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法律入門:ことば「準用」「読替」

狂犬病予防法の中に「準用」という単語が出てきました。なんとなく分かると思いますが、簡単に言ってしまえば「ある条文で定めたルールを他でも使わせてもらう」こんな感じだと思います。
特定の事柄に対してルールを使う場合は「適用」となり、それに対して既にある(他の事柄に適用したルール)を他の事柄に使うことを「準用」と表現します。

読み続けている狂犬病予防法では、第二条で「この法律は犬に適用」する、但し(条件はありますが)他の動物に狂犬病が発生して公衆衛生に重大な影響があると認めるときは「この法律の一部を準用」する、となっています。
(当時の狂犬病予防法、家畜伝染病予防法をよく読んで「あれ?」と思った人もいると思います。当時の家畜伝染病予防法には「犬」が入っているのでややこしく感じるのです。)

狂犬病予防法は犬のために作られていますが、他の動物に狂犬病が発生して大変なことになったら、この法律の一部を使わせてもらうよ、そんな内容です。
当時の狂犬病予防法は「一部」とし具体的に何処を準用するかは書いてありません。こんなところもモヤモヤします。


この単語(準用)を使うことにより、改正する時に元の条文一箇所を修正すれば「準用する」とした箇所全てが変更できるようになります。

私の説明では分かり難いと思いますのでネットで検索し、他の方の説明を読んでいただければと願います。その時に「準用」だけではなく「準用 読替」として検索してみてください。

私は以下のページが分かり易かったです。

人事担当者のための法律読みこなし術 - 第22回 準用する @ WEB労政時報無料版


私はこの「準用 読替」のある条文で読み切れていないものがあります。
それは今の、動物の愛護及び管理に関する法律 (準用規定)第二十四条の四 。
第一種動物取扱業者に対しての幾つかの規定を第二種動物取扱業者に準用する条文です。

一つ一つ確認してゆけば理解できそうなのですが、ここまで大量だとイヤになってしまいます。第〇条が延々と続き元の条文を一つ一つ確認する気になれませんが、単語が出てくるものは理解できます。
「登録」とあるのは「届出」、「事業所」とあるのは「飼養施設を設置する場所」、「所有し、又は占有する」とあるのは「所有する」、「所有し、若しくは占有した」とあるのは「所有した」、「販売若しくは引渡し」とあるのは「譲渡し」、などを見ると、一種と二種だからこのように読み替えるのね、と納得できます。


適用準用
先に紹介したページから引用します。

 「適用する」というのは、本来の対象に当てはめることをいいます。一方、「準用する」というのは、本来の対象ではないけれども似ている対象に条文を当てはめることをいいます。

「人事担当者のための法律読みこなし術 - 第22回 準用する @ WEB労政時報無料版

一度どこかで適用したものを、他の条文に当てはめることを準用といいます。

今読んでいる狂犬病予防法(昭和25年制定~29年改正まで)の第二条では「この法律の一部を準用」とだけですが、現在の第二条はどの条文を準用するのか分かるように書かれています(素人が読むとややこしくて苦労しますが)。
それが理解できると「犬以外の動物に狂犬病が発生した場合、この条文とこの条文は使われて、登録とか毎年の予防注射の条文は使われないのか、当然と言えば当然だね、あれ抑留やけい留命令も使わないのか、う~む猫が入っているから微妙だな」となります。

読替
先に紹介した動物の愛護及び管理に関する法律 (準用規定)第二十四条の四 の第二項を読んでいただければ分かり易いと思いますが、まず準用する。その上で「元の条文」の中の「○○」という単語を「××」と読み替えて読んでくださいと具体的に書いてあるので、元の条文を何処かにコピペし、該当の単語を置換すれば、目的の条文を理解できます(面倒な作業ですが)。

第二十四条の四の第一項は非常に長いですが、書かれている各条を一つずつ読んでみると「ああ、そうだね」と理解できると思います(時間はかかりますが)。リンクしたページには、第○○条と書かれた部分にリンクがありますので探す手間がないのでチャレンジし易いです。


先にも書きましたが、改正する時に元の条文一箇所を修正すれば「準用する」とした箇所全てが変更できるのでとても便利です。
この例であれば、第一種取扱業に規定する条文を改正すれば自動的に第二種取扱業に対しても改正が適応されることになります。
読み難いですが、便利で構造的にも合理的だとおもいます。

 
下手な説明で申し訳ないですが、ここまでにします。

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