
狂犬病予防法施行規則(昭和25年成立時)/ 附 則
附則はこれといって注目する点がないことが多いですが、経過措置の中に「何故そんなことを?」と不思議におもうことがたまにあります。
この時の狂犬病予防法施行規則の附則も「そんなの無理でしょ!」と言いたくなる内容です。
附 則
1 この省令は、公布の日から施行する。
2 第三条第一項の規定にかかわらず、昭和二十五年に限り、九月一日現在の犬の所有者は、九月末日までに法第四条第一項の規定による登録の申請をしなければならない。
3 犬の所有者は、第十条第一項の規定にかかわらず、昭和二十五年に限り、その犬について法第五条第一項の規定による狂犬病の予防注射を、九月末日までに受けさせなければならない。
官報 1950年09月22日 第7111号 313,314,315
国立国会図書館デジタルコレクションでPDF化された2ページ
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https://dl.ndl.go.jp/pid/2963657/1/1
https://dl.ndl.go.jp/pid/2963657/1/2
公布の日は9月22日。
附則の内容は「9月末日までに犬を登録し、犬に予防注射を受けさせなさい!」となっています。9日しかありません。
登録は法律で金額が書いてあるし、予防注射だって無料ではないはず。
そもそもワクチンが日本中に行き渡っていたのかも知りたいところです(国を挙げて対策をしていたので行き渡っていたかも)。
当時から狂犬病予防法には罰則があります(今もあります)が、厳密に取締ることは考えていなかったのかも。それは今も似たような状況なのかも。
ただし当時の政府としては(GHQの後押しもあり)狂犬病の撲滅に向けて力を入れて取り組んでいたようです。その姿勢を感じて欲しかったからこのような附則を作ったのかなと想像しています。
飼い主に無理強いするような内容、そこに込められた意味は?、そんなことを考えた附則でした。
ここまで。