負って席回ったりとか、ご本人たちはとても楽しそう。
彼女曰く「花嫁が1番綺麗に見えるのは自然光だから日当たりがいい会場にしたあ〜」とのことで、駅からバスを乗り継ぎ非常に遠い会場だったし、「すごくいい会場で一目惚れだったの♡」と言っていたがそれは新郎新婦の高砂の照明ことを指していたらしい。全てが花嫁のため。

メインの肉がラムだったのは人生でこいつの結婚式だけだし、お皿の下からアリが大量に出てきた子がいたり、その翌週に結婚式を挙げる他の同期と入場曲を被せてきたりと(系列が一緒だったので事前に被らないように調整していたらしいのに)、あの女のことが嫌いを差し引いても酷い結婚式でした。
いや、非常にあの女らしい結婚式でした。

わたしが絶句したのは席に置かれたメッセージカード。
「鮎ちゃんも早く結婚できるといいね♡結婚はいいよ♡わたしの結婚式参考にして、いい結婚式にしてね」
と、かっわいいー字で書かれておりました。
こいつ、わたしにその時彼氏すらいなかったこと知ってたよな?
わたしの鬼のような切羽詰まった結婚願望、知ってたよな?
もちろん、席に置いて帰りました。
帰りの電車で、同期の女子たちで悪口大会だったのを覚えています。醜い女たちが荒れてるなーと周りから思われていたことでしょう。

当時は、「なんであんな奴に先に結婚したってだけでマウント取られるんじゃ!」と帰り道に悔し泣きしたものですが、今思えばとても素晴らしい社会科見学になったなと。酷い結婚式って噂には聞きますが、なかなか体験できないことです。
あんな結婚式だけはしてはならない、絶対に。

わたしは今年の夏に結婚式を挙げます。
彼女の結婚式を参考にさせていただき、いい結婚式にしたいと思います。

彼女の結婚式から学んだこと
・自分を祝う気のない友人は呼ばない
以上。

とっても参考になったよ。
ありがとうね〜♡

女の恨みはしつこく、深く、怖いのだ。

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